深タンク自作によるカラー自家現像

フィルム現像

Top > Syasin > フィルム現像 > 現像の安定

現像の安定(フィルム)

 フィルム現像については、ネガとポジ(スライド)で少し条件が違ってきます。
 まずポジの場合は、「フィルム現像の結果」=「作品」となるので、フィルム現像を厳密に管理して結果が常に一定になるようにしなければなりません。結論から言えば、それは非常に難しいと思います。後で紹介するような装置を使えばかなり安定した現像ができるようにはなるでしょうが、しかし現像時間の管理の点でかなり厳しいように私は感じています。
 それは現像液が疲労するからです。すなわちフィルム現像においては、単に現像の条件を均一にするだけではなく、現像液の疲労にあわせて、現像時間延長を厳密に管理しなければならないのです。現像キットにはこの時間の説明があると思いますが、その時間をきちん守れば本当に同じ現像になるのでしょうか。私の数少ないネガ現像の経験からすると、最初の数本はともかく十本近くなってくるとかなりしんどいように思います。
 ポジではありませんが、全日本カラー自家現像研究会を主催して自家製の現像装置を普及している内藤朝香氏が、自分はフィルム現像もしているはずなのに、他人には印画紙現像の装置しか普及しないのも、おそらくこのフィルム現像がなかなか安定できないからだと私は推測しています。装置を提供し、「これくらいのフィルターから始めなさい」と基準になるフィルター値を教える氏のやり方では、フィルム現像が安定しないのは、教えた基準値自体が無効になってしまうため、とても困るはずだからです。
 このことから得られる教訓は、フィルム現像の不安定から逃れて、簡単に印画紙現像のフィルターワークを身につけようとするならば、ネガの場合であっても、フィルム現像を他人に任せるのも一法であるということです。ただしこの場合、同じ業者を使わなければ、現像条件が一定にならないため、他人に頼むメリットはありません。
 ポジに対して、ネガの場合は、「フィルム現像の結果」=「作品」ではありません。ネガは最終的には印画紙現像のフィルターワークで色が完成するため、たとえ上記のように、多少現像の結果が不安定でも、印画紙現像の過程で修正することが可能です。
 現像液の説明書を読むと、液温は、+-0.3度の許容範囲と書かれています。この範囲をできるだけ維持するに越したことはないのでしょうが、たとえば、白黒でも使う普通の現像タンクを使い、現像の初めと終わりの温度の真ん中が現像の適温になるように温度調整すればよいという人もいます。このように現像中の温度が、終始一貫して同一である必要は必ずしもないようです。
 ただ、これまでにも述べてきたように、現像条件が変われば、発色の仕方も変わってくるので、温度が変わるなら、その変わり方が常に一定しているほど、後の印画紙現像で苦労しなくても済むことになります。
 後から補正できるなどと安易なことはなるべく考えないで、フィルム現像の結果をなるべく一定にする努力をしていかなければなりません。

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional