第2種電気工事士の免状を取ろう -概要-
やっぱり電気工事士の免状はほしいかも
自宅の電気工事は一段落ついてはいるものの、これまで電気がきていなかった場所に、電気を来させるよう電力会社に申請するようなことも自分でしてみたかったりするので、第2種電気工事士の免状取得にチャレンジすることにしました。
工業高校の高校生でも普通に取得する免状なので、まあ何とかなるのではないでしょうか。
第2種電気工事士試験概要
それまでの年1回の受験しかできなかった制度が改正され、平成30年度から、上期不合格でも、下期も受験することができるようになりました。
さらに、令和5年度からは、従来型の筆記試験の他に、パソコンを使ったCBTによる筆記試験受験も選択できるようになり、受験日をある程度選択できるようになっています。
試験は、筆記試験が先にあり、その合格者だけが、約1月半後の技能試験を受験できます。
筆記試験合格者は、技能試験で不合格になっても、次の回は、筆記試験免除で技能試験を受験することができます。
平成30年度から、上期・下期共に受験ができるようになりましたので、筆記試験免除は次の回だけになり、年度ではなくなりました。
実技不合格の場合、次回筆記試験の免除申請はできても、受験料は減免されません。この受験料、なんとかしてもらいたいものですね。
技能試験用の材料がいるとはいえ、電気工事士の試験は受験料が高すぎます。
電気工事士試験について、詳しくは、「一般財団法人 電気技術者試験センター」のホームページで確認してください。
第2種電気工事士になれば認められること
一般住宅や小規模な店舗、事務所などのように、電力会社から低圧(600V以下)の電圧で受電する場所の配線や電気使用設備等の電気工作物(一般用電気工作物)を設置し又は変更する工事の作業に従事することができる資格です。(『第二種電気工事士試験 平成27年度受験案内』より)
これを取ることによって、一般家庭の電気配線などは合法的にできることになります。
ただし、資格を与えられることと、実際にできることとは別問題です。分電盤の取り付けなどは資格上認められてはいますが、試験では、電気的なことについての基礎的な知識は問われても、具体的にそれではどう取り付ければよいかというような所までは問われません。
ですから、資格はあっても、実際に実用に生かそうとすれば、別に実務についての研究が結構必要になります。エアコンの取り付けなども、別に道具が必要で、知識もいります。
とはいえ、簡単なケーブルの敷設や、コンセント・スイッチの取り付け・取り替えなどは、比較的簡単に、自分で合法的に自信を持って楽しめるようになるでしょう。
第2種電気工事士試験の難易度
合格率は、筆記試験で約60%、技能試験は70%前後、全体で40%強と、国家試験の中では、比較的易しい部類に入ります。
ただし技能試験受験者の中には、前回技能試験に不合格で、今回筆記試験免除のリベンジ組も入りますから、初回受験者だけの合格率は、もう少し少ないかもしれません。
筆記試験は、過去問をしっかり勉強していけば全くの文系人間でも大丈夫です。極端な話をすれば、後述の通り、計算問題などほとんどできなくても、他をきちんと解くことができさえすれば合格できます。
筆記試験対策は、市販されている参考書にも、過去問を分野別に編集し直してある分かりやすい問題集がいくらかあるので、それを使えば、通信教育などに頼らなくても、独学できます。
技能試験も、事前に公表された簡単な電気回路を決められた時間内に作るだけですから、あまり工作が器用でない方でも地道に練習して、恐れないで挑戦すればなんとかなります。
ただ、技能については、本だけでは分かりにくいところもあるので、講習会に1回は参加してみるなど、技能試験についてよく分かっている方の指導を仰いで要領をつかんでおく方が、取りかかりやすく、失敗する危険性は低くなるでしょう。
技能講習を受けない場合は、技能の根本的な注意点について、せめて、信頼のおける発行者が作ったビデオぐらいは、見ておいた方が無難かもしれません。
インターネット上にも、HOZANのホームページなど、無料でもその手のものはあります。
通信教育の技能試験対策というのはどうですかね。利用したことがないので何とも言えませんが、通信教育といえども、技能に関しては、自分の実態に即して一々面倒を見てくれるわけではありませんから、ビデオを使った独学とそれほど変わらないような気がします。
