乙3・5類受験

乙種第3・5類を受験してきた(乙4合格者科目免除)

 平成28年11月27日岡山大学で午前危険物乙種第3・5類の試験を受けてきました。勉強は11月13日からですから、2週間しか時間を取っていませんでした。「これでもどうにかなるのではないか」とは思っていましたが、やはり、時間が短い分ちょっと詰めが甘かったような感じです。
 いつものことか。
 3類はともかく、5類はやばいかも。(受かってました)

岡山の問題はちょっとひねりがあるような気が

 今、自分が書いた乙4の受験報告を読み返してみて、「出題された問題をよく覚えているなあ」と、正直感心します。
 今回は、やはり勉強時間が少なくて、内容があまり頭に入っていないためか、出題された問題がどんなだったか正直あまり覚えてはいません。

 例えば、危険物の各類の性質を問う問題で、

  • 第1類 そのものは燃えない不燃性だが、酸素を多量に含んでいて、加熱・衝撃・摩擦などにより、酸素を放出し、他の可燃物を燃焼させる。
  • 第6類 酸化性の液体で、すべて無機化合物である。

というような選択肢の識別問題が出ました。これらは、どちらも正解の選択肢だと思います。
 ただ単に、各類の物性を聞くだけなら簡単ですが、「加熱・衝撃・摩擦などにより、酸素を放出し」とか、」これはまあある問題とはいえ、「すべて無機化合物」などと改めて書かれると、「どうだったかな」と揺さぶられてしまいます。
 もし、2類で、「すべて無機物質である」と書かれていれば間違いなので、2類や6類を詳しく勉強せずに、他の類の受験のために、各類の一般的な属性だけを参考書を片手に勉強している場合、こんな問題を出されると、そんなに「楽勝!」といううわけにはいかないのではないでしょうか。
 結局は同じようなことを問うだけなので、基本ができている人にとっては同じだとは言っても、このあたりのちょっと外れた言い回しで聞いてくるのが、岡山県の問題の難しさであるように思います。
 おそらく全国平均のような合格率は、岡山では4類ほどではないにしても、4類以外もやはり出てはいないように感じます。(今回結果は、 3類は全国並み、5類はやはり少し難しい
 この物性の一番目の問題ですら点を取れないとなると、合格するのはかなりしんどくなってしまいます。

どの種類の危険物かを意識した勉強

 問題を解きながら、皆さん出題されそうな項目を、「特徴別第5類危険物」のように整理しながら勉強なさっていると思います。
 でも、これ、なかなか物質が頭に入らなくって、しかも、覚えた物質名が、「水に溶ける」だったか、「液体」だったか分からなくなってしまったりしませんか。
 私もそうなのですが、そこで役に立つのが、「どの種類の危険物かを意識した勉強」です。
 たとえば、「ピクリン酸」「トリニトロトルエン」は、「ニトロ化合物」という同類の仲間です。ですから、これらを同じ仲間と覚えておくと、練習問題で、この二つを並べて、共通の性格や、違う所を比べて出題されることがよくあることにも納得がいきます。
 性質を覚えるうえでも、把握しやすいはずです。ピクリン酸」は「ニトロ化合物」ですから、当然「黄色の結晶」ですよね。
 例えば、今回は、

 トリニトロトルエンの性状として誤っているのはどれか。

  • 金属と作用して、爆発性の金属塩をつくる。

という問題が出ていました。
 これなども、両者を比較した問題が、『危険物取扱者試験例題集 乙種一・二・三・五・六類』に出ているのを思い出せれば、なんとか正解にたどりつくことができます。
 5類では他にも、「有機過酸化物」=「過酸化ベンゾイル・メチルエチルケトンパーオキサイド・過酢酸」、「硝酸エステル類」=「硝酸エチル・硝酸メチル・ニトログリセリン・ニトロセルロース」といったことを知っておけば、それぞれの仲間で、性状を把握しやすい問題が、結構あったりします。

第3類と第5類がごっちゃになる

 第3類と第5類を同時に受験する場合、私はなぜか気を付けていても、5類を解くときに3類の禁水性と混同する間違いをよくしでかしました。
 第5類は、アジ化ナトリウムを除いて水による消火をしなければいけないのに、どうしても、「湿気に気を付ける」というような選択肢を正しいように思ってしまうのです。
 それと他には、「誤っているものを選べ」という選択問題が基本多いので、たまに「正しいものを選べ」というような出題をされると、正しいものを選ぼうとしているつもりなのに、いつの間にか、一つの誤っているものを、「これは絶対に間違いだから」と衝動的に選ぶ間違いも繰り返しました。(訳が分からん!!)
 注意を重ねたつもりでも、やっぱり間違ってしまうことも結構あるので、こんなあほらしい間違いは、特に特に気を付けないといけません。

購入書籍一覧

書 名(内容) 出版社 価 格 備  考
チャレンジライセンス 乙種1・2・3・5・6類 危険物取扱者テキスト 実教出版株式会社 972円 3回通り
危険物取扱者試験例題集 乙種一・二・三・五・六類 (一財)全国危険物安全協会 1.130円 3回通り
わかりやすい! 乙種1・2・3・5・6類 危険物取扱者試験 弘文社 1.620円 2回通り
本番試験形式! 乙種1・2・3・5・6類 危険物取扱者試験模擬テスト 弘文社 1.512円 2回通り
猫でもできる試験対策 乙種危険物取扱者試験12356試験 0円 ネット、1回
危険物取り扱い必携 実務編 (一財)全国危険物安全協会 (1.340円) 乙4時購入済み
合 計 5.234円(6.574円)

