coreserver V1 V2へ移転

coreserverの V1 から V2 への移転

coreserverの V2 プラン登場

 CORESERVERに V2 プランというのが登場しました。
 これまであったV1プランから新しいシステムに生まれ変わっていて、V2 の一番の魅力は、新規取得でも、既得でも、ドメインが1つ永久無料になるのと、自動バックアップ機能が追加されていることです。
 それでいて、これまで1年契約プランしかなかったものが、V2 の方は3年契約プランまであって、3年を選べば、ほぼ同等クラスの V1 プランより料金が少し安くなります。
 唯一問題点は、ほぼ同等の契約内容とはいいながら、V1 より V2 の方が、若干、使用可能な容量(Web)とファイル上限数が少なめに抑えられているところです。
 私の場合、見ての通り画像をあまり使わないので、容量は少なくなっても何の問題もないのですが、ファイル上限数はかなり気になります。しかし、他の魅力は大きいので、やはりここでサーバーを乗り換えることにしました。

coreserverの V1 から V2 への移転はそのままでは無理

 同じ会社の提供するサーバーだから、割合簡単に移転できるだろうと安易に考えていたのですが、V1 から V2 への移転は、少々面倒でした。
 まず第一は、各ドメインに表示するファイルを置く位置が変わってしまっているということです。
 V1 の場合は、

/public_html/直下に置いたファイルがメインのドメインに表示され、そこにあるドメイン名の下にあるファイルが、それぞれのドメインの内容になる。

でしたが、V2 では、

/domains/の下にドメイン名のディレクトリ、その下にpublic_html/があってその下に実際のファイルを置く。

となります。
 自分のアカウントの直下にある /public_html/ は、デフォルトのドメインに指定したドメインの /domains/ドメイン名/public_html/ に飛ぶリンクになっているだけです。
 だから、ここを表示しようとすると、知らないうちにデフォルトのドメインの

/domains/ドメイン名/public_html/

に飛んでいて、そこを編集していることになっています。
 coreserverで最初にディフォルトのドメインに指定されるのは、アカウント名の

アカウント名.v2001.coreserver.jp
クリックすると拡大画像を表示します

のようなドメインなので、そこを何も設定していない場合は、写真のような画面が出るhtmlが置かれています。

URLの www ありとなし

 V1 では、これの転送設定をしなければならず、設定をすると、/public_html/ 下に、転送設定したドメインのフォルダがズラズラと並んでいましたが、V2 では、これらの転送設定をする必要はありません。
 /domains/ 下に www のないドメイン名のフォルダができるだけなので、その面では、フォルダがとってもスッキリしていて良いです。

サーバー間コピーでファイルが2倍になる

 Mail&Backupにサーバー間コピーでV2のサーバーのルートからの転送をした所、コピーされたファイルが2倍になりました。
 サポートに問い合わせてみると、ドメインタブの右上の方にある、「PRIVATE_HTMLセットアップ」が、「private_htmlからpublic_htmlへのシンボリックリンクを使用 – HTTPとHTTPSで同じデータを許可」に設定されていると、サーバー間コピーでは、private_html にも public_html と同じデータがコピーされてしまうのだそうです。
 それならということで、ここを private_htmlという名前のディレクトリを使用 に設定すると、403エラーが出てページそのものが表示されません。それに、ここの所を、「private_htmlからpublic_htmlへのシンボリックリンクを使用 – HTTPとHTTPSで同じデータを許可」にしておかないと、HTTPS がうまく使えなくなってしまうんじゃあないのですかね。よく分かりませんが。
 サポートの返事は、サーバー間コピーはあくまで簡易的なツールだから、public_html/ 以下をコピー設定してくれということですが、サーバーのファイルは public_html/ より上のフォルダにもあるわけですから、それではサーバーの完全なバックアップができないです。
 「private_htmlからpublic_htmlへのシンボリックリンクを使用 – HTTPとHTTPSで同じデータを許可」というのは、恐らく転送設定をしてあるだけのはずですから、これをサーバー間コピー時にコピーしないようにプログラムすることぐらい、そんなに難しいことではないと思うんですがねえ。
 サポートは、思う通りのバックアップをしたいなら、FTPソフトを使ってくれということを言いますが、FTPソフトで大量のファイルをバックアップしようとすると大抵すぐにハングアップして使い物にならないからサーバー間コピーが頼りなのに、「そんなことができると本気で信じているの?」という気分です。
 V2のサーバーを売り出そうとしているのだから、サーバー間コピーも早くV2に対応してほしいものです。

ファイル数が大幅増加?

