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アルコールストーブの自作に夢中

 中国製の、CB缶で使うストーブやガソリンストーブについてあれこれ調べていて、発見したのが、アルミ缶によるアルコールストーブ自作の記事でした。
 昔父が古いアルコールのストーブを持ち出してきて、「これがいいんじゃ」と言っていたのを聞いていて、一度試してみようと思いながら、その肝心のストーブをどこにやってしまったのか分からなくなった経験があったので、実用にしようなどとは到底思わないものの面白そうなので、作ってみることにしました。
 作り出すと、これが結構はまります。

副室加圧式ストーブの制作

 まず最初は一番オーソドックスな副室加圧式ストーブを作ります。最初に作ったのと同じ型の物ですが、何個も何個も作ったので、作り方がだいぶうまくなりました。
 写真で順に説明してみましょう。(このページの写真はダブルクリックすると拡大できます)

 用意する物
アルミ空き缶2個
カッター
ものさし
辞書などの分厚い本
金切りはさみ(100円ショップでも)
円切りカッター(100円ショップでも)
精密ハンドドリル 0.8mm(100円ショップでも)
やすり(紙やすりでも)
マジックか鉛筆
広告の裏紙など
ホッチキス(必要なら)
アルミテープ(100円ショップでも 必要なら)
スチールたわし(必要なら)
穴開けパンチ(無くても十分)
ドリル(必要なら)
ガスバーナー(必要なら)

副室加圧式ストーブ
1: 用意した空き缶です。別にビールじゃなくていいんですが、我が家はこれしか飲まないので。
 この銘柄、期間限定商品のようですが、味は結構いけます。でも、缶のアルミは他の缶よりもちょっと薄めですね。
 ボトル型のコーヒーの空き缶の中には、ペットボトルのラベルのような物が巻いてあるだけで、ペンキでの印刷が無いものがあります。それを使うと後で印刷をはがなくても表面がきれいなので、磨く手間が省けます。
 それに、ボトル型の缶は、ビールの缶などよりアルミが少し厚いようなので、耐久性が少しは期待できるかもしれません。

副室加圧式ストーブ
2: 辞書などの分厚い本にカッターの刃を挟んで、缶を切る位置決めの印を付けます。
 今回は薄いストーブを作ろうとしているので28mmにセットしてあります。
 印を付けるだけでいいので、しつこく何回も回す必要はありません。
 このままカッターに切れ込みがつくまで回し続けて、切れ込みが1部でも付いたら、そこからちょっとずつ切れ込みの一方を押さえて、缶を切る方法もあります。
 こうすれば、金切りばさみを使わなくても缶が切れます。ですが、その方法だと何度も缶を回すので、どうしても切り口がずれて汚くなってしまいます。金切りばさみを使う方が、簡単できれいに仕上がると思います。

副室加圧式ストーブ
3: 最初からきれいに切ろうとすると大変なので、印を付けたところよりも少し離れたところに細いカッターを突き立てていい加減に缶を切り取ってしまいます。割合簡単にささっと切れます。
 缶をへこませないように気をつけましょう。
 切り取れたら、金切りばさみを使ってけがいた線に沿ってきれいに切ります。これを2つの缶を使って2つ作ります。
テスキーC型(ステンレス対応・倍力約3.5倍) 三菱マテリアル
 缶を切るには私は家にあったテスキーC型(ステンレス対応・倍力約3.5倍) 三菱マテリアル というやつを使います。これは缶がそり上がらず直線で切れるので、とても使い勝手がいいです。
 でも、薄いアルミ缶を切るだけですから、100円ショップの金切りばさみでも、全く支障はありません。よく切れます。
 それに、缶の上の円形部分に切れ込みを入れるのには、もうちょっと先が細い小さいはさみの方が切りやすいです。
 私は、それらの用途には、100円ショップの金切りばさみやニッパーを併用しています。
 きれいに切り取った写真を撮るのを忘れてますね。

副室加圧式ストーブ
4: 次に缶の中に入れる側壁のための帯を用意します。缶を切った高さより7mmほど高く切ります。
 今回は缶を28mmで切ったので、帯は35mmの高さです。
 どうせ短くしてしまうので、写真のようにワッカのまま切り取る必要はありません。最初の缶の底を切り取るときに、この帯用のけがき線も付けてから切り始めると平行な帯を作る苦労がいらないので、比較的簡単にこのような帯を切り出せます。

副室加圧式ストーブ
5: 4:で用意した帯を缶の出っ張った部分に合わせるようにカットしてホッチキスでとめます。
 私はホッチキスを使っていますが、切れ込みを入れて挟んで固定するなど、やり方は色々あるようです。
 ホッチキスで出来た穴など気にする必要は無いかも知れません。ですが私は気になるので、ホッチキスの穴をふさぐように台所用のアルミテープを巻いています。アルミテープは100円ショップでも手に入ります。
 なお、ボトル型のコーヒー缶はアルミの肉厚が少し厚いようで、この缶から切り出した帯は、普通のホッチキスでは留まりませんでした。その場合、もう一つ大きいホッチキスが必要です。

副室加圧式ストーブ
6: 5:で作った側壁下部に、副室にもアルコールが通るように、通路(オリフィス)を開けます。私は一穴パンチで写真のように2つ開けています。もちろんパンチなど使わなくても、山形に三角の切れ込みを入れても大丈夫です。
 これを、オリフィスを下にして差し込むと5:の写真のようになります。



副室加圧式ストーブ
7: 上蓋中央部に穴を開けるコンパスの中心となる点の印を付けます。
 私は上蓋の円の大きさに合うような円形の厚紙を円切りカッターで切り出して、それを蓋の円に落とし込んで、中心に精密ハンドドリルで印を付けています。




副室加圧式ストーブ
8: 円切りカッターで、上部に穴を開けます。
 カッターだけで切り出そうとすると大変なので、中心がずれないように何度か印を付けて、後は折り取ります。
 開口部の大きさは、大きいと、中央部での燃焼が大きい代わりに余熱が早く終わり、小さいと、中央部での燃焼が小さい代わり余熱に時間がかかり、ストーブ横のジェット孔からの炎がなかなか出てきません。
 私は直径34mmくらいの穴にしています。

副室加圧式ストーブ
副室加圧式ストーブ
8補足: 私が最初に作った1号機と2号機です。右では開口部が狭すぎて、ジェット孔から火がなかなか出てきません。これでは実用的な効率が悪すぎます。
 写真のついでに補足情報を追加しておきます。
 ジェット孔は1.5mmで開けています。黄色い炎が出るので、ちょっと大きすぎかな。
 また、上下の缶の接合を、下の缶にヒダを付けることでしています。焼きなまして組み合わせるよりはどうしてもでこぼこになっているのがよく分かる写真になっています。

副室加圧式ストーブ
9: 円切りカッターで円形の切れ込みを入れた写真です。
 できれば、裏側に円形の筋が見えるようになるくらいまでカッターで深く切れ込みを入れておくと、簡単に折り取ることができます。



副室加圧式ストーブ
10: 折り取るためのはさみを入れることが出来るようにドリルで穴を開けました。もちろんドリルなど使わなくても、カッターで切れ込みを入れていっても大丈夫です。ただ缶の底は缶の側面よりカッターが刺さりにくいので、用心しながら作業を進めましょう。



副室加圧式ストーブ
11 円のけがいた線に届くように切れ込みを入れます。小さめの破片にしておいた方が、折り取るとき、割合素直に円形で取れてくれます。
 一番手前の破片は、もう一つ切れ込みを入れておいた方が作業がうまくいくでしょう。



副室加圧式ストーブ
12: 一応円形に穴が開きました。8:の作業で裏に円形の筋が出来るほどまで丁寧に切れ込みを入れていなかったので、穴が汚いです。
 でも、これくらいなら、ちょっとやすりを掛ければ全く問題はありません。
 やすりがけをして形が整ったら、最後にスチールたわしで切り口を少しこすっておくと、手当たりがなめらかになります。

副室加圧式ストーブ
13: 穴開け作業の完了です。
 穴の開け方は、他にも方法があります。小さいドリル穴をけがいた線に沿って開けていって、最後をやすりで仕上げるとか、ニッパーで大まかに切ってやすりで仕上げるとか。
 ですが円切りカッターは100円ショップでも手に入るので、この方法が一番簡単で、仕上がりもきれいだと思います。

副室加圧式ストーブ
14: 副室で気化が早く起こるように、私は写真のように、副室にスチールウールを入れます。あまりきちきちに詰めずに、ふんわり状態で入れておく方がよいと思います。
 でも、他の方のホームページを見ても、副室加圧式ストーブ制作で、ここにスチールたわしを入れるのを見たことがないので、これを入れることの功罪は、私にはよく分かりません。
 本当はスチールたわしのあるなしで、効果の程を検証すべきなのでしょうが、私は面倒くさいので、そこまではしていません。
 もし、実験なさった方がいらっしゃれば、結果を教えていただければ幸いです。
 スチールたわしは、100円ショップでも手に入ります。100円ショップに行く手間を省いて、近所のホームセンターで買った高価なスチールたわしは、ご丁寧に石けんが混ぜてあって、これは失敗でした。

