受験・その後

宅建の独学用おすすめ参考書

入門用にはマンガもいいんじゃない

 全く知らない分野の勉強に取りかかる際には、最初に概略をマンガでつかんでおくのは、とてもやりやすい方法だと私は思います。
 それで買ったのが、『いちばんやさしい マンガ宅建士入門』でした。
 勉強が進んで、改めてこれを参考にすることはあまりありませんが、各項ごとにまとめがしっかりしているので、試験前に重要項目を総点検するのには案外使えるかもしれません。
 確かに超重要ポイントしかまとめにはありませんが、これを完璧に頭の中に蓄えておけば、他の選択肢が分からなくても、一つの選択肢だけピンポイントできちんと正解を出せる問題も多いと思います。
 必須ではありませんが、マンガを入門に使うのも、良い方法の一つだと思います。
 マンガの解説本というと、マンガとしての筋がいい加減で、無理矢理マンガ仕立てにして、後に重要事項一覧を羅列するという体裁のものが、宅建に限らずどの分野でも非常に多いです。
 その中では、『いちばんやさしい マンガ宅建士入門』がまだ許せるか、と思って買った参考書でした。

 本屋で立ち読みしていると、『マンガ宅建塾』も良さそうですね。『いちばんやさしい マンガ宅建士入門』のように、ストーリーの中で重要事項を説明しようというやり方ではなくて、4コママンガ風に落ちを付けて、重要事項を印象付けるというやりかたです。
 概略をつかむというよりも、重要事項のエッセンスを手軽に頭に残す、という面では、ある程度勉強した方は、こちらの方が使いやすいかもしれません。
 ネットでの評判は、この本、結構良さそうです。

『50日でうかる宅建』はとっても使いやすい

 『50日でうかる宅建』上巻・下巻。私がメインで使っている参考書です。
 これは、あれこれ中途半端に手を出して、一向にできるようになる気がしなくて焦っていたときに、本を読むだけでは頼りないので、音声講義がダウンンロードできる参考書を捜して、ネットでまあまあ評判が良さそうなので選んだ半ばやけくそでした。
 『50日でうかる宅建』は、本屋でつらつら眺めてみても、重要事項がたんたんと説明してあるだけなので、「これが他書と比べてどこがいいの?」というような感じで、さらっと見た感じ、どこがいいのかさっぱり分かりませんでした。
 ネーミングの安直さだけでアピールしているだけの印象です。
 しかし、いざこれを使って勉強を始めてみると、必要事項だけがかなり詳しく、しかもコンパクトに凝縮してまとめられており、問題になりやすい論点がほとんど明確に示されているので、無駄がなくとっても勉強しやすい良い参考書でした。

 参考書によって、「Aは……,Bは……」のような書き方ではなく、具体的な名前や例を取り上げて、囲み記事で扱っているようなものもあります。これは一見分かりやすく、最初に取りかかるのには取っつきやすそうな読みやすい感じがします。
 確かに、これは、説明を具体的にイメージさせるのにはよいのですが、イメージした後にもう一度読み返したり、全体を簡潔に把握したりするには、とっても冗長な感じがします。
 実際に出題される問題は、「Aは……,Bは……」という言い方で書かれているわけですから、このような説明で、具体的なイメージをある程度持てるように過去問を多く解いて思考訓練する方が、変に具体的な名前を使った解説書を使うよりも、結局は理解しやすい気がします。
 書籍版は平成28年度が最後になっていて、令和2年度は、YouTubeで講義を無料提要しています。テキストは、その都度、ブログから手に入るようです。