 上の、「どの種類の危険物かを意識した勉強」をする上で役に立つのが、『 チャレンジライセンス 乙種1・2・3・5・6類 危険物取扱者テキスト』です。これは高校生の教科書として作られているので、記述が易しく書かれていますし、きちんとした編集がなされている上、安いのにも好感が持てます。
 これ1冊で試験に行くのは、結構賭けになるかもしれませんが、よくまとまった一冊だと思います。持っていて損はありません。
 『(一財)全国危険物安全協会の『危険物取扱者試験例題集 乙種一・二・三・五・六類』は、乙4の時、この中から見たことのない問題がそのまま数問出ていたので、「これは一番にやっておくべきだ」と思っていました。
 やってみて、頭を整理することができる基本的な問題が多いので、これもできればやっておくべきだと思います。
 上に書いた第5類のトリニトロトルエンの問題では、試験中、途中まで間違いかけていて、最終的にこの問題集で類題があったことを思い出して、正解を確信することができました。
 たかが1問だとはいえ、合否の境をさまようところでの正解1問なので、私にとってはこの問題集をやっておいた効果は確かにあったと思います。
 ただし、この本は解答のみで、解説は一切ないので、別の詳しい解説書は絶対に必要です。
 あまり本をそろえないなら、上記の参考書と例題集、2冊だけでも結構いけるのではないでしょうか。

 

 『わかりやすい! 乙種1・2・3・5・6類 危険物取扱者試験』『本番試験形式! 乙種1・2・3・5・6類 危険物取扱者試験模擬テスト』は、ネットで評判の良い、工藤政孝さん編著の参考書と問題集です。この問題集は、まとめの解説にも載っていないような問題が平気で多数出題されています。
 これが誤りなくコンスタントにできるようになれば、合格にかなり近づくのでしょうが、それはちょっと難しいです。
 私のように時間が取れないところに、2回ずつで誤った問題の見直しをしない中途半端では、ちょっと消化不良でした。
 他に、販売されている書籍にも勝るとも劣らないテキストが、『猫でもできる試験対策 乙種危険物取扱者試験12356試験』で配布されているPDFです。
 これは最高でした。出版されている本の中途半端な解説では、各物質の沸点や融点、引火点や発火点、比重などは、主要なものしか書いていないのに、これには全部書いてあります。しかも解説がすっきりしていて、テストに出題されそうなポイントは結構網羅されています。
 先の『本番試験形式! 乙種1・2・3・5・6類 危険物取扱者試験模擬テスト』なども、これを参考にすると、ずいぶんと解きやすくなると思います。
 問題数はこれだけでは不十分ですが、解説本としてなら、他の有料の本を用意しなくてもいいぐらいです。

危険物安全協会の実務必携

 このまとめの下敷きになっているのが、全国危険物安全協会の『危険物取り扱い必携 実務編』だろうと思います。
 『危険物取り扱い必携 実務編』のまとめをほぼそのまま踏襲しながら、部分的にちょっと簡略化したり、強調したり、独自のまとめを追加したりして、これが出来上がっているようです。
 元になっている『危険物取り扱い必携 実務編』は、情報の網羅性はあるものの、なんとなくやはり見にくいので、『猫でもできる試験対策 乙種危険物取扱者試験12356試験』の方が、編集がうまい分、オリジナルよりも少し見やすいようです。
 でも、これは著作権からいえば、ちょっと問題でしょうね。

合格発表

 合格発表日12月20日、いつものように早くからホームページを開こうとしても、やはり番号が閲覧できるようになるのは、予告通り正午からです。
 3類5類の合格者番号から合格率を推測すると、3類は67.6%、5類は54.7%でした。3類は平成28年度の11月までの全国平均と同程度、5類は全国平均が67.7%ですから、少しやはり難しかったようです。

乙3類合格発表 乙5類合格発表

 試験結果通知書の裏面は、消防試験研究センター岡山県支部の住所が変わった以外は、乙種4類の時と体裁はほぼ同じです。

乙種第3・5類免状取得までにかかった費用(乙4合格者科目免除)

項  目 費 用 備  考
受験準備参考書など 5.234円
受験料 6,800円 3,400円×2
受験願書郵送代 120円
免状交付手数料 5.600円 2.800円×2 岡山県証紙
免状交付郵送代 474円 82円+書留代392円
受験写真代 45mm×35mm2枚
合 計 18.228円+α

 次に受ける乙1・6類と同時に免状申請をすれば、甲類の受験資格を得るまでの免状交付郵送代を節約することができると思ったものの、(本当は、第1・6類受験の時の説明のように、過去の試験結果と新しい結果とを同時申請するのは2度手間で、ややこしくなるだけ)乙種のうち合格していない2類だけが残るのも嫌なので、他県でもしかしたら第2類も一緒に3科目同時受験をするかもしれません。そんなことを考えたら、今回は今回で、一度免状申請をしておいた方がよいのかもと思っています。
 (結局、第1・6類の発表を待って、まとめて申請することにしました。これが後で、とんでもなく面倒くさい結果に)

タイトルとURLをコピーしました