副室加圧式ストーブ
15: 14:までの作業で、部品の製作は終わりました。13:の上蓋を、14:の底にかぶせます。
 同じ缶を切り取った物なので、そのままでは当然かぶせることが出来ません。
 そこで、上からかぶせる方の缶を火であぶって柔らかくしておいてから、写真のように別の缶の底でゆっくり押さえて缶の入り口を少し広げておきます。
 こうすれば、比較的きれいに缶同士を組み合わせることが出来ます。缶をあぶるのには、私はガスバーナーを使用しています。コンロでも何でも、流用できると思います。
 あぶるのはあまりしつこくあぶり続けると表面の塗装が焦げます。ささっと短時間で何回かあぶる方が、きれいに仕上がるようです。
 でも実は、少々塗装が焦げたぐらいの方が、塗装を最終的に剥ぐなら、少し作業がしやすかったりもします。
 また、写真の様に口を広げておいても、うまく重ね合わせて組み合わせるには、少し辛抱がいります。ある程度広げておけば必ずうまく組み合わせることが出来るので、短気を起こさず、じっくりと作業に取り組んでください。
 補助的な方法として、缶の切れ端からアルミの小片を作り、それを靴べらのように使って組み合わせると、うまくいくことがあります。
 しかしこの場合も、無理に力を入れると傷が付いてしまうので、そっと気長にやってください。
 挿入時も、焦って不用意に斜めに押し込んでしまうと、下の缶に折れ目が付いて、きれいに出来ません。ゆっくりとすべての部分が同じペースで入っていくように、慎重にじわじわと押し込んでいってください。
 缶を組み合わせるには、ここで説明した方法以外に、下になる缶にラジオペンチなどでヒダを付けていって、押し込む方法もあります。それでも、それほどの支障はありませんが、やはりどうしても仕上がりが上の方法よりは少しでこぼこになります。
 それを気にしなければ、そういう方法でも十分対応できます。この方法で作った試作品の写真は、8補足:の所にあります。
 ヒダを付ける時のこつは、あまりヒダを大きく曲げすぎないことです。ヒダを大きく曲げすぎてしまうと、上下の缶を重ね合わせたときに、下の缶が曲がりすぎて、どんどん奥の方に入っていってしまい、都合のいいところで止まってくれません。
 ヒダの折り曲げは浅めにして、辛抱よく上下の缶を重ね合わせてください。

副室加圧式ストーブ
16 上下のパーツが組み合わさったところです。
 まあまあうまく出来ました。






副室加圧式ストーブ
17: 写真ではよく分かりませんが、広告の裏紙などを利用して細い帯を作り、それを缶の周囲にぴったり巻き付けて、セロテープで留めてあります。
 この帯を利用して、ガスが出てくる穴(ジェット孔)を開けるための定規を作ります。




副室加圧式ストーブ
18 帯を取り外して、半分に折り、折り目にマジックなどで印を入れます。





副室加圧式ストーブ
19: 18:を半分に折って4等分の印を付けます。
 これは16穴にする場合です。24穴にする場合は、18:の長さを測って、3等分して印を付けます。



副室加圧式ストーブ
20 19:で付けた印を重ね合わせて、写真の様にして、更に半分の所で印を付けていきます。




副室加圧式ストーブ
21: 20:で真ん中にある線同士を重ね合わせて印を付けると写真の様になります。これで8等分出来ました。




副室加圧式ストーブ
22 同じ作業をして、21:を半分にしていっている途中画像です。





副室加圧式ストーブ
23 16等分出来ました。





副室加圧式ストーブ
24 23:で出来た帯を缶にもう一度戻します。これをストーブの炎が出る穴(ジェット孔)を開ける位置決めの基準にします。
 私が使った缶の場合、斜め斜面の途中にちょうど良い具合に円形のくぼみがありますから、この位置にあわせて穴を開けると円がいびつになりません。
 穴は、私は0.8mmを開けています。100円ショップに売っている、0.5mmと0.8mmの2本セットの精密ハンドドリルを使います。手でぐりぐり回すと、簡単に穴を開けることができます。
 他の方の制作ページでは、1mm~1.6mmまでくらいの穴を開けられているようです。あまり穴を大きくすると不完全燃焼して炎が黄色くなってしまうので、私は0.8mmくらいでいいと思っています。
 本当は1mmのものと比較燃焼テストをしたいところです。
 1mmと1.5mmの2本セットの精密ハンドドリルも100円ショップにあります。
 穴を開けるのは、特に24穴くらいになってくると定規にどうしても不正確なところが出てくるので、私は一つ飛びぐらいに穴を開けていって、後からその真ん中に穴を開けるようにしています。そうすると少々定規の間隔が狂っていても、不正確さが目立たなくなります。