参考書を細かく区切って、対応問題を解く

 『50日でうかる宅建』は、さらに、説明を短く区切って、既習の内容を使って解ける問題をちょっとずつ解くように指示してあるので、過去問を解いていても、何を把握していなければならないかが分かって、むやみと間違うことが少なくなるという長所もあります。
 他の基本書を使っていらっしゃる方も、基本書を全部読み流してしまってから問題を解き始めるのではなく、説明を少しずつ区切って読み、その分野ごとに問題を解くようにしていけば、基本書で習得した知識が実際の試験でどの様な問われ方をするのかをすぐに確認出来るので、本試験の問題をどう解いていけばよいのかといったとりとめのない不安を、かなり解消できます。
 この参考書を使い出したおかげで、それまで、浮き足立っていて、どうやって勉強したらよいか、問題が解ける気が全くしなかったのに、なんとか解けるような気がしてきました。
 『50日でうかる宅建』は、簡潔であっさりとした解説なのに、出題されそうな事項については、「ここまで細かくきちんと書いてあるのか」という感想を抱かせるすばらしい参考書です。
 下手な語呂合わせで、有無を言わせずに覚えさせようとするのではなく、きちんと説明して分からせようとする姿勢が、私など暗記力がない人間にはとても頼りになります。
 問題数は、上巻115問、下巻138問、計258問とちょっと少なめです。厳選された良問揃いですが、一般に、「合格するには300問はまず解いておきたい」「できれば500問」と言われているようなので、他の問題集で補うなどして、もう少しは問題演習をしておきたいところではあります。

 保坂さんのアドバイス
絶対にやってはいけないのは,
テキスト」と「問題集」を,別のシリーズで揃えること。
ハッキリ言って“百害あって一利なし”…です!

 確かにその方がいいとは私も思います。ですが、そんなアドバイスをするぐらいなら、他を買わなくてもテキスト付属の問題の数を補えるような、シリーズ別冊問題集でも用意してほしいです。
 きちんと約束通り『過去問セレクト』を150問ほど提供しもらえて、予想問題(2回で計100問)ももう少し早めに提供してもらえると、この本の問題だけで、約500問をきっちり勉強できるのだけれどもねえ。(そう考えてみると、他の問題集を買わなければならないのは、いらぬ出費だったわい。)
 しかしまあ、このテキストの問題だけで済ませても、一般によく言われているように、解答を見つけ出すだけではなく、4つの選択肢全部について、ゆらぎなく、正誤とその理由を完璧に言えるまでにしておけば、うまくいけば、これだけでも合格できる人もいるのかもしれません。
 なお、『50日でうかる宅建』のメルマガでは、毎日一問一答の問題が配布されます。二月ほどで一回転し、二回転目以降は同じ内容の繰り返しになります。
 また、付録として約束されている過去問セレクトは、結局、今年(平成27年度)は二問しか提供されませんでした。以前の年にはもっと提供された時もあるようですが、今年は全くの約束違反でした。

 27年度の約束不履行のこともあってか、28年度版では過去問セレクトの宣伝自体がなくなっていますね。

 模試の方は、これもまた提供されないのかと思っていたら、十月に入ってから一問、二回目などは試験一週間ほど前にやっと提供されました。(試験後すぐに、また閲覧停止)
 実力を判定して弱点克服をするのには、この提供時期ではちょっと遅すぎました。
 もう一つ、質問対応も、私がしたものには、結局解答が来ませんでした。
 付録の音声講義はすばらしいのですが(もっともこれも今年は当初改訂が間に合わず昨年度版)、他の付録は、あまり期待しない方が良さそうです。
 総じて、今年は保坂さん、この本のサポートをきちんとするだけの余裕がなかったみたいですね。
 でも、それだからと言って、この本はダメだという気には私はなりません。私にとっては、この本があったからこそきちんと勉強するすることが出来た救いの一冊でした。

問題集は『過去問宅建塾』で補った

  

 私はとっても古い『らくらく宅建塾』を持っていた関係で、そのシリーズの問題集の今年度版で情報を補正するつもりで、初めはこれを買いました。
 初めの頃、『らくらく宅建塾』を適当に読み飛ばして問題集を解いていたので、どの問題をやっても、どの問題をやっても、ことごとく不正解で、全く答えが合いませんでした。
 そのこともあって、過去問は500問やっておけば合格に充分と言われている中、壱・弐・参合わせて、672問もあるこの問題集をやり通す自信は全く持てませんでした。
 それで、問題数のもっと少ないものを捜して、『50日でうかる宅建』に浮気したのです。
 ですがこれは、上にも書いたとおり、問題集の解き方に問題があったかもしれません。
 『過去問宅建塾』の良いところは、同じ論点で解ける問題が、これでもか、これでもかというくらい、たくさん載っているところです。ですから、問題になりそうな論点をしっかり把握して解いていけば、いくら問題数があっても、数から想像するほどの苦にはなりません。(それでも、やっぱりちょっと多い!)

