技能試験対策Tips

技能参考書を信じすぎない

 平成27年度第二種電気工事士上期技能試験(7月26日実施)の問題は、公表問題No.4でした。(解答)
 その問題の単相200Vにランプレセプタクルを接続する部分があります。ここの接続指定で、他の参考書はおおよそ黒と白を接続する指定になっていたようですが、黒本では赤と白の接続指定でした。
 技能試験終了後、黒本を使っていた人の内、少なからぬ人たちが、「参考書の通り赤白をつないでしまって即不合格だ!」と嘆いていました。
 技能指導書は、公表問題を元に各参考書作成者が、勝手に試験問題を予測したものですから、致命的な間違いがない限り、実務上の細かい部分で本番の試験と多少違っていても、文句を言う筋合いはありません。
 単相200Vですから、そこから100Vを取るのには、実務上は赤から取る場合も、黒から取る場合も当然あります。
 たとえば、リングスリーブと差し込みコネクタの指定位置、埋め込み連用取付枠の取り付け位置の違いなどもこのたぐいのものです。
 このような、どう指定されてもおかしくない部分まで、参考書の指定をすっかり信じ込んで作業をするのは、危険きわまりないです。参考書が実際の出題と違っていると、練習した通りであるが故に、施工条件違反で欠陥→一発不合格になってしまいます。
 我々は、どの参考書で勉強したかという運に自分の合否を無条件にゆだねてしまうような、浅はかな行為に走るべきではありません。ですからやはり、作業に取りかかる前に施工条件をしっかり確認して、それに合った工作をするように心がけなければなりません。
 参考書の仕様を丸暗記してしまえる人は、ある意味頭のいい人たちだと思います。私などは記憶力が悪く、回路などを丸覚えにすることなどはとてもできないので、その都度回路図を見ながら、複線図を作成します。ですから、こういった間違いは起こりようがありません。ですが、頭のいい人たちは、回路図や、複線図などどを、全て暗記してしまって、さっさと作業をしてしまえるようです。
 記憶力に頼って作業をしている人は、注意しましょう。

作業は座って

技能試験の受け方1
 技能試験も、筆記の時と同じく、大学の大講義室などの数人掛けの机のような所で行います。
 私が受験した大学では、大学のよくある大講義室で、机の縦幅がとっても短かく、座席もかなり窮屈でした。横は4人がけの所を2人で使用するので、隣に工具や荷物などを置ける余裕が多少あります。
 このような机の上にほぼ縦幅いっぱいに、縦36cm、横50cm(平成27年度上期実測)の厚紙を置いてその上で作品を作ります。
 作業は原則座ってしなければなりません。本番では、結構狭苦しいところで座って作業をすることになるので、そういった状態での作業に慣れておく必要があります。
 試験時に配布された用紙に、「作業は座って」というような記述が全く無いので、この項を書くに当たって、「どこかに書いてあったはずだ」と思って、改めて根拠をずいぶんと捜しました。
 やっと見つけたのが、技能試験の受験票の裏書きでした。「5.作業は着席のまま行い、ねじ止めなどのための一時的な場合を除き、立っての作業は禁止します」とあります。
  練習の時、場所に余裕がある所で立って作業をしている人は、知らないとあわてますので、要注意です。

VVRのシース剥き

 VVRのシースを剥くには、電工ナイフを使用するのが一般的です。電工ナイフで剥きたい辺りにぐるりと浅く切れ込みを入れ、今度は、中のコードの位置に注意して、コードとコードの間辺りをねらって、下のコードまで到達しないぐらいの浅い切れ込みを縦にコードに沿って入れ、後は手でシースをちぎり取ってしまいます。
 ナイフで完全に切れ込みを入れてしまおうとすると、下のコードまで削ってしまうので、ほどほどな切れ込みを入れるのがこつです。
 浅く切れ込みを入れるだけで、思ったよりも簡単にシースをちぎり取ることができます。
 このVVRをケーブルストリッパーで剥く裏技もあります。2.0、2芯を剥くところを使い、ゆさゆさなどは絶対にしないで、あまり強く握り込まないで、横にすっと引き抜きます。意外とうまく簡単にシースを剥くことができます。
 ただ、ゆさゆさ揺すったり、深く握り込みすぎたりすると、中のコードの絶縁皮膜まで傷つけてしまうことになるので、要注意です。
 この裏技は、以前はHOZANのホームページで紹介されていたそうですが、今はもうありません。
 慣れてしまえば、こういう使い方は非常に便利ですし、失敗する可能性も低くはなるでしょう。
 でも、試験では、VVRを使う箇所は普通一カ所で、しかも、元々とても短いコードを支給されることが多いので、一度失敗してしまってやり直しをすると、致命的に短くなってしまいます。
 ですから、試験場でこの裏技をあえて使うのは、私などはちょっと怖いです。

