車中泊関連

デリカD5で車中泊を快適に(寝板)

 デリカD5のカタログには、2列め3列目のシートをフラットにして、上に寝袋を置いた、いかにも車中泊が快適にできそうな写真が載っていて、購買意欲を高めるような宣伝になっています。「フラットシートレイアウト」というのだそうです。
 しかし、これは単なる見せかけで、3列目をフラットにした時に、背もたれが座席部分よりも15cmくらい高くなってしまうために、この部分を枕として使うこともできず、結果、このレイアウトで快適な車中泊をするのには無理があります。カタログでは、できる段差に気づかせないようにわざと寝袋で隠してあるという確信犯的な宣伝になっています。
 このあたりの詳しい事情はブログの方に書きましたので、デリカD5の車中泊に興味があり、この記事に書いた結果だけではなくて、途中経過も知りたい方は、ブログの記事を参考にしてください。

一番簡単なのは、エアマットを使うこと

 デリカD5で車中泊をするための用品は、マットであったり、ベッドキットであったり、ネットでいくらか販売されてはいます。しかしそれらは、中途半端であったり、改造の工作が必要であったりして、手間もお金も結構かかる割に、使い勝手がいま一歩なものが多いように思います。
 フラットになっても、3列目の背もたれの高さを基準にするようなものは、天井の高さが15cmほど低くなってしまいますし、元の乗車人数を確保した乗り方もしたいとなると、元に戻すのも大変など、あまり導入したくなるようなものはありません。
 一番手軽に無改造で車中泊を楽しむには、1列目をなるべく前にやって、そこに荷物を置き、2列めフラット、3列目は一番後ろにやって、背もたれを若干寝かせて背もたれとし、2,3列の上にセミダブル幅のエアマットを設置する方法です。
 これで寝るのはとても快適になります。ただし、エアマットはふくらませると25cmくらい高くなってしまうので、マットの上で酒盛りをするには、ちょっと天井が低くなりすぎ、つっかえてしまいます。
 そんなわけで、やはり寝るとき以外はこのマットが無い方が快適なので、起きると同時に一々マットを片付けなければならないという手間は少々面倒くさいです。
 それとこの方法では、当然、半分だけベッドを設置などという芸当もできません。 

デリカD5用の寝板を作る

クリックすると拡大画像を表示します 上のシートレイアウトをしたときの問題点は、エアマットで隙間を塞がなければ、隙間がありすぎて、寝ることができないという点です。そこで、この隙間をなくすように、シートの上に置く寝板を作ります。
 4分割にして、前は、62.3cm×91cm 2枚、後ろは、56.5cm×91cm 2枚です。厚さは14mm。
 設置の仕方は、デリカD5のセカンドシートの座面は、なぜかちょっと上に上げて固定できるので、そうすると、板を載せてもほぼフラットになります。サードシートの座面にもちょっと高さを持たせるための5cmくらいの高さの板切れを乗せると良いかもしれません。
 板を合わせたところはどうしても支えが必要なので、前と真ん中に2本、40cm位に伸びる建築用のプラスチック束(つか)を使います。ネジで高さを調整してうまく支えることができる長さにします。元々付いている受木ではちょっと小さすぎるような気がしたので、私は受木も少し大きめに変えました。
 2列めのヘッドレストは、取り外すか、前後を逆にして取り付けます。通常運転時に後ろが見にくいので、3列目のヘッドレストも、私は外しています。

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寝板の工作

 構造用合板を必要サイズに切って、その上にウレタンを置いてクッションとし、フェイクレザーで覆います。フェイクレザーはタッカーでパチパチ止めていきます。
 合板は何でもいいのはいいのですが、あまり品質の悪いものは、接着剤のホルムアルデヒドの匂いが強烈なので、そこには気をつけた方がいいでしょう。また、あまり薄すぎるものはたわんでしまいます。
 ウレタンは、私は難燃性の2cmというのを買って薄すぎたので、2枚重ねにしました。難燃性にこだわらなければ、高反発のウレタンの方が快適に過ごせそうな気はしています。
 120m×200cmで、1枚を継ぎはぎだらけで無理やり4枚に使いました。
 フェイクレザーは、椅子などの上張りに使うようなビニールレザーで、中国から取り寄せました。ウレタンの厚みが結構あるので、その幅が加わることも考えに入れて、枚数を決めないといけません。私は100cm×137cmで2枚取れると思って、2枚しか注文しなかったのに、これでは結局1枚ずつしか取れませんでした。また、もう2枚、次の商品が来るまで、1ヶ月間工作待ちです。
 4隅を板の端から11cmずつ取り、板厚1.4cm、ウレタン厚4cmですから、残り5cm程を二つ折りにして2重にし、タッカーで止めました。