 『50日でうかる宅建』は、そのような仕組みになっているので、これで論点を把握しておいてから『過去問宅建塾』を解く分には、少々問題が多くても、それほどストレスは感じません。むしろ、『50日でうかる宅建』は問題数が少ないので、同じ論点の他の問題をたくさん解くことで、問題のバリエーションの幅が分かり、知識も定着します。
 もちろん、違う著者の違うシリーズの本なので、問題の順番などが若干違う場合もありますが、それほど苦になるほどでもありません。
 また、『50日でうかる宅建』は、解説が細かいところまでしっかりしているので、問題集の解説の仕方が違ってとまどうというようなこともありません。

 このシリーズの基本テキストの『らくらく宅建塾』は持っていなくても、どうということはありません。
 ですが、問題集には一応テキストの参照ページも載っているので、『らくらく宅建塾』も、あればあったで見やすいときもあります。
 私が持っていた平成7年度版はさすがに古すぎて、ページ数が全く違いますが、後から見つけてきた6年前の古本なら、1ページずれている程度で、さほどページ数はずれません。
 もちろんその間に法改正があったりしますので、それをメインで使うつもりなら、新しい年度のものを購入するべきでしょう。
 まあ、私は、法改正がなさそうなところを時に参考に見る程度なので、『らくらく宅建塾』は古本でも何とかなります。
 もちろん、25年に判例が出た、「非嫡出子と嫡出子を遺産相続の上で同等の扱いにする」とか、27年に改正のあった、「宅建士への変更」、「暴力団関係者は宅建士として登録できない」など、その間の法改正については、敏感になっていないといけません。
 と言いながら、今調べてみると、毎年かなりな変更があるようです。特に税法などは要注意です。古いものは、あまり当てにしない方がいいです。(どの会社の参考書でも、昨年度版でも、下手をしたら当該年度版でも怪しい。現に平成27年度版でも、あまり試験には出ませんが、非課税業者の不動産の仲介手数料に対する税金が、3.2%ではなく4%になっている参考書も多いと思います)
 まあそんなところでつまらない苦労や混乱をしないためには、使うつもりなら、けちらないで、新しいものをそろえる(出版社の正誤表の確認も必須)方が無難ではあります。
 私は最初とっても古いテキストを併用しながら問題集を始めたので、「え?そんなあ!」ということはいくらかありました。
 だいぶ調べましたが、気がついていない法改正箇所が、おそらくまだあるでしょう。

『らくらく宅建塾』の語呂合わせって

 『らくらく宅建塾』は、売り上げが多くて、推奨する人が多いです。確かに、解説が簡単で、語呂合わせが豊富なのですが、記述内容は、おそらくこれだけでは足りません。
 このらくらくシリーズの問題集『過去問宅建塾』は、後述するように13年分くらいの過去問をすべて収録していて、そのそれぞれに詳しく解説がついているので、『らくらく宅建塾』を推奨する人は、それで論点を補っているから、基本書に論点が足りないことをあまり気にしていないのだ思います。
 また、『らくらく宅建塾』はやたらと語呂合わせが出てくるのですが、この語呂合わせ、私はあまり利用したいとは思いません。「赤痢菌の過去」などと言って、「建物の備・契約間と更新・用制限・契約時の銭精算方法・理人の住所氏名・契約終了時の宅地上建物の取しに関する事項」など、35条書面で、記載して説明しなければならない貸借特有の事項を覚えられますかね。
 この意味など関係ない語呂合わせから、何についての語呂合わせだったのかを思いだし、さらに中身を連想するためには、結局全部をくそ暗記してしまうしかありません。
 私にはそんな記憶力はないので、この本に書いてある語呂合わせは、ほとんど使う気にはなれませんでした。
 ただ、「賃貸専管(戦艦)だけでいい」や「花子は小学生」「イヤな大学病院」などは、私でも使ったほど、役に立ったものも中にはあります。

