ストレスが酒を飲む

ストレスが酒を飲む

 毎日「えらい」「ストレスがたまる」「面白くない」などと言って、お酒を大量に飲んでいませんか。
 私もちょっとアル中気味になっているのか、暇があると何となく酒を飲まなければならないような雰囲気になっていました。本当に欲しいのかどうか分からないのだけれど、何となくお酒に手が伸びてしまうんです。
 ところが、昨年の終わり頃、自己啓発の本を読むようになって、ちょっと状況が変わってきました。食事の時にあれほど飲んでいたお酒が、あまり欲しく思わなくなったのです。飲まなくても我慢できるし、飲んでも本当に小さいコップに一杯。
 以前飲んでいたときにはお酒の味なんて良く味合わないままどんどん惰性で飲んでいたのに、それだけ飲んだだけで、結構お酒の味を本当に感じながら、たくさん飲んでいたときよりも結構気持ちよく酔って飲めるのです。そのような経験をして、「ああこれは、自分が酒を飲んでいたというよりも、ストレスが酒を飲んでいたのだな」と思いました。自分じゃあない何者かが、自分の体を使ってお酒を飲んでいるんです。
 それで、最近はどうかというと、お酒を飲まなくなって、食事の時にご飯を食べるようになったのは続いているのだけれど、自己啓発の本を読まなくなって、そんなこともあまり考えなくなって、また酒の量が増えつつあるといった状況です。たぶん酒が無くても良くなっていたときよりも、前向きなパワーが自分でもかなり無くなってきたように思います。何とか、また自分でしなければいけませんねえ。
 それが簡単にできればいいのだけれど、なかなかそう簡単にはうまくいきません。
 時代劇などを見ると、「あー、うめえ」といって、お酒を飲むシーンがよくありますよねえ。あれを見て、「今は物が豊かになってお酒などにも慣れっこになっているから、お酒のありがたみも分からなくなっているのではないかな」と私は思っていましたが、そればっかりでもないようです。時代劇の中でも出てくる飲んだくれは、たぶんやはりお酒のおいしさなんてのは感じていないのではないでしょうか。
 私はお酒に「うまい・まずい」がないとは言いません。やはりよいお酒はおいしいです。でもその酒をたくさん飲んでも、それほど自分が豊かには感じられない飲み方をすることが我々には多いのではないでしょうか。
 たぶんそれは、ストレスが酒を飲んでいるのです。
 と、こんな話を書きながら、朝っぱらから安酒を飲んでいてはいけませんよねえ。

タイトルとURLをコピーしました