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炊事レイアウト

クリックすると拡大画像を表示します この寝板を使って生活する時には、炊事をする様な場合、半分は寝板を敷いたままにし、もう半分の一枚を一番前にして前に倒しておいたセカンドシートの後ろに立てかけて、一枚は中央に立てて置いて小物の落下防止として活用し、セカンドシートとサードシートとの間に、2口ガスコンロを置いてサードシートに座って調理をします。
 食事時にも、お客は寝板の上で快適にくつろげますし。調理をする本人も、サードシート上で快適に座っておれます。
 このようにして、2人なら宿屋として夜間をずっと過ごしてもさほど不自由でもなく生活できますし、寝るだけなら、少々窮屈でも3人くらいまでなら大丈夫です。
 前席をかなり前に設置する設計にしているので、設置したままで車を移動させるのはかなり窮屈ではありますが、出来ないことはありません。長距離の移動なら、運転席側は板をちょっと後ろにずらしておいてゆったりと運転し、助手席後ろだけをきちんと設置して、仮眠用に使うということも可能です。

車両は無改造、板を下ろすだけで即7人乗り

 この寝板の優れているところは、車両を全く改造せず、寝板用の余分な装備も最小限であるということです。サードシートを跳ね上げることすらしてはいないので、必要があれば板を下ろすだけで、即ノーマルの7人乗りに戻り、大人数を突然載せなければならなくなった場合でも、すぐに対応ができます。

火を使うときには要注意

 車中泊では、調理をする時には、特に、ガスボンベに火を付ける場合には、窓を少しだけ開けておくように気をつけなければなりません。ガスコンロの自動着火ですぐに火がつかない場合には、生ガスが漏れますので危険です。そうしないためには、着火時だけは窓を少し開けるようにし、チャッカマンなどのライターを使うようにし、自動着火は使わないようにすることです。
 昔そんなことを考えもしなかったせいで、コンロに火がつく時に、自動着火で先に漏れた生ガスに火が付いて、ボンといって同乗者のまつげがコゲたことがあります。

本当は仮工作で、もう10年間使ってきた

 新しいことをする時には、いつも、何をどうしていいかに悩みます。最初この寝板を作った時に、ウレタンやフェイクレザーなどどこから何を注文していいか分からずに、作業が止まってしまいました。
 でも、実際、スキーには出かけるわけで、必要に迫られて、応急的にでもなんでも、寝ることができるようにしなければなりません。
 それで、ネットを見ていると、スポンジは何もウレタンなどではなくても、商品を梱包する時に使うプチプチを何枚か重ねておけばそれで結構使えると書いてあります。上の覆いはとりあえずそこら辺に転がっていた養生シートで済ますことにして、それで見かけは悪いものの、結構快適に使ってきました。
 さすがに10年も経つと、養生シートなどその場しのぎのものなので、ぼろぼろになってきたので、今回やっと本腰を入れて作り直すことにしました。これでやっとホームページにも公開することができます。
 作り変えのためプチプチを剥がしてみると、結構空気の抜けてしまった所が多かったです。最初の出来上がり時のふわふわ感がなくなってきていたのもそのせいでした。

厳冬期用寝袋

 真冬に車中泊するなら厳冬期用の寝袋を用意しましょう。スキー場で車中泊するぐらいならこれらを使えば下着だけで寝ても大丈夫なぐらい温かいです。
 山登りするなら、重さや大きさが重要になってくるので、高くても内容量が800g以上あるダウン製品を買わざるを得ませんが、車中泊だけなら化繊のシュラフでも十分です。
 私は車中泊用に、Colemanの化繊シュラフも一つ用意しています。
 3シーズン用を使い回すなら、封筒型の中にマミー型を入れて2重にし、頭の穴は、体の下に回して外気をシュラフの中に入れないようにすると、それでも使えないことはないかもしれません。
 ともかく、車中泊を考える際には、車のエンジンを切っても快適に朝まで熟睡できる暖かさがある寝袋をぜひ用意しましょう。

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