『過去問宅建塾』は何でこんなに問題数が多いのか

 『過去問宅建塾』にどんな問題が選択されているのか、解説がなかったので、私は漠然と過去の良問をかなり昔までさかのぼって掲載しているが故に問題数が多くなっているのだろうと最初は思っていました。
 ですが、巻末の掲載問題一覧をよく見てみると、2015年度版では、権利関係【壱】は平成12年度以降、宅建業法【弐】は平成12年度以降、その他【参】は平成13年度以降のほとんど全部を機械的に選択しているだけであることが分かります。
 ですから、『過去問宅建塾』を3冊やるということは、平成13年度以降の過去問を問題を選ばずに全部やっているのと同じということになります。どおりで問題数が多いはずです。
 このような問題選択になっているので、過去10年分の問題集を別に買っても、問題の順番を並べ替えて掲載しているだけで、一度はやったことがある問題ばかりだということになります。
 時間に余裕があるときにはこれでもいいのですが、あまり時間に余裕がないなら、この672問というのは、多すぎてやはりつらいです。
 多い問題を少ない回数解くよりも、難問・奇問はやめにして、絶対解けなければならない同じ問題を、回転数を多くして何回もやり、定着率を上げる方が効率がいいです。
 そんなことを考えると選択する過去問題集はLECのものの方がいいかもしれません。全550問。
 本にいろいろ500問程度の過去問がいいと書いてあっても、それでは具体的にどの問題集がそれに該当するのか、問題集には掲載総問題数をあまり書いていないことが多いので、選択に迷います。
 過去10年分の年度別の物は別にして、分野別で500問程度というのは、「これぐらいがよい」と言われる割には、本当に数がありません。下のLEC以外であるのは、日建学院くらいですかね。
 知識定着期の論点把握に使い勝手がいいのは、年度別の問題集より、断然分野別の方です。

     

 この問題集、問題数はほどほどですが、問題が右、解説が裏というのは、左右で問題と解説という風にしてほしいですね。一々ページをめくらないと問題と解説とをつきあわせて見比べられないというのは、やっぱり手間です。どの問題集を選んでも、痛(いた)し痒(かゆ)し。

 問題集をLECにするなら、テキストもLECを持っていてもいいかもしれません。これはかなり詳しいので、持っていると、『50日でうかる宅建』よりさらに詳しく調べたいときの辞書代わりになると思います。(ただ、これをメインの参考書にするのは、ちょっとつらい。右のLECから直接買えば割引になります。)
 世間(ネット)では、「『パーフェクト宅建基本書』が網羅されていてよい」というような声をよく聞きます。これは分からないことを最終的に調べる辞書として使う分にはまだ使えるかもしれませんが、メインテキストとして使うにはあまり使い勝手がよくないと思います。
 閲覧性がよいとは言えず、さほど必要がないところまであまりにも詳しすぎます。

『らくらく宅建塾』の宣伝文句はいい加減にしてほしい

 このシリーズは、独学書として膨大な数を売っているのに、自身の通信教育へ誘導しようとする広告がえげつなくていけません。(しかも高い!)

本番の試験で試されるのは→ズバリ「自分で考える力」(=未知の問題を解く力)です!!


しかし、それを独学(=毒学)で身につけるのは→ムリです!!

 こんな宣伝、独学用の参考書をこんかぎり売っておいて、どの口が言っているのと言いたい。
 『らくらく宅建塾』の各章末にある

→次は、宅建(超)完璧講座〔単位18〕〈宅建業法の模擬試験〉だ。ガンバレ!!

(本書では省略します)

 「通信教育でしか手に入らない本を特別に一般にも販売してやっている」という姿勢ならいざ知らず、独学用にしこたま売って儲けようとしている本に、このような読者をなめた編集をするこの著者、私はとても好きにはなれません。

仕上げは過去10年分の過去問

 分野別の過去問は、論点把握にはちょうどよい形式ですが、試験問題が総体としてどのようなものなのか、試験の体裁に慣れ、時間配分を知るというニーズには応じきれないところがあります。
 そのためには、過去10年分の年度別過去問です。ネットなどでも過去問それ自体は入手できますが、それらは法改正には対応していません。やはり販売されている、法改正に対して問題を作り直してくれている本を選ぶ方がよいでしょう。
 過去10年分の年度別過去問題集は、数社から出ていますが、写真のU-CANのものは、ページを繰るとき、問題が次ページにまたがっていないので、ちょっと字は小さいですが、使いやすいと思います。
 もう一つ、日建学院のもページ配置はいいので、私はそちらを買いました。でも、これは、私が見た問題で、法改正情報によって改訂していない所を発見しました。たまたまそこだけなのか、他にもあるのか、そこまでは調べていませんが。ちょっとこれで、いっぺんに信用したくなくなりました。(書籍出版後に法改正があったのでしょうかね。正誤表がどこにあるのか、捜しにくいです)
 U-CANの方は、解説は簡単めですが、問題ごとに元のままか、改作かが表示されています。
 また、日建学院のは答えが分冊になっていないため、結局本をばらして使うようになるのも、マイナスポイントですかね。きれいに分冊ができません。
 『過去問宅建塾』をやっていれば、ほとんど同じ問題なので、解くのにそれほど時間はかからないと思います。
 試験1カ月前ぐらいから、分野別問題集で勉強が一段落ついてからこれをやると、これまでやった問題を、テスト形式でもう一度やり直すことになるので、出来ないところの再確認と、テストの時間配分や雰囲気を把握するのにはちょうどいいです。
 これを新しい方から古い方へとさかのぼってやっていきます。
 本当は、試験の本番のように、「正しいもの」「誤っているもの」などに線を引いて問題を解きたいので、きちんと法改正に対応した問題がPDFで提供されているものがほしいのですが、そのようないいものは無いようです。
 冊子版を購入すると、当然問題解説が付いてきますから、同じ問題でも、『過去問宅建塾』の解説と比較しながら理解するということもできます。

本番形式の問題では解答一覧を利用

 本番形式の問題を解く場合、付属の解答用紙を使うか、このホームページで紹介している練習用解答用紙を使うかして、解答が合っているか間違っているか一覧形式で把握できるものを利用すると、自分がどの分野が強みでどの分野が弱点なのかがよく分かります。
 どういうことかというと、問題用紙に○×を付けているだけでは、自分がどの分野が強いか、弱いかが分かりません。平成27年度と同じ問題の構成なら、問14までが「権利関係」、問15から問22までが「法令上の制限」、問22から問25までが「税金」、問26から問45までが「宅建業法」、問46から問50までが「五点免除科目」です。解答欄のこれらの分野ごとに区切りをつけてみると、どの分野にどれだけ×がついているかを見るだけで、苦手分野が一目瞭然です。
 私の場合は、「権利関係」は間違っても3・4問まででまあまあ、「法令上の制限」は予想したほど悪くはなく、「宅建業法」は不十分、「税金」はいつも2問は×で最悪。五点免除科目は3・4問○だが問48「統計」はいつも×、という具合でした。
 これだけ弱点がはっきり分かれば、試験に合わせて弱点が出ないように、補強していくしかありません。

予想問題集

 過去問を何度もやっていると、これまで1度はやったことのある問題ばかりになりますから、全く見たことのない問題を力試しでやってみることは良いことかもしれません。
 過去問の場合、もう解けるようになった問題の解説を見直すことはそれほど無くなりますが、予想問題集では、正解した問題でも一通りもう一度解説をきちんと読み直すことで、間違って理解していたところを把握し、知識を再確認するのにはずいぶんと役に立ちました。
 わたしは老舗の信用ということで、LECの『出る順宅建直前大予想模試』をやってみました。これは4回分の予想問題が載っているので、他社の物より回数が多い分割安かなと思います。
 問題をやってみても、過去問を年度ごとに解いていくのとほぼ違和感なく、難易度も例年の本番並みかなと思いました。
 ホームページなどによると、「直前模試を受けろ」と書いてあったりします。直前期に、自分の実力と弱点の把握をしておくことにはやはりそれなりの意味があります。
 きちんとした模試を作るにはそれなりのノウハウが必要で、その模試をやっている会社から出された出版物ですから、自分で時間をきちんと計ってやれば、模試を4回分受けるぐらいの効果はあるのではないかと思います。
 もちろん、他の受験生と混じって受けない分、緊張感を経験するというようなことは出来ませんけれどもね。
 模試は受験料が結構高いので、これを代わりにやってみるのも良いのではないでしょうか。この問題集は、指定された期間にうまいこと合わせて利用すれば、採点サービスを受けることも出来ます。
 予想問題は各社から出版されていますので、どれでも選んでやってみればいいでしょう。ただ、本試験と傾向が違うような問題集は、百害あっても一利なしでしょうから、その辺りは慎重に問題集選びをしましょう。
 『50日でうかる宅建』の付録の直前模試は、本当に直前の1週間前ぐらいにしか公開されない上、出題傾向も何となくちょっと違う気がしました。
 時間が取れなくて、2回の内1回分しかやっていませんが、この付録は、模試としては過度には期待しない方がよいかもしれません。