 元々500,000ほどのファイル数だったのに、移転したサーバーで、ファイル数上限ギリギリの1,000,000近くなっていて、たまげました。
 しかしこれは、上述のファイルを置く位置を知らずに、/public_html/ に V1 から全ファイルをコピーしたのを、右往左往して消して、それぞれのドメイン直下の public_html/ にファイルをコピーし直したことが原因でした。よくよく見ていると、/.trash という所に、消したはずの全ファイルが入っていました。どうりでファイル数が2倍になっているはずです。このフォルダーの中身をすべて消したら、V1 のファイル数とほぼ同じになりました。
 また、上の項目に書いたように、「private_htmlからpublic_htmlへのシンボリックリンクを使用 – HTTPとHTTPSで同じデータを許可」にして、サーバー間コピーをしても、コピー先の容量がほぼ2倍になります。最初、V2は、設定ファイルが 500,000 位あるからそうなってしまうのかと疑っていたのですが、よく調べてみると、上述のように private_html にも public_html と同じデータがコピーされてしまっていたのでした。
 新規契約した時点での V2 のファイル数は、1,000ほどしかありません。 

絶対パスの指定の違い

V1 /virtual/アカウント名

ではなく、

V2 /home/アカウント名

です。

ユーザー認証

 https://help.coreserver.jp/manual/v2/basic-auth/ に説明のある .htpasswd を置く場所の指定が間違っていました。

AuthUserFile /domains/ドメイン名/public_html/.htpasswd

ではなくて、正しくは

AuthUserFile /home/アカウント名/domains/ドメイン名/public_html/.htpasswd

 令和3年10月にユーザーサポートに連絡して訂正してもらいました。

データベースのレストア

 データベースのレストアで、新コントロールパネルの「データベース」のページの「バックアップをアップロード」から、レストアをしようとしても、動いているようなのに、データベースには一切反映されません。
 サポートに問い合わせてみると、ここからレストアできるのは、アップロードファイルの拡張子が .sql でなければならないそうです。V1でデータベースをバックアップしてできるのは.dumpしかないのに、使えるファイルが .sql でないといけないという説明がマニュアルにもどこにもなく、いきなり、「.sql なら動きますよ」というのはあんまりではないでしょうか。
 せめてマニュアルに位はそんな制限があるならきちんと書いておいてほしいところです。できれば、操作画面に。

 V1で保存した.dump をレストアするためには、先に、「データベース」メニューで、目的のデータベースを作っておいて、PhpMyAdminを開いて、そこのメニューからデータベースをレストアすれば、反映されます。
 ただこれも、PhpMyAdminでデータベースを開いて、左のメニューでそのデータベースを選んでいないと、読み込みエラーになってしまいます。何個もデータベースを読み込んでいて、読み込める場合と、読み込めない場合とがあって、不可解で、頭を抱えていましたが、結局は、そういうことでした。
 PhpMyAdminの左画面でデータベースを選んでいないと、

#1046 – データベースが選択されていません。

というようなエラーが出ます。これは、インポート先のデータベースが選択されていないというエラーだそうです。

PhpMyAdmin で開くファイルを換えられない

 データベースを開くときに、一度別のデータベースを開いてから、開くデータベースを換えようとしても、先に開いたデータベースがすぐに開いて、データベースを換える認証画面が出てこなくなります。
 これは、ブラウザのキャッシュをクリアすることで、設定画面がまた表示されるようになりますが、扱うデータベースを換えようとするたびに、ブラウザのキャッシュをクリアしなければならないので、めちゃくちゃ面倒です。
 これもサポートに問い合わせてみると、「扱うデータベースを変えるには一度ログアウトしてください」ということでした。
 そもそも、ログアウトをどうやってするのか分からないから、ブラウザのキャッシュをクリアするしかなかったわけですが、サポートが言っている以上、ログアウトの仕方が絶対にあるはずだと思って探したら、やっぱりやっとありました。
 左上の家の絵のもう一つ右の訳が分からない絵がログアウトのボタンでした。こんなもの、別のところで PhpMyAdmin の使い方を既に学んでいる人なら簡単でしょうが、分からないものを手探りしながら使っているユーザーにこれでログアウトできるのを把握しろというのは、不親切にも程がありませんかねえ。
 まあでも、とにかく、ここでログアウトをしてしまえば、確かにキャッシュをクリアーしないでもログイン画面は出てくるようです。

