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簿記3級は決して易しくはない

 「日商簿記3級など2週間ほどの独学で取れた」などというような話がネットなどで時々見受けられます。しかし、全く簿記のことを知らない状態から、試験にまぐれではなく合格するような状態にまで持って行こうとすると、そんなに簡単ではないと私は思いました。
 どんな検定でもそうですが、3級ということで、その検定の入門的な位置づけでしょうから、それ以上の級に比べたら確かにはるかに簡単なのでしょう。それに、検定でいつも問われる論点もある程度限られてはいます。
 でも、簿記検定は、知識を問う検定というよりも、実際の処理能力を問う色彩が強い検定です。
 たとえば第3問では、1月の取引の内容が示されて、それを元に試算表を作成する問題が出ます。この問題を解くには、それぞれの取引の仕訳をし、それを元に、T勘定を作成して、試算表の各項目を埋めます。
 ここで、作業の元になる仕分けを一カ所間違えるとそれだけで、2項目間違えることになってしまいます。
 たとえば、「売り上げをして、1万円を小切手で受け取った」という仕分けを、
   現金 10,000  売上 10,000
ではなくて、
   当座預金 10,000  売上 10,000
と間違ってしまうと、「現金」「当座預金」の2つの勘定の数字が違ってきます。この問題の試算表を作成するには、30分近くかかると思いますが、その作業の前提となる仕分けを最初に間違えてしまうと、その後いくら正確に作業を進めても、そのすべてが無駄になってしまいます。
 それぞれの知識を問う問題なら、一つ間違っても、その得点を落とすだけですが、このように作業を元にして解答を作成していかなければならない簿記の問題では、最初の一つの誤りが、他の箇所の誤りにも連鎖していきます。まして、一つだけでなく、基礎作業で2つ以上間違いを犯してしまうと、できてくる試算表の数値は、その後どんなに正確に作業をしても、もうぼろぼろです。
 さらに、知識の誤りだけではなく、百円以下の金額を移し忘れる転記ミス、電卓をうまくたたけない計算ミスなど、至る所に落とし穴が待ち受けています。こういう落とし穴にはまらないように、30分以上の作業を間違いなくこなしていく正確さが簿記3級の試験では求められています。
 私はこれまで一年足らずの間に、第二種電気工事士、宅建士、危険物乙四、二級ボイラー、FP3級といろいろ受けてきましたが、「間違うことなく作業を延々とこなさなければ合格できない大変さ」というものを、この簿記検定3級受検の時ほど感じたことはありません。
 今回実際に検定に向けて勉強した日数は35日ほどですが、「このままでは絶対受からない」という危機感が強くて、毎日何時間も勉強をしました。おそらく世間でいう80時間のラインを遙かに超えて勉強していると思います。それでも、「受かるだけの点数を取れるような気がしてきたのはやっと試験一週間ほど前になる頃からでしたし、「何か一つミスをすると、それでも今回はやばいかもしれない」という思いは最後まで捨て切れませんでした。
 頭の回転がよく、作業ミスをしない人ならいざ知らず、私ぐらいの記憶力の悪い、作業間違いばかりする人間が、一日二時間ぐらいしか勉強しないなら、最低でも二ヶ月ぐらいはやはり予定しておいた方がよかったかなと、今なら思います。
 次もしかして2級にトライするようなことがあれば、まず3ヶ月は用意して臨みたいと思います。

日商簿記検定3級合格率グラフ