LECには0円模試もあるぞ

 なお、LECには、7月下旬に行われる0円模試があります。これを受けておくのがいいと思います。
 私は、7月下旬の採点申込期限を過ぎてからこれを知り、その後でも試験の申し込みが出来ることを発見したので、8月のお盆前に、『過去問宅建塾』を壱から参まで全部一遍通りやり終えた後で、これをやってみました。
 『50日でうかる宅建』を一通りやった後の『過去問宅建塾』1回通りだったので、「結構合格点に到達するかも」と甘い期待を抱いての受験でした。ですが、結果は27点。完全な実力不足でした。ショック!
 ですが一方でこのホームページの冒頭に書いたように、1月ほど前にはほとんど解けなかった問題が、なんとか解けるかどうかという土俵にのることが出来るようになったという実感も持つことが出来ました。
 なお、この模試は、採点期間を過ぎてしまうと、解答を入力しても採点をしてくれるということは全くありません。ですが、他の受験生のデータや解答はダウンンロードできるので、参考にするには充分でした。
 7月末というと、私と同じように、まだ受験できるレベルにはない方も多いと思うので、ある程度実力がついてからこの模試を利用するような利用法も出来ることをお知らせしておきます。
 でも、合格基準点は、あくまで7月末時点での各受験生の実力を測るためのテストですから、本試験時点での点数ということなら、若干甘すぎるという気はします。

『3時間で宅建士試験の点数をあと10点上げる本』

 この本の解説は上の書名のリンク先で書きました。それほど必須ではありませんし、これを読んだからと言って、本当に得点が10点もアップするはずもありません。
 ですが、宅建試験の紛らわしい選択肢に対する基本的な考え方や、絶対正確な知識があれば、他の選択肢については全く分からなくても、正解が選び出せることなどを、私はこの本で確認しました。
 そのおかげで、以後試験問題を解くのがとても楽になるとともに、4つの選択肢であっても、一肢ごとに、確信を持って○×、たぶん正しい△、怪しいけれど?○・?×かな、よー分からん?ときちんと区別して、自分の理解度を判定する癖がつきました。
 こうしておくと、より確からしい選択肢を選んで解答することが出来ます。

『宅建 テキストのいらない1冊完結問題集』

 最初のページにも書いたように、どのような勉強をしたらいいか分からず右往左往していたときに、私はこの本を買いました。
 ですが、本書は題名通り、テキストも使わずこれだけで最初から勉強が出来るようなしろものではありません。
 問題総数130問、一問一答520問。
 この本は、おそらく過去問の紛らわしい部分を集めて例題を作ってあるので、実際に出題された過去問を解くよりも、この問題集の例題を解く方が難しいです。
 ですから、たとえテキストを事前に読んでいたとしても、なまじっかな分かり方だと、過去問は当てずっぽうで2/3位の確率で正解しても、この問題集の例題は正解にはなりません。それでこの本のポイント中心の解説だけを読んでみても、全体としての知識はやはり不十分になります。
 むしろこの本が生きてくるとすれば、一度学習が済んでいて、2回目の受験をする人が使う場合や、一応テキストや過去問で一通りの範囲を勉強している人が、知識の確認用に使う場合です。
 本試験よりもさらに紛らわしいので、正確な知識の確認用としては、結構使いでのする問題集です。さらに、例題の後には4問ずつ一問一答○×式の過去問がついているのですが、解説をじっくり読んでいても、これが、また合わない合わない。
 これで間違った問題を、もう一度自分が使っている基本テキストで確認するという使い方がいいようです。

