ハイゼット
HIDの取り付け(ハイゼット)
前頁のデリカD5へのHIDを購入するついでに、軽トラのハイゼット用に、55W H4 Hi/Lo上下切り替え式バルブ・6000Kも購入しました。
海の物とも山の物とも分からないのに、同梱で送料を少しでも節約しようとして(同梱分1個1575円→950円)、大量に買い込んでしまったものですが。
スライド切り替え式と上下切り替え式・・・・・スライド切り替え式を選ぶ
このキットは、スライド切り替え式と上下切り替え式の二つの方式からバルブのHI・LO切り替えが選べます。私は最初、新しい方式ということで、上下切り替え式を注文してしまいましたが、でも、これ、スライド切り替え式の方が良かったようです。
スライド切り替え式は従来からあるやり方で、バルブが、ハロゲンランプのHI LOの発光位置にあわせて、前後にスライドします。これにはドーム型の大きな金属製の覆いがついています。
上下切り替え式はバルブが上下に動くことで、HI LOを切り替えます。この後から出てきた形式の方が、衝撃・振動にも強く、低温・高温時の切り替え動作が安定しているそうです。これにはバルブのてっぺんの覆いがなく、側面のみ、金属の覆いがあります。
最近の車検ではロービーム対象の検査になっているので、上下切り替え式バルブでは、ハロゲン球と発光位置が変わってしまい、カットオフラインが出なくなってしまう不具合があるようです。
ヘッドライトユニットの取り外し
とりあえずヘッドライトユニットを取り外さないことには話になりません。私のH12年式のハイゼットは、ポジションランプのところがねじ止めしてある1つ前の型です。このねじをはずし、ウインカーやポジション球がついている部分を前に押し出します。結構固くしまっていて、なかなか前には出てきませんが何とか前に押し出さないといけません。この部分は、ユニットの前と後ろにそれぞれ挟まるところがあって引っかかっているだけです。前に押し出さないで、ねじる動作をしてしまうと、後ろ側の引っかかりが小さなワッカにすぎないので、すぐに折れてしまいます。
どういう構造になっているか分からないので、近くのダイハツに行って、聞いたついでに取り外してもらいました。ところが、なかなか引っかかりが取れなくて、ごらんの通り、よじって左側の爪を折ってしまいました。
でも、相手もさるものです。「あ!やっぱり、折れた!」と言っても、知らぬ顔をしています。折れた部分が下に落ちていますから、今折れたのは明らかなのですが、それを認めて謝ってしまうと、只(ただ)でやった作業なのに、弁償を要求されるとでも思っているのでしょう。
ただ、このようなことは、作業をそばについてじっくり見ているから分かることであって、ショールームのコーヒーを飲みながらゆったり待っているような場合なら、こんな爪は折れても、内に隠れて分かりはしないので、やっぱりそのまま組み付けて知らぬ顔をしているだけでしょう。
ポジション球の部分がはずれてしまえば、後はそこに隠れていたねじを2本はずすとヘッドライトがはずれますから、そこからは簡単にできるでしょう。
バラストは、ヘッドライトから中央寄りに、いくらでもパネル裏のスペースがあるので、そこに両面テープで貼り付けました。私が購入したのは、リレーレスですから配線は簡単です。
リレー配線が必要
ところが、リレーレスを取り付けて2年程経ってやっと分かった経過から報告すると、私のハイゼットの場合、リレーレスでは電力不足になって発光が不安定になってしまうようです。
リレーレスを取り付けた当初はきちんと発光していたものの、1年ほど経った頃から片側が、スイッチON後一回目では点灯せず2回目以降では点灯するようになりました。バーナーを左右入れ替えると、不点灯のバーナーも移動します。
その症状から、私はバーナーが1本不具合になったのだと判断していました。とりあえずスイッチを入れ直すと点灯するので、バーナーがいよいよダメになってしまうまで、もう少し取り替えを我慢してからにしようと様子を見ることにしました。
そうして我慢して2年近くになると、片側だけでなくどちらも同じような症状になって、点灯するまでのスイッチを入り切りしなければならない回数が増え、HIDが暖まらないと全く点かなくなっていきました。
片側だけの初期不点灯だけならまだ我慢が出来ますが、左右両方ともの不点灯では、危なくて仕方がありません。これはもうバーナーを替える限界かなと考え出した頃、ついに、さらに片側のバーナーが何回スイッチを入り切りしても全く点かなくなってしまいました。
それで、対策をしようとして、これまでの経過から、バーナーの不調だとしか疑わなかったのですが、取り寄せておいた新しいバーナーを付けても、不点灯は解消しません。とうとうバラストか、リレーレスの配線も壊れたようです。
新しいバラストを待つ間、例によってネットで原因を調べていると、バラストとバナー間には高圧が流れているのに、接点は小さいので接触不良がある場合があるので、接点改良剤を使うといいという記述を見つけたので、ものは試しでやってみました。
そうすると、今まで点かなかったバナーが点くようにはなりました。両側同時不点灯も解消されたものの、片側がすぐには点かない症状までは改善しません。
更に様子を見ていると、おかしなことに気付きました。片側の不点灯が、同じバナーばかりではなく、時に右になったり左になったり、同じ側がなることが多いにしても、たまに反対側が不点灯になることがあります。
また、左右が点灯していても、車のスピードが落ちてくると片側が消えてしまうことも度々です。接点改良剤を使う前にもこの症状はありましたが、それがとてもひどく現れるようになりました。
それで、不具合は部品から来るのではなく、供給電力不足が原因かもしれないと疑うようになりました。
リレー線の施工