 V1では PhpMyAdmin を開きさえすれば、開くデータベースは、プルダウンからすぐに選ぶことができました。V2の様に、データベース名もパスワードも両方手入力しろというのは、不便すぎてたまりません。
 「セキュリティーの面から」ということのようですが、データベース名は、データベースの所におおっぴろげに既に表示されているものですから、それをもう一度手入力させる意味は全くないはずです。もう少し使い勝手を良くしてくれたらなと思います。

CGIが動かない

Perlのパス

 V1では「/usr/bin/perl」もしくは「/usr/local/bin/perl」のどちらでもOKでしたが、V2では「/usr/local/bin/perl」だとエラーで動きません。使えるのは、「/usr/bin/perl」だけです。
 「よくある質問>各種パス(PATH)について」に一応記述はありますが、こんな使用上の根幹に関わる所は、マニュアルの最初の方にきちんと書いておいてほしいです。
 V1からV2にサーバー変更してくれることを期待しているのでしょうから、できれば、このようなV1からV2になるにあたって変更されているような箇所は、注記してくれるぐらいの配慮はほしいです。
 Perlパス以外にも変更箇所があるかもしれないので、このパス一覧は一応見ておいたほうがいいです。

jcode.plが使えない

 jcode.pl は古すぎて使えない場合があるようです。代替えに、jacode.pl というのがあるそうです。
 これをダウンロードして、jacode.pl というファイルを jcode.pl に改名して、lib フォルダに置き換えておけば動いているようです。但しこの、jacode.pl の使い方をきちんと説明したホームページを発見できなかったので、これで本当にいいのかどうなのかは、私にはまだよく分かりません。

秀丸メール設定

 同じcoreserverでも、V2はV1と同じ設定では送信ができません。

  • 「プロパティー(アカウントごとの設定)」
      • 「認証方式」は、v1と同じ「SMTP-AUTH(M)」で問題なし。
    • 「詳細」
      • 「POP(3)」で{POP over SSL(C)」を選択。これでポート番号が995になる。
      • SMTP(S)は、465 「SMTP over SSL(Y)」のままで問題なし。
      • 「SSL/TLSのバージョン指定」のタブにチェックを入れて、「TLS1.2」だけにチェック。他にチェックを入れると送信できない。
      • 「証明書を検証しない」はチェックのままで問題なし。
    • 「トラブル対策」
      • 「送信時のHELO/EHLOコマンドでの自コンピュータ名指定」にチェックを入れて、「192.168.0.0」(「」の中の数字だけ)を記入。

迷惑メールに入ってしまう

 UQmobileのキャリアメールに今回契約してみて、そこにメールを送るも、corserver V2 の独自ドメインから送ったメールが届きません。どうも迷惑メールに入ってしまっているようです。これではたまらないのでなんとかしないといけません。
 見てみると、Eメールアカウントの右上に「DKIMを有効」というタブがあります。これをすべてのメールアカウントで有効に設定して、やっと UQmobile のキャリアメールにもメールが送れるようになりました。
 DKIM (DomainKeys Identified Mail)とは、「 電子メールにおける送信ドメイン認証技術の一つであり、 メールを送信する際に送信元が電子署名を行い、 受信者がそれを検証することで、 送信者のなりすましやメールの改ざんを検知できるようにするもの」だそうです。
 こんな設定は、どうしてもしておかなければ使い物にならないわけですから、ディフォルトで「有効」になるようにしてくれないと困ります。せめてマニュアルに、「これを設定しないと、迷惑メールに入りやすくなりますよ」というぐらいのことは書いておいてほしいです。
 今回はサーバー移転とほぼ同じ頃にUQmobileのキャリアメールを使ってみたので、以上のようなことに気づいたわけですが、もしそうでなかったら、ずっと気づかないままだったかもしれません。

Webメールを開くのが不便

 Webメールを開くのに、いちいちSquirrelMailの初期画面で、ログイン名とパスワードを手入力しないとアクセスできません。V1の一覧表示からアクセスできていたのと比べると、めちゃくちゃ面倒くさい。使う気にならない。

というようなわけで

 というようなわけで、説明は少ないし、メニューはあっても説明不足でどう使ってよいのかわからない機能もあり、説明自体が間違っている場合もあるかもしれないので、coreserver V2 は、ある程度試行錯誤する覚悟と経験がないとうまく使えないような気がします。
 V1からV2に移行するのに、同じ機能を復元するだけでも結構骨が折れます。
 まあでも、CORESERVER V1 でもう既に稼働できているような方は、全くの初心者ということはないでしょうから、私の様に右往左往すればなんとかなるとは思います。
 少しサーバーが早くなる上、自動バックアップの機能がついたり、ドメインが1つ無料で使えるようになったり、3年契約で割安になったりするのは確かに魅力的ですから。


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