VVRの保護材の剥ぎ取りにはさみ

 練習をしていて、VVRの保護材を剥ぎ取るのがちょっとやっかいだったので、私は試験の時、先の尖りめの小さなはさみを持って行きました。
 私はケーブルストリッパーに合格ゲージを付けているので、それが邪魔になって、付けていないときよりさらに介在物を切り取りにくいからです。
 試験にたまたまこのVVRケーブルが出て、はさみが役に立ちました。やはり餅は餅屋、介在物の切り取りなどは、非常にやりやすい。
 しかも、出題されたVVRケーブルは、練習で使っていたものよりも、この介在物がしっかりしまっていて、手で剥こうとしたぐらいでは、どうにもなりませんでした。
 「どうやって剥くんじゃー!」と焦っていたところで、持参のはさみの先をつっこんで切れ込みを入れ、無事剥くことができました。
 「電工ナイフを持ち出すしかないか」と一瞬頭によぎったものの、電工ナイフは絶縁皮膜を傷つけるのがやっぱり心配なんだよね。
 やれやれ。
 出題によって、VVRがなければ、作業の邪魔になりますから、電工ナイフやはさみは早々に鞄の中にしまってしまいます。

ゴムブッシングの加工

 アウトレットボックスに取り付けるゴムブッシングが、切れ込みを入れるとき、勢い余って転がって紛失してしまうことがあるそうです。そうなると、困った。材料の追加支給もありません。
 でも、その場合、これは取り付けずにでも完成しておけば、軽欠陥で済むようです。
 電工ナイフを使う際、へこんだ方ではなく、平らな方を上にして切れ込みを入れるとよいそうです。
 ゴムブッシングに限らず、ねじなども落としてしまうと捜すだけ時間のロスになるので、落とさないように気をつけましょう。
 裏技としては、電工ナイフなどは使わず、ゴムブッシングをへの字に曲げて、ニッパーで切れ込みを十字に入れると良いそうです。
 電工ナイフは危ないので、極力使いたくはありませんから、これはいいのではないでしょうか。
 このニッパーも、ゴムブッシングが出題になければ邪魔なだけですから、早々に鞄の中にしまってしまいます。

施工省略部分の切りっぱなし

 施工省略部分のケーブルの切りっぱなし箇所は、途中を曲げたり、反対側に器機の取り付け作業をしたりするときに、線が中に入ってしまって、外側がシースだけの空洞状態になってしまうことがよくあります。
 これで欠陥を取られるのかどうかは分かりませんが、次の見かけと同じで、普段から気をつけておくに超したことはないでしょう。
 このような状態になっている時は、中の芯線が出るところまで切断し直しておきます。

作品の見かけ

 作品の見かけは、見かけが悪いだけでは、減点対象にはなりません。ですが、見るからにきちんとした施工がしてあれば、点検する方も安心して、最低限度の点検をしただけでじろじろとあら探しをするような見方は、あまりする気にはならないはずです。ひょっとしたら、ちょっとしたことなら、見逃してしまうかもしれません。
 逆にできあがりが汚いと、「本当にきちんとできているのか」と気になって、どうしても詳しく点検しなければならないような気になってしまいます。その結果、「よく見ていたら、ここも駄目じゃん」という様なところを見つけられてしまうかもしれません。
 また、同じような欠陥でも、全体的に作業が荒いと、「他の所と合わせ技で欠陥を取ってしまえ」というような心理にならないとも限りません。
 ですから、作品が完成して、点検してもまだ時間に余裕があればですが、見かけをきれいに整えるやり方も知っておくと、ちょっとした武器にはなると思います。