ハイビーム警告不点灯

ハイゼットHID化・LED化によるハイビーム警告不点灯

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 H4球など、ハロゲンバルブ着装のヘッドライトの下向き球を、HIDやLEDに取り替えると、ハイビーム警告灯が点かなくなることがあります。
 私のS200Pハイゼット前期もそうでした。それでは車検の時通りませんから、対策をしなくてはなりません。

リレーレスなら対策品がすぐ手に入るが

 リレーレスで付けていた時は、理屈を考える前に対策用の部品を手に入れて、左右の電源部とバナー(球)の間にかませていました。それでHIDでもLEDでも警告灯が点くようになります。
 しかしHIDの場合は、リレーレスではやはり電源が不安定なようで、特に始動時に左右どちらかが点灯しないことがあり、数回スイッチを入り切りすると点灯します。それでは不具合なので、リレーを付けなければなりません。
 ところが、私がリレーレスの時に取り付けていた対策品では、1つ取り付けただけでは警告灯が点灯せず、2灯とも取り付ける必要があったので、リレーを取り付けるために1つだけにしてしまうと、全く機能しませんでした。
対策は2通り

 この事態の打開策は2通りです。私のS200Pハイゼット前期の場合はどちらも有効でしたが、他の車体の場合は、その効力は保証しかねます。
 1つ目は、ハイビーム警告灯をLED化することです。そうすることで、リレーレスの対策品を1つ車体とリレーとの間に挟むだけでも、対策品が機能するようになりました。(これは手に入れた対策品によって、効果が変わる可能性があります。)
 2つ目は、警告灯はそのままにしておいて、リレー用の対策部品を手に入れることです。
 ハイビーム警告灯のLED化については他頁に書いたので、以下、リレー用の対策部品をどうするかについての記事です。

リレー用の対策部品

どう調達するか

 リレー用の対策部品も、私のハイゼットに果たして有効なのかどうかは分かりませんが、ネットで安い物を調達すれば1,000円以下で手に入ります。
 それを調達するのも一つの手ですが、ネットを見ていると、リレーレスと違い、リレー付きの方の対策の仕方は色々書いてあります。自作しても経済的にはそれほどメリットはありませんが、使えるか使えないか分からない対策品を買うか、これまた成功するか成功しないか分からない自作に走るか悩ましい限りです。
 自作の場合、うまくいかず作成の努力が無駄になるのは大したことではありませんが、訳が分からない作業をして、大切な車本体を壊してしまう可能性も十分あるので、その不安もかなりなものです。

リレー用対策の理屈

 マイナスコントロールの車両がハイビーム警告灯を点灯させる仕組みはかなりマニアックなことをしているようです。ハイビーム警告灯はロービームよりマイナス側にロービームのスイッチと並列に配置され、ロービームにスイッチが入ったときには抵抗がより小さいスイッチ側に電流が流れてハイビーム警告灯は点灯せず、ハイビームにスイッチが切り替わってロービームのスイッチが切れると、警告灯に電流が流れるようになっているのです。
 さて対策ですが、簡単に済ますなら、リレーを取り付けていない方の余ったヘッドライト用ソケットのロービーム側に、警告灯の電球よりワット数のちょっと大きな電球を付けるといいそうです。それなら簡単です。
 でも、それでは警告灯は点きますが、ロービームを使用しているとき、ずっとそのランプが無駄に点きっぱなしになっています。それに、本来必要がないこの電球が、切れてしまうと、当然警告灯も点かなくなってしまいます。車両内の見えないところに隠してしまうとはいえ、それもちょっと気持ちが悪い。
 ネットで書かれている理屈が本当なら、ハイビームに電流が流れたとき、空きソケットのロービーム端子に警告灯点灯用の電流を流してやればいいように感じます。
 警告灯など大した電流は流れないので、小さいリレーを使ってやれば何とかなりそうです。知識がないものの浅知恵では、リレーで電流を流してやるだけで十分なような気はしますが、念のためもう一度ネットをよくよく調べてそれでいいか確認します。
 市販の対策品には、電流が流れすぎないようにセメント抵抗が追加してあり、逆起電流からのリレー保護のために整流用ダイオードを取り付けた方がいいといった記述もあるので、それも追加します。

ハイビーム警告灯不点灯防止回路

 そうして作ったのが下の回路です。フィルム用のケースに入れました。ヘッドライト用のソケットに取り付ける部分は、平型端子の雄を使います。

 リレーは手元にあった OMRON G5V-1 12VDC(315円)を使いました。このリレーは、2,9に入力を入れます。コイル極性はありません。出力は2-9に電気が通じていないとき、1-5(6)が通電します。2-9に電気が流れると、10-5(6)が通電します。
 抵抗は、実地で試して100Ωでは、警告灯が点灯しないので、50Ωを使いました。実は昼間でも点灯がよく分かるように実験の結果30Ωにしようと考えていたのですが、部品店に行ったとき耐電力性の高い10Wのものがあまりにも大きいのにびびって、何も考えずに5Wのセメント抵抗(84円)を買って帰ってしまいました。後から考えるに、50Ωなら5Wでもいいようですが、それ以下になると10Wでないともたないようです。よって、予備に何個か買って帰っていたうちの50Ωにしました。
 整流用ダイオードは、ネットでは1Aと書いてあります。2Aでも値段は変わらない(42円)ので、おそらくどちらでも機能は変わらないような気がするので、2Aを取り付けました。逆起電流保護用なので、プラスの方向に向かって取り付けます。
 対策品を買って警告灯がやっぱり点灯しなかった場合、ソケットの極性に間違いがないなら、取り付けてあるセメント抵抗が大きすぎる場合もあるらしいです。どうせ無駄になるなら、分解して調べてみるのも手かもしれません。

ハイビーム警告灯不点灯がきちんとつくようになった

 よっぽど注意してソケットに取り付けたつもりが、何を血迷ったかハイ・ローを逆に取り付けてヒューズを一度飛ばしたりしましたが、きちんと取り付けてみると、ばっちりでした。昼間でも警告灯が点くことがきちんと確認できるので、50Ωでも良かったようです。
 経費は平型端子などを除くと500円程度ですが、部品を買いに行くガソリン代を考えると、自作しても金銭的なメリットはそれほどありません。うまくいかないときに、いくらか対応の仕方を考えられるかもしれないというあたりが、自作のメリットと言えばいえるでしょうか。
 まあ、知的好奇心の充足と、経験値がまた少しは上がったので、これでよかったかな。

セメント抵抗は10Wの方が良かったかも

 後日14年ほど経って、HIDをLEDに取り替えようとしていたときに、自作したフィルムケースを開いてみると、ある程度防水していたはずなのに、セメント抵抗は割れているし、回路はサビだらけで、それまできちんと機能はしていましたが、開けた途端にぼろぼろと崩れてしまいました。
 やはりセメント抵抗は余裕をもって10Wのものにしておいた方が無難だったかもしれません。
 それとも、そもそものセメント抵抗の寿命だったのでしょうか。

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