深タンク自作によるカラー自家現像

カラー現像全般/自家現像の意義

Top > Syasin > カラー現像全般 > 自家現像の意義

自家現像の意義

一言で言うなら、自家現像のメリットは、他人に頼らずに写真を処理できるので、技術さえあれば、思うとおりに様々なことが他人に頼むよりも自由で安価にできるということにつきます。
 これはたとえば、フィルムに写っている画像の一部を自由にトリミングできるとか、画像の一部分について、おおい焼きをしたり色調を変化させたりして、通り一遍ではない処理が可能であるとかいうようなことです。
 ここではこのような、白黒、カラーに共通するメリットはひとまず置いておいて、カラーに限ったところで自家現像の利点を考えてみたいと思います。
 カラー現像においては、一般には色を再現するきちんとした基準があると思われているかも知れませんが、そのようなものがあるわけではありません。自動現像機は、様々な色が含まれている標準的な写真の色をミックスすると、グレイに近くなることが多いという原理を利用して、現像機のフィルターを決めています。そのため、たとえば画像中に赤が多い写真をこのような機械にかけた場合、その赤の程度を薄めようとするフィルターが選択されるので、赤の補色であるシアンの色に偏った現像になってしまいます。(カラーフェリア)
 こうして、0円プリントなどでは、そのままシアンに偏った色で現像され、ある程度良心的なラボなら、ディスプレイを見ながら、自動操作でおかしいようなら、手動でオペレーターがフィルター操作を経験で加えます。プロが作品用に信頼して出すようなラボでは、この経験による手動操作の補正が非常にすばらしいということです。
 しかしたとえば人の肌色一つ取ってみても、同じ肌色というのはありません。同じ人でも、その時々の体調や、光の具合によって色が違うはずです。それなのに本当に正確な色をきちんと再現することは可能でしょうか。
 結論からいえばフィルムに色の基準を写し込んでおかない限り、それは無理だということです。経験を積んだオペレーターでも、彼は元の正確な色を知ってそれを再現しているわけではないのです。彼らは、経験からおそらくこのあたりの色を作っておけば多くの人が納得するに違いないという程度を知っていて、それを再現しているにすぎません。あるいは、正確な色再現をするよりは、このような色再現をした方が効果的に見えるということを経験的に知って、そのような画像を作り出していると言ってもいいかも知れません。
 いずれにしても彼らは、何か絶対的な基準があってそれを再現しているのではなくて、自らの経験で培った感性に基づいて色再現をしているのです。
 ですから、もし彼らによって満足のいくプリントができあがったとしても、それは半分はネガを作った撮影者の手柄ですが、半分はプリントを作った現像者の力だということになります。
 もし幸いにして、自分の感性と非常に合う現像者と巡り会うことができたなら、その人に現像を依頼すればよいでしょう。しかし自分の感性を信じて、自分の納得のいく現像をとことん追求してみたいと思うなら、結果はプロの熟練したオペレーターによる現像にはかなわないとしても、自分で色やその他の焼き具合を操作してみるしかないのではないでしょうか。
 もちろん志は高く、自分の納得のいく、他人には任せておけない画像を作り出すことが最終の目標なのですが。
 カラー全盛の今日においてもなお白黒の自家現像にこだわる人が多くいるのも、結局は人任せにはしないで、自分の感性に従って自由に画像を作り出せる魅力がそこにあるからではないでしょうか。カラーだ白黒だと目くじらを立てる前に、目の前にあるものでそれを追求する方が、とても自然であるように私には思えます。
 後は、経済的にそこまでできるかどうかという問題だけでしょう。

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional