受験の考え方
受験の考え方
基礎問だけをしっかりやればよいという考え方は危ない
平成27年度の試験の場合でも、正答率が50%を超える問題が35問ありました。31点で合格ですから、確かに正答率50%を超える問題を全問正解できれば、余裕で合格できます。そのことから、難問を追うのをやめて、基本的な問題をしっかりやるべきだというようなことがよく言われます。
確かに、基礎的なところをおろそかにして、みんなが正解できないような所ばかりを追い求めていくと、ちょっとした点数を上げるために要求される知識の量は何倍にもなっていくでしょうから、出題されるかどうか分からないような難問を追っていくのはほどほどにして、あやふやな基礎を確実にしておいた方がよいのは確かでしょう。
しかし、それではといって、基礎だけをしっかりやって、実際出題されたことのある難問に見向きもしないのはいかがなものでしょうか。
正答率50%以下の問題を捨てるということは、今回の試験の場合でいえば、35点満点で31点を取らなければならないということです。いくら正答率が高い問題だとはいっても、88%もの高得点率をたたき出さなければ合格できないのでは、やはり大変です。
よっぽど注意していても、やはりかなり難しいのが宅建の問題ですから、取りこぼしなく目指した問題をすべて得点するのは数字で考えるほどに簡単なことではありません。
写真は、実際の私の自己採点(LECによる途中集計)です。正答率50%以上の問題を7問も取りこぼし、代わりに50%以下の問題を8問拾ってまあまあの点になっています。情けないのは、自分ではかなり勉強したつもりになっていたのに、正答率70%を超える問題を4問も間違っていることです。
このことから考えると、私がもし50%以上だけを目指して勉強していたとしたら、たぶん合格はできませんでした。もっと基礎問に時間を割いていたとして、もっと正答率が上がったとしても、きっと当落線上の微妙なあたりの点数になっていたと思われます。
このように、正答率50%以下を捨ててしまうというのは、かなり正答率が上がったとしても、ぎりぎりの合格ラインになるのがやっとということです。これでは試験を受ける前から、もう既にかなり危ない賭に足を踏み入れることになってしまいます。
私はたまたま正答率20%台の問題を4問正解していますが、しかし、これといって難問を解くために特別な努力をしたわけではありません。
『50日で受かる宅建』や『過去問宅建塾』の問題に、難問だ易問だとえり好みをせずに、どれも理解しようとして、解説を参考にしながら一生懸命に取り組んできただけです。
過去10年分や、500問程度の問題集なら、少々難問マークが付いていても、あっさりあきらめてしまうのではなくて、やはり1度は出題されたことのある問題たちですから、せめて問題集の解説程度は読んで、理解しようとしておくのがよろしいのではないでしょうか。
平成27年度の受験生にとっては、「占有回収の訴え」、「抵当権の放棄や譲渡」、「筆界特定書」などは確かに見たことのない問題でした。でも来年の受験生にとってはそうではありません。前年の過去問として既に見たことのある問題になります。そうやって過去問が積み重なって、徐々に問題の深さや広がりが増していくのですから、いくら難問マークがあるものでも、過去問集に載っている程度のことは、それなりには一応理解しようとしておく方が無難です。
ただし、「基礎的な問題だけで合格できる」と言われている本旨であるところの、「よくあるような問題は絶対に落とさない」という準備と気概が絶対に必要なことはいうまでもありません。
どうせ一か八かなら
どうせ一か八かなら、どの参考書にも載っている超重要事項を徹底的に繰り返して絶対に間違わないように訓練するというのは、それは一つの方法としては間違ってはいないでしょう。
でも私は、どんな試験の難易度になろうとも、少々のことなら一回で合格したいので、それだけに頼るような危ない方法を推奨しはしませんが。