久しぶりでいきなり八甲田はかなり無謀だった

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 「ゲレンデではない山スキーの領域に踏み込んでいく自覚を持たなければならない」という話を前回の記事で一生懸命した割には、その自覚ができていないのは自分だったりします。

 子どもができて、以前のように毎週スキーに行くようなことができなくなったので、だんだん足が山から遠のいて、ここ数年は、一日もスキーには行かないという状態でした。そんな状態の中で、「やっぱり山に行きたいよなあ」ということで、山スキーにつきあってもらっている、元同僚の「やぎおじさん」と話がまとまって、今回の八甲田行きが実現しました。

 「一回も普通のゲレンデを滑らず、いきなり八甲田では、ちょっと、無理があるかもしれないな」と、少しは頭をかすめることがあったものの、欲望には勝てず、そんな予備練習をする暇もなく、八甲田に出かけていったのでした。

 まあしかし、予想以上に、普段何も運動をしていないハンデというのは大きかったです。
 毎日お酒ばかり飲んで、数年前と比べても、ズボンの胴回りが10㎝も太くなり、体重も10㎏ほど重くなっている影響も重なったかもしれません。
 初日にゴンドラであがって、ダイレクトコースを一本降りてくる頃には、早速足の抑えが効かなくなって、下の方の緩斜面などでも、曲がろうとすると股の筋肉がすえたようになって、押さえようとしても痛くてまともに曲がれません。
 山に来るまでは、イメージだけは持っていて、「こんな練習をして、カービングの練習をして」などと抱いていた幻想が、もろくも崩れ、2本目にはフォレストコースの下の道のようなだらだら斜面でも、足が痛くて痛くて、降りていくだけで苦痛です。とにかくごまかして同行者をあまり待たせないように、降りるだけでも精一杯でした。
 それでも、やっぱり誰も踏んでいない雪の誘惑には抗しがたく、上の方では、やっぱりちょっとコースを外れて、樹林の中に誰も踏んでいないところを求めて、つっこんでいく自分が居たのでした。
 そして、そんなことをやるものだから、基本ポジションを確認することなどできようはずもなく、フォームはばらばらで、体力がないのをスキー操作で補うことなどできるはずもなくて、へろへろの初日でした。

二日目は、風が強くてツアーは中止
 そんな状態で、「ツアーに参加して足がもつか」と、かなり若干不安になりながら、同行者の「行かにゃあ(行こう)」という声に押されて申し込んだツアーも、朝になってみれば、風が強すぎてゴンドラが動かないということで、あえなく中止。
 実のところは、ちょっとほっとした側面もあったりして。
 で、急遽、リフトでのゲレンデ行きに切り替えて、急いでロープウェー行きのバスに乗り込んだのでした。
 リフトはものすごい風で、特に上部の平地に出てからは、まともに顔を前に向けたままでいることができません。
 そんな状況の中、まともに決められたコースを滑るようなおとなしいことをするはずもなく、またまたちょっとコースを外れて、樹林の中に入っては、誰も踏んでいない雪を求めてさまようのでした。

 そうこうしていると、10人ほどの団体が、リフト下を滑って来るではありませんか。スキーに行って新雪が降る度に、「おいしそうな斜面があるなー」とよだれを垂らしてリフト下を眺めている私ではありますが、ちょっとね、ここまでしてはいけません。
 「後期高齢者が降りてます」とか元気に叫びながら、楽しそうに降りてきます。
 私もね、そういうところがあると、リフトの隣に座っている同行者にそそのかされて、ついつい行ってしまう口ですから、偉そうなことは言えないんです。でもね、やっぱりそういうことをしている「罪の意識」「褒められたことじゃあない」という意識は、忘れてはいないです。「早く入って、早く出てしまおう」という。
 そういう気持ちって、同じことをやっていても、持つのと持たないのとでは、やはり違うのではないでしょうか。
 こんなことを言うのは、まあ、自分への慰め(言い訳)にすぎないかもしれませんが。
 欲望に負けて、あまり褒められたことではないことをしている自分を、そういう意識を持たずに、みんなにおおっぴらに宣伝して、後ろめたくないという様になってしまうと、やっていいことと、いけないことの歯止めがなくなって、「何でもあり」の恥知らずになってしまう様な気がします。

