試験関連

2級ボイラー技士試験のための独学用お勧め参考書

概略のイメージをつかむために

 ボイラーの種類の所でも書きましたが、 これまで縁もゆかりもなく、ボイラーのことなど全く知らなかった者が、2級ボイラー技士試験のための勉強をする場合、一番困るのが、扱われている内容のイメージをつかむことです。
 2級ボイラー技師の試験に受かるには、「わけがわからなくても、過去問を6回分ほどやっておけばそれだけで受かる」などとインターネットなどでは書かれている通りで、私も実際に勉強してみて、過去問を6回分ほど集めた問題集を買って、それを我慢して数回やればおそらく合格するまでにはなりそうだなとは思いました。
 ですが、そういう勉強は、理解した気分に全くなれないので、不完全燃焼になりますし、何より、勉強していて楽しくありません。
 それで見つけてきたのが、『2級ボイラー技士 テキスト&問題集』(翔泳社)です。筆者の中村央理雄さんは、インターネット上で、ボイラー2級の有料講義をなさっていて、その無料部分が、YouTubeにもたくさん流れています。ボイラーで検索すれば出てくるヘルメットおじさんで、この方の講義はとても分かりやすいです。
 その内容がこの本にも反映されていて、ボイラーのことなど何も知らない者にも、その概要が分かりやすく解説されています。
 私は今回は、受験まで2週間少々と本当に時間がなかったので、まあ3,240円なら許せるかと、背に腹は代えられず、有料講義を申し込んでから、この本があることに気づきました。
 問題の数はあまり多くはないので、他に問題集は必要ですが、「概要をつかむため」とわりきれば、これほど分かりやすい本は、他にはないと思います。

 

問題演習のためには

 『二級ボイラー技士試験』(石原鉄郎、一ツ橋書店)は、テスト形式の例題を本当に要領よくまとめてあります。この本には、簡単なまとめがついていて、その後が分野別の問題です。理解を求めず試験に合格するだけを目指すなら、この本だけを買って、3回通りくらいやって丸暗記すれば、おそらく大丈夫だろうと思えるくらい、要点を押さえて問題を作ってあります。分野別に編集されているので、年度別過去問集のように同じような問題が飛び飛びに現れるというようなこともありません。
 何より全部でも200ページとダントツの薄さなので、通してやっても、1冊分をすぐに終了できます。
 後は仕上げに、公表された直近の過去問を数回分やっておけば万全でしょう。

 『詳解2級ボイラー技士過去6回問題集』は、2級ボイラー技士試験を突破するための問題集として、ネットで一番評判がいい本です。『2級ボイラー技士 テキスト&問題集』で概要をつかんでしまえば、年度別に過去問が掲載されているこの本を直接解いても、それほどストレスは感じなくてすむかもしれません。
 私は、この本を買う代わりに、ネットで平成21年度前期分まで(結局やったのは、平成23年度後期まで)、過去問を集めました。しかし、これらをもれなく集めるのは結構手間ですし、ネットで集めたものには、解説はありません。解説付きで、手軽にささっと本番形式の過去問をやりたい向きには、この本が手軽です。

 

