デリカD5 11型と11.5型の違い

 デリカD5CHAMONIX 4WDの新車を契約して、後から、契約したのが現行型ではなく、旧型の11型であることに気づいたという話をしました。
 ここでは11型と11.5型との違いについて少し考えておきましょう。
  11.5型のプレスリリースはこちら。


 このプレスリリースによると、変更の一番大きいところは、2WDが、エンジン内部の摺動抵抗の低減や、エンジンとCVTの制御見直しなどで、10・15モード燃料消費率(国土交通省審査値)を12.4km/Lから13.2km/Lに0.8km/L向上させ、平成22年度燃費基準+25%を達成することで、エコカー減税(75%軽減)対象車となったことです。(従来は50%)
 その他では、全車で、従来から採用していた「減速エネルギー回生システム(高効率発電制御)」の制御変更による最適化と、走行中にアクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏んだ場合に、ブレーキを優先する「ブレーキオーバーライド制御」を採用したことです。

内装は削減方向で

 後から販売の方に送っていただいた、「エコカー減税で、まだまだ販売のチャンス」とある「主要変更点一覧」によると、上記のプレスリリースにかかれたところ以外にも、内装は装備を省く方向でいろいろな変更が加えられています。

1)リアガーニッシュとバックランプハウジング色をブラックに変更←グレー
2)8人乗りセカンドシートの、サイドアームレストの廃止
3)インパネサイドポケットの材質を布に変更←ビニール
4)グレー内装色車のフロントピラートリムロア色をベージュに変更←グレー
5)サードシート背面のバンジーコードを廃止(DOP専用品を用意)
6)ベージュ内装色車のテールゲートのラゲッジルームランプのスイッチノブ色をブラックに変更←ベージュ
7)べ一ジュ内装色車のエレクトリックテールゲートのクローズスイッチをブラックに変更←ベージュ
8)フロントドアガラスの搬水コーティングを廃止
9)フロントウインドシールドガラスのヒートプロテクト機能を廃止
10)フロントウインドシールドシェードバンドを追加
11)運転席および助手席のバニティミラーのランプを廃止
12)ルーフビームガーニッシュの天井照明を廃止
13)本革巻ステアリングホイールのスイッチ照明色をアンバーに変更←白
14)ウォームホワイトパール外装色車のスライドドア窓室内側左右縦方向のブラックアウトテープを廃止
15)スライドドアストライカーの表面処理を電気亜鉛メッキに変更←ブラック塗装+フッ素コート
16)セカンドシート左側席のウォークイン&チップアップ機構
のロックオフ機能を廃止(右側席廃止済み)
17)ブレーキオーバーライドシステムを追加
18)エンジンカバーを廃止

 まあそれほどたいした変更ではありませんが、2)5)11)12など、車内の装備は直接目に触れやすく、無くなった部分に敏感になりやすいところだけに、「そんなものまで削って経費削減をしたか」と不満になりやすい要素を確かに持っているでしょう。
 ですから、この変更は「そこまでコストダウンをするか。改悪だ。」といった声があるのも事実です。
 しかし、実質的に考えた場合、「 どっちでも変わらんがな」という、こういう意見の人もいます。
 また、11.5型では、 8人乗りの場合、「セカンドシートのアームレスト廃止のおかげで、3列フルフラットができる」様になったらしいです。
 私は7人乗りを買ったので、確認はしていませんが、7人乗りでも座席をフラットにしようとすると、セカンドシートのアームレストは、結構じゃまになって自由がきかないので、この記事を読んで、「さもありなん」と思いました。
 別項で書くように、デリカD5は、シートをフラットにする上で、構造が中途半端なので、これは使える改変といえるかもしれません。

なんで「『減速エネルギー回生システム』の最適化」を宣伝しないの

 私は、見栄えよりも、実質的な機能を重視する人間なので、「『減速エネルギー回生システム(高効率発電制御)』の制御変更による最適化」というのがどの程度のものなのか、ということがずっと気にかかっていました。
 それが本当に効果的なものなら、旧型を買った人間として悔しい気がしたからです。
 でも、この改変は、プレスリリースには取り上げられているのに、販売促進の人が参考にするであろう資料には、全く取り上げられてはいません。
 効果がそれほどの、「言うに足りないものであった」ということなのでしょうか。でもそれにしても、「省略=コスト削減}よりも、「改良」に当たる部分をしっかりと見せるのが商売の常道でしょう。それなのに、効果があるかないかは別としても、改良を目指した改変を、このように全く宣伝しないのですから、「改悪だ」と騒がれても仕方がないのではないでしょうか。
 私自身は、今回のマイナーチェンジは、よくなったところと、省かれたところと、コスト的にはどっちもどっちなのかなと思います。いわゆる、「行ってこい」というやつです。

Bluetoothが使えない

 11.5型の総合カタログを見ていると、外部リンクシステムのusb端子や、Bluetooth接続が、MMCSナビには標準でついてくる旨の記載があります。
 ところが、私がもらった2010年10月発売のCHAMONIXのカタログには、これらがメーカーオプション42,000円になっています。
 うかつにも今になって気づきましたが、CHAMONIXについてくるナビは、2010年6月発売の11型からMMCS搭載車に標準装備となったusb端子や、Bluetooth接続を省いた廉価版だったのです。つまり、CHAMONIXのナビは、カタログ価格367,500(414,750)円の通常のものではなくて、そこから42,000円分の装備を省略したものでした。
 ということは、CHAMONIXのお買い得度を計算する際にも、その分のお金を割り引いて考えなければならなかったわけです。
 このような仕様は、Bluetooth接続が不要な人にとっては、廉価でMMCSを手に入れる方法ではあるのでしょう。
 しかしこの機能は、他車には付いているわけですから、買ってしまった者に「安物を買ってしまった」という意識を植え付け、「それがいやなら42,000円のオプションをつければ」と誘いにかかるきわめていやらしい手口のような気がします。
 メーカー側がBluetooth接続の機能を省いてコストダウンできる額は、おそらく1万円もないでしょうから、たったそれだけのコストダウンをして消費者の劣等意識をあおり、何人かに42,000円を払わせるよりも、そんなけちなことはせずに大盤振る舞いした方が、遙かに企業イメージがあがると思うのは貧乏根性の抜けない私だけでしょうか。

なんで使えもしないスイッチが初めからついてくるの

 Bluetoothが使えないのは、元々それの必要性を感じていたわけではなし、カタログにもそう明記してあるわけですから、「初めから無かったのだ」と思えばあきらめがつきます。しかし、ハンドルには下部にハンズフリーの携帯電話用のスイッチが使えもしないのについてきます。
 これを使おうとすれば、メーカーオプションで、携帯電話とつなぐ携帯キャリアー別(つまり、ドコモとかauとかの別)に、接続コードをディーラーで1万円近く出してつけてもらわなければなりません。しかもこれは、携帯をコードでつないで初めて機能するようですから、Bluetooth接続のように、車内に置いてあればよいものなどとは訳が違います。
 このように標準仕様では全く無意味で、ディラーオプションで1万円も出して追加装備をしても、メーカーオプションでつけたときとは、決定的に機能が劣るものしかつけられないようなもののスイッチが、初めからついている車というのは、購入者をばかにしているとしか思えません。
 いや、どんなものでも、上級機種でしか機能しない、下位機種では使えもしない機能を制御するためのスイッチが残っている製品なんて、そうそう見つけることができるものではありません。
 そういう意味で、使えもしない便利そうな臭いのするスイッチがこれ見よがしに付いている製品なんて、金額の多寡(たか)を問わず、私には初めての経験でした。
 Bluetooth接続が別売なら別売で、メーカーオプションなのですから、スイッチが違うハンドルを、オプションごとにメーカーで用意するというのが、当たり前の対応のはずです。
 数千円の家電製品でもこんなお粗末なことは普通あり得ないわけですから、300万円以上する車で、こんな手抜きは許されません。

Bluetoothをハンドルスイッチで使いたいなら

 Bluetoothをハンドルスイッチで使いたいなら、在庫整理のCHAMONIXを安く買ってはいけません。11型の旧型を買って、11型と11.5型の仕様の変化よりも、無意味なハンズフリーのスイッチがこれ見よがしに付いていることの方が、よっぽど私にはこたえました。
 イヤホンマイクでよいなら、Bluetoothでハンズフリーできる製品を2,000円程度でどこでも入手できます。ですから、実質的なことを考えれば、そんな機能などついていなくて十分なのだと私も思います。しかし、この無意味に付いているスイッチを生かそうとして、「昔IOデータから、D5用のBluetoothの無線キットが出ていたようで、それならハンドルのスイッチが生かせるそうだから・・・・・・」という思考になるような人は、11型のCHAMONIXには引っからない方が賢明です。
 後日、社外のBluetooth車載ハンズフリーキットを取り付けました。

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