 この方は、65歳ぐらいの山スキーを履いた女性だったようですが、まあ、とっても元気なおばちゃん、おじちゃん達でした。

 そんなことを思いながら、やっぱり誘惑に負けて、リフト下に入ろうとしたとたんに、ピーピーとパトロールに、リフトの上から笛を吹かれ、すぐに横の樹林に逃げたりしながら、やはり、みんなにあまり気づかれないように、右へ右へと進んで、フォレストコースの最後の道に出るあたりの上の樹林の中を、木を縫いながら、やっぱり道楽なことをしている自分があったのでした。
 でもやっぱり、足は緩斜面では曲がろうに曲がれないほど押さえるのが苦痛で痛い。それなのに、新雪・悪雪の中なら、これが意外と、足がそれほど痛くもならずに曲がれてしまうのだから、脳内アドレナリンの威力はすごいですね。

 天候が天候ですから、樹林の中でも、上述の場所の急斜面を降りてみようとしたら、なだれそうになります。ちょっと横に行こうとするだけで、足下の雪がざざっと落ちていきます。怖い怖い。
 それで、右に振ってしまう急斜面はすぐにやめて、ダイレクトコースの最後の急斜面の右横樹林帯の中を何度か降りたのでした。
 足は相変わらず、新雪・悪雪以外は、痛くて痛くて踏ん張るどころではありません。
 まあ、こういう天気の日は、昼までで十分です。早々に宿に引き上げて、湯治、湯治。

登らないのに歩くだけでへたばった
 そして運命の三日目。2月1日(日)
 今日はゴンドラが動くというので、ツアー実施。午前は、ゴンドラ駅からちょっと登った、アンテナを過ぎたあたりの所から、急斜面の新雪を滑り、すぐ左に巻いて、フォレストコースを横切り、沢におり切らないうちにフォレストコースに戻るコース。
 ガイドのすぐ後ろをついて、おいしい斜面をみんなに滑られないうちに滑ろうと欲張るも、いきなり転んで、それどころじゃあない。
 しかし、誰も踏んでない雪の中なのに、人のすぐ目の前に飛び出してくる人がいるのは、なんか、マナーがよくないです。
 新雪というのは、いくら滑れる人でも、かなり思いのまま滑れる人でも、急に曲がるというのは無理なんです。どうしてもワンテンポ、方向を変えるにはかかるんです。それなのに、人も目の前に、飛び出してくる。たとえ、止まっていたとしても、広い斜面の中なのだから、少しは配慮すればいいものを。
 ロープウエーで上まであがって、ガイドにおいしい斜面に連れて行ってもらって、「安易に新雪を滑りれればいい」という方が多いのか、どうも、他人に対する優しさが足りない。

 7年前には、こんなことは思わなかったことを、今後から考えてみると、みんなの行動は同じようなものでも、もしかしたら、自分が今回はとろくさすぎて、滑っている内に、他人に前に出られるような滑りしかできていなかっただけなのかもしれません。
 前回は遅くても3番目ぐらいまでにはガイドの所についていたのに、今回は5番目ぐらいになったこともあったので。それと今回は、やっぱり全体に練習不足で、転びすぎ。みんなに先んじて飛び出していって、すぐに転んでしまったのでは、ちょっと、かなりかっこわるすぎ。

八甲田温泉コースはえらかった、けど滑りは最高だった!
 そして午後。今日は八甲田温泉コースということで、とってもわくわくします。本来このコースは、2月に行くようなコースではないわけですが、今年は暖冬ということで、雪も少なく、滑りを求めて、銅像コースや、八甲田温泉コースに足を伸ばすことが多い様です。
 それで午後、体力スキーに自信がある兎さんグループと、ゆっくり滑る亀さんグループ、それにボードに分かれて、いざ出発。
 私は体力には自信はないものの、おいしい斜面は逃したくないので、兎さんグループ。兎さんが29人ほどで、亀さんは20人ぐらいだったでしょうか。
 行き先は同じ所なので、最初は兎亀どちらも一列になって、途中まで進む。
 でもこれがえらいんです。ゲレンデスキーでいけるようなツアーですから、極力登らないように、登っても、わずかに傾斜しているぐらいで、あとは横に歩いていくだけなのに、えらくてえらくて。ガイドのすぐ後ろを歩きながら、死にそうでした。「こうやって、無理に集団について行こうとして、無理に無理を重ねて、最後に動けなくなって、遭難するんだなあ」というのが、リアルに感じられたほど、えらかった。
 むかし、夏に羊蹄山に登るガイド旅行で、「私えらいからここで待っている」といって、旅行者のグループから離れて、そのまま置き去りにされて、亡くなってしまった方がいらっしゃったでしょう。それを、思い出して。
 大げさに言えばそんな感じでしたね。
 それなのに、それこそ60を過ぎたおばちゃん達、おじちゃん達が、そんな泣き言も言わずそぶりも見せずについてくるんだから、たいしたものです。
 「えらい。えらい。」といっているのは、私だけ。
 まあ、これは、私の不徳の致すところです。心がけが悪すぎました。最近スキーにも行かず、体も鍛えず、酒ばかり飲んで、ぶくぶく太って、体重を増やした私が悪いんです。
 知らない間に増えてしまった体重を支えて歩くだけでもえらいのには、本当にショックでした。
 「えらいえらい」というのも、みんなが客観的にそんなにえらかったというよりも、私が自分の体重を支えきれなかったという方が正しい言い方なのかもしれません。

 しかし、滑りの面では、最高でした、急斜面1回。急斜面の超ロングコースを1回。さらに中斜面・緩斜面で、適宜新雪の中を気持ちよく滑れました。こんなに新雪を満喫できることなど、自分で登って高度を稼ぐ山スキーでは、なかなか考えられないすばらしいスキーでした。

 横に歩いているとき、「私はえらくて死にそうなのに、みんな何ともないのかな」とぶつぶつ思いながら、歩いていた私でしたが、下に降りて迎えのバスに乗る方達を見ると、やっぱりみんな疲れ切った様子でした。
 私のように横移動に疲れたのか、もしくは慣れない新雪の滑降にも疲れたのかは、私には分かりませんが。

自己管理が必要
 酸ヶ湯のツアーでは、前回の記事にも書いたように、兎と亀のグループ分けなど、自己申告によるだけなので、みんなに迷惑がかからず、自分にも無理のないように、自己管理が大切です。
 「いいよ、いいよ。」で無理矢理兎に入っても、ろくなことにはならないでしょう。
 ツアーに参加するかどうか、兎にするか亀にするかなど、あまり酸ヶ湯のガイドさん達は、うるさく言いませんから、不安があればよくガイドさんと相談して、無理がないように自己管理して楽しいツアーになるように心掛けなければなりません。


 2月2日(月)は帰る日なので、午前中だけツアー参加ではちょっとお金がもったいないので、ツアーには参加せず。
 昨日の午前中ツアーで連れて行ってもらったところを、復習をかねてトレースしてみます。
 ゴンドラの山頂駅付近は、結構風が吹いていて、視界もあまりよくありません。やっぱり10mぐらいでしょうか。
 それでも、アンテナ塔の所まで何とかあがっていって、そこを過ぎてちょっと降りたあたりを左に振って、急斜面を降りてから、左左へと巻いていきます。
 ツアーに参加し、「ここを降りる」といわれたときには、ガイドを信頼しているので、雪崩の心配などほとんどしませんが、そこを自分たちだけで降りるとなると、やぱっぱりちょっと怖いです。木が全く立っていない急な斜面に面した沢を下るようになるので、なんか雪崩れていきそうな気がします。長居をすることなく早々になるべく安全なところまで行こうと気が焦ります。
 あと、フォレストコースを横切ってからは、今回何度か滑ってみたので、だいたいのコース取りは把握できました。
 7年前は帰る日に、ちょっと羽目を外しすぎて、バスに乗り遅れ、タクシーで青森駅に急いで、雪で遅れていた日本海にやっとの思いで乗りこんだという苦い経験があるので、それを教訓にして、今回はしつこく滑るのはやめにして、1時には酸ヶ湯に帰って、温泉につかってから、余裕を持って駅に向かいました。
 それからは、駅前の居酒屋で汽車の時間を待って、「日本海」で大阪に向かいます。

 

このブログ記事について

このページは、Neko Fumioが2009年2月20日 19:29に書いたブログ記事です。

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