電工ペンチ

電工ペンチの種類

電工ペンチは3種類もある

 皆さんたぶんもうご存じだとは思うのですが、電工ペンチには3つもの種類があります。電工ペンチ付きのターミナルセットなども販売されているので、このセットに付属のペンチさえあれば、車のケーブルを接続する端子ならすべてつなぐことができる様な気がしてしまいますが、実は、このようなセットでは、付属のペンチで接続することができる接続端子しか付いていないから、このペンチ一つで用が足りるということなのです。私はうかつにして、やっと最近これらの区別があることを知りました。これまで種類の違うペンチを使って端子を接続しようとして、端子の接続ほど歯切れが悪く、嫌なものはありませんでした。それで「みんなどうやってこれでうまく接続しているんだろう」と思っていたのですから、分かっている人から見ればお笑いです。
 しかし、私のように知らないのも無理のないところも有ります。このようなセットや、ペンチの説明には、それでどのような物が接続できて、どのようなものは接続できないのか、素人に分かるような説明の無いのがほとんどだからです。そしてホームセンターの売り場などでも、この3種類が並べて置いてあればまだどこが違うのだろうとあれこれ見比べても見るでしょうが、これも3つを並べて置いてあることは少なく、1種類しか置いていないことも多いのです。そのようなわけで、それさえあれば端子の接続はできるのだと思いこんでも無理はないのです。
 今回新たにその種類に気づいて入手したロブテックスのペンチには、商品の包装に分かりやすい図入りで説明が載っていて、さすがだなあとちょっと感心しました。ホームセンターでもこういうものを、きちんと種類を並べて売ってもらいたいものです。

電工ペンチの種類


工具の種類 説明 使用端子
オープンバレル(ファストン)端子接続用
(ペンチの隙間の形が2つ山の形になっている)
・コード同士を雄と雌の端子でつなぐ端子を接続するような場合
・端子の左右から出ている角(つの)を、工具で丸く押さえながら圧着する
裸圧着端子・P.Bスリーブ用
(ペンチの隙間の形が1つ山で、下からもその山の中央に盛り上がった形になっている)
円筒の金具を上から圧着する
絶縁圧着端子用
(ペンチの隙間の形が()のような形になっている)
円筒の金具の上に絶縁の覆いが付いている端子の圧着


 上のマーベルのペンチは3つとも、他にイグニッションターミナル用の機能もついています。これは円形の圧着部分です。他の圧着ペンチでは、この機能があるものと無いものとがあります。私はこの部分については使ったことがないのでよく分かりません。
 また上のそれぞれの種類を合わせたコンビネーションタイプというものもあります。必要に合わせて選んでください。

1+2 2+3 1+3


最初に手に入れるべきはオープンバレル(ファストン)端子接続用

 車の工作をしようという場合、まず最初に手に入れるべきは、オープンバレル(ファストン)端子接続用の電工ペンチです。
 車の工作で、ギボシ端子の接続は不可欠です。他の電工ペンチは、なければ無いなりに、それが必要な端子の接続を避ければ何とかなります。

簡易型と圧着型

 上の3つの種類については、形の違いで、上の2)3)については、ペンチの様に挟んだり開いたりするだけのものと、それぞれの接続端子に必要な圧力がかかるまでくわえ込んだ端子を離さず、ある程度以上の力が加わって初めて取っ手が解放されるものとがあります。
 細い接続端子を圧着するような場合は簡易型で充分ですが、たとえばアーシングケーブルなどは、8sqや14sqなどの太いケーブルになりますから、これに端子を圧着するような場合には、簡易型ではそんな大きいものを接続できるようなものはありませんから、圧着型の工具を使わなければなりません。
 圧着型の場合も、8sqまでなら比較的安価ですが、14sqまで対応しようとなるとかなり高価になります。
 ロブテックスの銅線用裸圧着端子用の場合、8sqまではAK15A、14sqまでがAK-19A
 なお上の2つの型の呼び方は、一般的にどう呼んでよいのか分からないので、私が勝手に作った呼び分け方です。

 それともう一つ、圧着型には上の2)3)以外に、家庭用電気配線のリングスリーブを圧着するもの(ロブテックスではAK17Aもあります。一般にこれは握りの部分が黄色になっていて、他の赤の握りのものと簡単に見分けがつきます)

圧着型に使用するスリーブには決まりがある

 電気工事で使用するリングスリーブには、どのケーブルをどれだけ圧着する場合には、どのリングスリーブを使いなさいという決まりがあります。
 これは電気工事士の試験では必ず覚えて置かなければならない基本中の基本ですから、圧着型の電工ペンチを使おうと思うくらいなら、ぜひとも一度目を通しておいてください。

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