リレー線の施工は難しくはありませんが、ハイゼットの場合、車体中央にあるバッテリーから、車内を通過して、車体最前部のヘッドライトの所までコードを引いてこなければならないので、かなり面倒くさいです。これがシルビアなどの普通の乗用車なら、すぐにできるのですけれどね。
配線には2sqのコードを使います。どうせ施工するのなら1本が2本になっても手間は変わらないので、アース線もじかにバッテリーの所から取ってきます。HID不調の原因は、電源線だけではなく、アース線の不良もあるということをネットで知ったからです。
配線の取り回しは、右ヘッドライトを外した上方のゴムの部分から車室内に取り入れ、運転席の椅子の下からバッテリーにもっていきます。ケーブルをコルゲートチューブで保護すると見栄えが良くなります。この際ですから、コンデンサチューンの時の配線もこんどはきちんとコルゲートチューブに包んでおきます。
リレー施工結果
リレー施工の結果、HID部品は何も取り替えていないにもかかわらず、これまでの不調が嘘のように快適になりました。
左右が同時点灯して、車のスピードが落ちてもライトが消えることもなく、車両が止まってちょっと経ってオートライトの切断が働くと左右同時に消灯します。
これまで同じ消灯するにしても左右どちらかが先に消えて、後からもう片方が遅れて消えていたのとは大違いです。
このような症状が出た場合は、リレーレスが原因の電力不足に陥っている可能性があります。
HIDの商品評価記事や、取り付けブログなどを読むと、特に軽自動車でこのような記述を見かけます。これらはどうも、私と同じ原因のようですね。
以上の経験からHID施工について言えることは、
バッテリーの状態も影響か
上記のようなリレーレスの不具合が決定的になってから約半年後、バッテリ-がお亡くなりになりました。もしかしたら半年前からバッテリーがかなり弱っていて、それでバッテリーが強かったときには出にくかった症状が決定的に出るようになったのかもしれません。
しかし、始めの症状が出始めてからでは、車が動かなくなるまでには2年近くありましたから、症状改善のためにバッテリー交換を考えるのはやっぱり不経済でしょう。
ハイビーム警告灯が不点灯になる対策が必要
私のハイゼットでは、ただ取り付けただけでは、ハイビームの警告ランプが点灯しませんでした。それでは車検の時に受かりませんので対策が必要です。この対策については次項に書きます。
とりあえずのところ光軸調整はする必要がなかった
私が買ったHIDでは、光軸は、ハロゲンで調整したままで支障はありませんでした。そのままで走っても、パッシングなど受けることもなく、見え方もよく見えるようになりました。
もちろん、後日の車検でも無調整で受かりました。
ただ、デリカD5へのHIDの取り付けの項でも書きましたが、HIDは、明るくなるまでに、数秒の時間が必要です。最初スイッチを入れた段階では、「明るいはずだったのに、何でこんなに暗いんだろう」と思ってしまいます。でも、数秒後にはじわじわと、とっても明るくなってきます。それがどうもHIDの特性のようです。
車検に行ってきた-後日談-
上述したとおり、前回の車検の時に、ハロゲンバルブで調整してもらってから、今回一切調整することなくHIDバルブに替えた状態でも、一発合格でした。私が買ったバルブは、光軸の変化をあまり気にしなくてもよかったみたいです。
軽トラの場合、運転者が乗っているか、それとも降りているかによっても、検査の合否が変わってくるほど光軸の調整は結構微妙です。それでそのまま合格したのですから、あまり心配する必要はなかったのかもしれません。
ただ少し気になったのは、スピードメーターの検査の時、パッシングを何度してもなかなか認識してくれなかったことです。HIDの場合、最初があまり明るくならないので、光が足りなかったからでしょうか。
何度もやって、ちょっとひつこめにパッシングして、やっと検査が終わりました。
これは、検査の前にちょっとHIDを点灯させて、暖めておいた方がよかったのかもしれません。一度点灯させておけば、次はそれほど時間をかけなくても明るく点灯しますから。
二度目の車検に行ってきた
今回は、スピードメーター検査の時、ちょっとのパッシングではうまくいかないかもしれないことが分かっていたので、一度でうまくいかなくても、くじけずにしつこめにじっくりパッシングすることで、検査をクリアーしました。
車検場に行くまでヘッドライトを点けていたので多少は効果があったかもしれませんが、やはりHIDに替えていると、暖まっていないときのパッシングは、ハロゲンランプに比べてかなり非力なのでしょう。
光軸検査は、今回も無調整で大丈夫でした。
光軸検査方法の変更で絶体絶命
ヘッドライトの検査方法が、上向きの検査から下向きで検査するように変更になってしまったので、HIDやLEDに取り替えている車で、カットオフラインが出ていないようなものは、車検に通らなくなってしまいました。私の上述のHIDも、カットオフラインが出ておらず、これまでは暫定的に認められていた、上向き検査で合格していました。R6年6月現在岡山の軽自動車検査協会では、1998年9月1日以降に製作された自動車は、上向き検査が認められなくなってしまったので、テスター場に持ち込んで今回はなんとか下向きでパスしましたが、毎回こんなことはしていられないので、次回はカットオフラインが出るLEDに取り替えようと思います。
全国的にも、2024年8月1日以降、過渡期の取扱いを見直す事になっているそうです。地域によって、実施時期に若干の違いはあるのかな。
古くなってレンズが黄ばんでしまったものも、検査に通らないかもしれません。私のハイゼットは、左を2年前に新品交換しているので、そちらは問題なしでしたが、24年間使っている右側が、検査で引っかかりました。
光軸検査方法の変更内容についてはこちら。