通信教育も含めて、独学する場合、技能試験対策でやっかいなことは、「これでいいはずだ」と本を読んで思っていたことが間違っていた場合の思いこみです。一回試験を受けて、「なぜ不合格だったのか分からない」という場合、こういう思いこみがあるかもしれません。そうなってしまうと、それが欠陥につながるものであれば、何度受験をしても結果は同じことになります。ですからこういう時は、1日でもいいので、講習を受けて、よく分かっている方に自分の作業を再点検してもらうことをお勧めします。
また、技能は制限時間が40分とかなり短いので、その時間内に作品を完成させられるようになるまでの練習は必要です。練習なしに始めから40分以内で作品を完成させることができる人は、ほとんど居ないはずです。
全体に、筆記・技能ともに、うまく教材をそろえてきちんと対策を立てれば、通信教育や学校に頼らなくても、独学は十分可能です。
書籍などを読んでもつかみにくい技能試験における作業の効率化・時間短縮の方法・ノウハウについては、リンクページ以下、本ホームページで詳しく解説しました。馬鹿にしないできちんと読んでいただければ、他ではあまり触れられることのない、かなり役に立つ情報になっていると思います。
やみくもに慣れる練習を重ねるのも一つの手ですが、頭を使い研究をすることで、苦労と手間・失敗の確率をかなり軽減できるはずです。
いらぬお世話をいえば、上記のような講習会に参加する場合でも、まっさらの状態から全部を教えてもらおうというような他力本願の姿勢で参加する場合は、1回だけでは絶対に不十分です。ですが、自分でいろいろ研究をし、事前に練習をしておいて、最終確認をしてもらうくらいのつもりで参加すれば、1日だけでもかなり有効なはずです。
第2種電気工事士免状を取るための費用
いきなり聞きたくない現実的な話ですが、第2種電気工事士は免状を取るまでに普通であれば、独学でもかなりな費用がかかります。
受験料(インターネット申し込み) 9,300円
筆記参考書代 1冊~3冊 数千円
技能参考書(ビデオなど)代 1冊 数千円
工具代 10,000円程度
実技練習材料費 14,000円~25,000円程度
免状申請費用 5,200円
合計 約40,500円~
筆記だけで済む試験なら、テキスト代のほか、受験料と免状申請代金だけで済むのですが、電気工事士は技能試験があるため、その試験に備えて道具をそろえて、どうしても練習しないわけにはいきません。
工具は、一般的なものは家にあるもので何でも良いですが、よっぽど関心がある人でないかぎり、リングスリーブ圧着工具やケーブルストリッパー・電工ナイフなどを既に持っている人は少ないかもしれません。
これらを自分でそろえるとなると、ちょっとした金額になります。これを誰かに借りることができれば、その費用はなしですませられます。でも、資格を有効に生かして、自分で電気工事をしようと思えば、どうせ使わなければならない工具たちですから、そう考えたら、高いとばかり言わないで思い切って購入してしまう選択肢もあるでしょう。
また、技能練習用の材料代も馬鹿にはなりません。一回通りの練習をするだけでも、最低1万円4,000円、2回通りの練習はしたいのですが、その場合は安くても1万円8,000円になります。
ケーブルは、1本ずつは、40cmもあれば充分なので、業者に勤めているか知り合いが居るなど、使い古しをどこぞで獲得できれば、この材料費も低く抑えることは可能です。
そんな恵まれた環境に無ければ、テキスト代を2冊1,000円ずつ、工具代10,000円、材料代を14,000円とかなり安く見積もっても、免状取得までの必要経費が40,500円にもなってしまいます。
思いつきでちょっと始めてみようかと思う割には、最終的に独学でも高かったということがあります。
ちなみに私の場合は、2回分の技能練習と、本を結構揃えたので、工具・部品などすべてを新品でそろえた勘定をすれば、免状をもらうまでに、独学で、交通費や写真代などを除いても約51,554円使ったことになります。
実際には、工具など部分的に買ったものもありますので、もう少し少ないですが。
通信教育の場合は、1回分の練習材料代やテキスト・ビデオなどは教材に含まれています(含まれていないものもあるかも)。それだけの材料だけでは、やはり不十分な練習しかできないでしょうから、ケーブルの追加購入がおそらくは必要でしょうが、一通りの材料はついています。
通信教育と、独学との費用を比べた場合、独学でも通信教育でも必要になる受験料や申請代、工具代金などの経費を別にして、独学で済ませればおよそ20,000円(練習材料1回分付きで)ほどかかるところで、通信教育ではいくらになるか、という考え方で、費用対効果を比較をしていただければ、だいたいの目安はつきます。
確かに、通信教育の場合は、自分で教材を吟味して選ぶ手間は省けますから、教材を選ぶのに不安があったり、時間が無かったりする人には、それを選ぶのも一つの手かもしれません。