副室加圧式ストーブ
25: 私が使用した缶は、幸い円形のくぼみがあったので、それにあわせて穴を開けることで、円形がきれいに作れました。
 もしこのような印がない場合には、写真の様に、円切りカッターで厚紙を切り出して、適当な大きさの円定規を用意します。
 写真の様に、円に作図して16等分や24等分を作ろうとすると、たぶんかなり間隔が不揃いになってきやすいので、23:で作った定規と併用して穴を開けるのが、一番手軽な方法だと思います。

副室加圧式ストーブ
26 これで16穴副室加圧式アルコールストーブの完成です。





副室加圧式ストーブ
27: 後はどこまで磨くかです。缶の底や、上蓋の消費期限表示などは、最近よく使われるようになってきた、水を付けただけで磨くことが出来るスポンジできれいに磨くことが出来ます。



副室加圧式ストーブ
 
副室加圧式ストーブ
28: きれいになりました。





副室加圧式ストーブ
29: 元々の缶のラベルが残っているのも、味があるものですが、他の方のようにぴかぴか光っているストーブを見ると、どうしても自分のもぴかぴかに磨いてみたくなります。
 でもネットで色々紹介されている方法は、私がやってみてもうまくはいきませんでした。ラッカーシンナーや剥離剤などでは、一日漬けておいても、全く塗料が落ちません。
 紙やすりで磨くのは、そうでなくても薄いアルミが更に薄くなるので、始めから却下です。
 唯一の濃硫酸はまだちょっと試すことができていません。これはおそらくうまくいくのでしょうが、あまり安全そうでないのと、お金がかかりそうなのが気がかりです。
 それであれこれやって、大変ですがうまくいったのがピカールという有名な研磨剤でした。
 これで磨いてみても少々のことでは全く変化がないので最初はあきらめていたのですが、しつこくぞうきんでこすっていると、やがて塗料が落ちてきます。20分ぐらいは磨かないときれいにはならないので、筋肉痛になりそうですが、できあがったものを見るとやっぱりうれしくなります。
 でもやっぱり磨くのは大変なので、ある程度の完成度のストーブを完成することが出来るようになってから、磨きにかかると良いと思います。
 アルコールストーブを作り始めると、結構のめり込んで何個も何個も試作品を作って、缶調達が間に合わなくなり、できあがったストーブも所狭しと並ぶことになります。
 私も作っては納得がいかなくて、壊してはまたその部品を使って作り直しということを、いやというほどたくさんしました。
 最初の試作段階から磨くことに時間を取られていては気が遠くなってしまいますから、いいものができたら磨いて納得がいくものに仕上げましょう。
 なお、最初にも書いたとおり、一部のボトル型の珈琲缶などは、印刷ではなくペットボトルの帯などのようなものが巻き付けてあるだけのものがあります。これを使うと磨く必要がありませんから、そのような物を消費なさる方は、是非試してみてください。
 この缶の消費を抑えようとするなら、上になった方だけに使用すれば十分です。下は、どうせ重なり合わされて隠れてしまうからです。
 ただし、そうする場合の注意点は、ビールの缶と、ボトル型の珈琲缶とでは、缶底の円形に飛び出た山の大きさが微妙に違うことです。ボトル型の缶の方が、若干この円形が大きいようです。

副室加圧式ストーブ
30: 最終の完成形です。
 慣れてくれば、ここまで全部あわせても1時間もかかりません。本体制作だけなら20分くらいでしょうか。

 使用法は、中央の孔から燃料用アルコールを入れます。そこに火を付けると、1分でジェット孔からの燃焼が始まります。
 20mlのアルコールでも、400ccの水が6分ほどでかなり沸騰します。ぐらぐら沸騰しだすまで6分50秒、8分20~30秒ぐらいで燃焼がストップします。

31: 同じ高さの24穴も作ってみました。出てくる炎は、こちらの方がジェット孔の目が詰んでいる分きれいです。
 ジェット孔からの出火はやはり1分。沸騰時間は火力が少し強いので、6分30秒。でも7分30秒しか燃えません。
 沸騰時間もさほど変わらず、沸騰してからの持ちが少しでも多い分、私は16穴の方が好みですね。 





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