不動産
定期借家権契約の書面
きんざい 3級実技試験 2013年5月12
Aさんが賃貸アパートを経営するうえでの留意点についてファイナンシャル・プランナーが説明した次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- AさんがX土地を取得後、賃貸アパートを建築し、自ら賃借人の募集、賃貸借契約の締結をする場合には、宅地建物取引業者の免許を受けなければならない。
- 契約の更新がないこととする旨を定める定期借家契約をする場合、公正証書等の書面によって行わなければならない。
- 定期借家契約で1年以上の契約期間を定めた場合、Aさんは期間満了の1年前から6カ月前までに賃貸借が終了する旨を賃借人に通知しなければならない。
答え 1
- 宅地建物取引業者の免許が必要なのは、
①宅地・建物の ②取引を ③行(ぎょう)として行う
場合です。この①②③がすべてそろう場合だけ、免許が必要です。
自分の所有する建物、もしくは借りた建物を自ら賃貸するのは、取引に当たらないため、免許はいりません。
また、「業として」というのは、「①反復継続して、②不特定多数の相手方と」取引を行うことをいいます。したがって、自宅を一度だけ売却する場合や、自社の従業員のみを対象として宅地を販売する場合なども、免許の必要はありません。 - 本稿で問題にしたかった問題点です。
定期借家権契約や定期借地権契約では、公正証書が必要な事業用定期借地権契約とは違い、書面による契約は必要ですが、書面であれば、何も公正証書でなくてもかまいません。
FPの試験では、この問題のように、「公正証書等の書面」とさらりと書いてあって、参考書に一切説明がない場合もあると思います。
それを何も知らない人が読むと、「公正証書が必要なんだ」と思ってしまいかねません。ですが、この「等(など)」が曲者(くせもの)で、要は、書面であれば何でもいいわけで、「公正証書」というのは、「書面」の前にたとえばとして置いてある何でもいい例の一つにすぎません。
ですから、「公正証書で」と書いてあれば間違いですが、「公正証書等書面で」は正しい選択肢です。
FPの3級では、ここをひっかけにする問題はあまり出ないようなので、解説もないわけですが、宅建などでは、ここでひっかけてきます。
せっかく一生懸命勉強しているわけですから、いらぬところで変な誤解をしたまま覚えてしまわないようにしましょう。
ここまで深い知識を問わないのなら、「書面によって契約する必要がある」とだけ、素直な問題にしておけばいいのに、と私などは思います。 - この選択肢は、この通りで、いくら契約書に書いてあっても、事前にこの通知をしておかないと、期間満了による終了を賃借人に対抗(主張)できません。
3級学科試験
2014年1月 (22)
定期建物賃貸借契約(定期借家契約)は,公正証書によって締結しなければならない。
2015年9月再(24)
事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、公正証書によって締結しなければならない。
答え 2014年1月 (22) 2(×)
2015年9月再(24) 1(○)
上の知識をもろに聞く問題も出たことはあるみたいですね。