決定版参考書は 日本ボイラ協会発行のもの 

 日本ボイラ協会発行の『最短合格2級ボイラー技師試験「技術科目」 目で見て、読んで「わかりやすい」』は、2級ボイラー技師試験に臨むための参考書の決定版と言ってもいいようないい本です。ただし、詳しすぎるために、これを読んで概要をつかもうとすると、苦しい思いをしないわけにはいきません。
 しかし逆に、概要がつかめている人にとっては、設問の選択肢になりそうな事柄について、一つ一つ解説がカラー図版入りで詳しくしてあるので、これほど分かりやすくて使いやすい参考書はほかにはありません。
 私のように、過去問を市販本ではなく、ネットで集めてきた場合や、ネットで安価に販売している解説の少ないデータ版過去問集を使う場合などには、ちょっと手間はかかりますが、この本で解説を探していくと、ほとんどきちんと探し当てることが出来ます。
 『詳解2級ボイラー技士過去6回問題集』を使う場合でも、解説が簡単でもっと詳しい解説が欲しい場合などにこの本を探してみると、理解が深まると思います。
 以上、この本の解説についてですが、他にも、この本には論点として重要な箇所を網羅した過去問もたくさん掲載されています。
 論点別に過去問をやりたい場合、それらの過去問だけをピックアップして、通しでやってみるというような使い方も出来ます。
 このようにとってもすばらしい本なのですが、ただ、唯一残念なところは、この本には、法令分野の解説がないことです。

 それを補うのが、『わかりやすいボイラー及び圧力容器安全規則新版』(日本ボイラ協会)ということなのでしょうが、しかし、この本は全くのハズレでした。
 捜しても捜しても、何がどこに書いてあるのかさっぱり分かりません。こんなものを一々我慢して捜すよりも、他の参考書を一通り捜して、それでもなければそういうものとして問題集の答えを丸暗記する方がまだましです。
 中村さんなどは、「みんなが苦手とするのが、法令分野だ」などというようなことをおっしゃっていますが、それは、「一番最後に取りかかるために、そこまでなかなか時間が足りない」ということよりも、「法令分野をきちんと理解できるようにまとめたまともな参考書がない」、ということの方が大きな理由なのではないでしょうか。

中村央理雄さんの無料過去問解説は結構いいよ

 上で紹介した中村さんの講座の中に、3回分の無料過去問解説があります。これは、結構いいです。無料ですから、聞いてみるといいのではないでしょうか。
 上に紹介した『2級ボイラー技士 テキスト&問題集』を買った方は、読者特典の直前対策講義(15本)も視聴できます。私はそれに受験後気がつきました。

学習記録

書 名(内容) 出版社 価 格 備  考
2級ボイラー技士講座(インターネット講座) eLearing.co.jp 3,240円 視聴ほぼ1回通り(法令の最後の方見ず)
2級ボイラー技士 テキスト&問題集 SESHOEISHA 2,138円 1回通読
2級ボイラー技士試験 一ツ橋書店 1.080円 模擬問題を除く2回通り
過去問H24年前期~H27年前期 2回通り(『2級ボイラー技士試験[技術科目]』で解答を常に確認しながら。他参考書も適宜参照)
過去問H23年後期 1回通り
2級ボイラー技士公表問題(インターネット講座) eLearing.co.jp 0円 H23年後期~H24年後期1回通り(上記の問題演習の回数に含む)
2級ボイラー技士試験[技術科目] 日本ボイラー協会 2.700円 常に参考に(ただし詳しい解説は必要な所だけ)
わかりやすいボイラー及び圧力容器安全規則 日本ボイラー協会 1.350円 ごくたまに見るもほとんど参考にならず
合 計 10.508円

 時間がそれほど無かったので、あれこれ手を出しながら結局どれも2回通りしかできませんでした。
 これまでいろいろ試験を受けてみて、最低3回通りやらないと、やっぱり知識がしっかりとは定着しませんね。
 合格点には十分達するものの、今回はやっぱり最後のつめが少し甘かったです。
 おかげで試験では、昨年度後期の公表問題と全く同じ問題を1問落としてしまいました。
 しかし、過去問がしっかりと公表されていて、それらとほぼ同じ問題が出題される試験はやっぱりやりやすいです。危険物などとは、やりやすさがだいぶ違います。
 もらってきた広報によると、平成27年前期の全国での合格率は、59.3%ということです。
 もっとも、門外漢にとっては、全くイメージがないものを、初学者用の分かりやすい参考書がなく、イメージがわきにくい中、本だけで細かい内容まで暗記していかなければならないという、これはこれで大変なところもありますが。

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