私の使い方

1廻り目
 『50日でうかる宅建』解説・問題
 →上記1日分ごとに対応箇所『過去問宅建塾壱弐参』
 →LEC0円模試
2廻り目
 →『宅建 テキストのいらない1冊完結問題集』で論点確認
 →『50日でうかる宅建』問題
 →『過去問宅建塾壱弐参』
3廻り目
 →『宅建 テキストのいらない1冊完結問題集』(2回目)
 →『50日でうかる宅建』問題
 →『過去問宅建塾弐参、壱の借地借家法』
→『50日でうかる宅建』問題・『過去問宅建塾壱弐参』の3回目に間違ったところを2回ほど
→年度別6年分の過去問
→『出る順宅建直前大予想模試』
→『50日でうかる宅建』予想問題 1回
→試験前2日間 『50日でうかる宅建』問題・『過去問宅建塾壱弐参』の2回目以降間違ったところ全部
→『宅建 テキストのいらない1冊完結問題集』一回でも間違ったところ全部
→苦手な税金の細目チェック
→苦手な統計問題資料の把握

 これらの問題をやる中で、分からないところは『50日でうかる宅建』で何度も確認し、それでも分からないところは『らくらく宅建塾』や『スラスラ覚える宅建合格ゼミ』を参考に見て、まだ分からなければネットで調べる。

 3廻り目、『過去問宅建塾』は、本当は全部をやりたかったのですが、あまり時間がなくなったので、権利関係の壱は、借地借家法・その他の所しかできませんでした。権利関係はある程度出来ていたので、宅建業法や法令上の制限に力を入れた方がよいかと。
 年度ごとの過去問は、10年分解く予定でしたが、これも時間不足で6年分で終わりました。
 でも、これぐらい過去になってくると、出題の傾向も多少変わってくるようなので、『過去問宅建塾』で一応問題はやっていることでもあり、年度ごとにさかのぼるのは、これぐらいでも良かったかもしれません。
 『50日でうかる宅建』予想問題も、2回の内1回分しかできませんでした。
 通勤中は、朝ドラ中の15分を除いて、45分間ずっと『50日でうかる宅建』の音声講義を流していました。

あまりいいやり方ではなかったかも

 私の上のような勉強法は、解説本などによれば最悪の勉強法ということになるのかもしれません。
 「これと決めたら他の本に浮気をしない」と保坂さんのホームページなどにも書いてあります。苦労するだけだと。
 論点の確認などには、正攻法からすれば、基本テキストを初めからきちんと見直す方が本当は良かったのかもしれません。
 私は、基本テキストを全部はじめから読み直すのは、何か気の抜けてしまうような気がして、せっかく買ってしまっていたことでもあり、『宅建 テキストのいらない1冊完結問題集』で論点を確認し、必要になった都度、もう一度『50日でうかる宅建』の関係箇所をなるべく広い範囲で読み直すようにしていました。
 それに使う問題集も多すぎて、何度も解き直す回数が少なくなっているのもマイナスかもしれません。
 ただ、『50日でうかる宅建』の問題は、基本『過去問宅建塾』にも載っているので、これに載っている問題258問については、繰り返した回数の倍、実際には解いたことになっており、さらに年度別過去問を解いた6年分については、『過去問宅建塾』をもう一度解いたことと実質的には変わらないことにはなっています。
 そして、間違う問題は何度やっても間違いますから、どの問題集についても、問題に×がついていれば、さらに何度も同じ問題を見直したことになります。

もう一度同じ努力をするのはいやだぞ

 3回目に『過去問宅建塾』を解いた頃から、過去問を年度別に解いても、さほど間違わなくなりました。
 過去問や予想問題をやっても、一応合格点はほぼ余裕でクリアーしているのですから、これで合格しなければ、来年また勉強し直しても、もうこれ以上に理解率を上げるのはそうたやすいことではないはずです。ですから、もし受からなければ、どれだけ勉強すれば合格できるのか、めどが全く立たないで、泥沼になること必至です。
 いやだ、いやだ、もうこれ以上、来年ももう一度同じ苦労をするのなんて絶対にいやだぞ!
と言いながら、なぜか試験2週間ほど前から、なんとなく勉強に身が今一歩入らず、微妙に逃げて寝てばかりいるNekoさんでした。

結構テキスト代を使った

書 名 出版社 価 格
『いちばんやさしい マンガ宅建士入門』 西東社 1,944円
『50日でうかる宅建』上巻 たっけん.com 2,916円
『50日でうかる宅建』下巻 たっけん.com 2,916円
『過去問宅建塾【壱】』 週刊住宅新聞社 1,944円
『過去問宅建塾【弐】』 週刊住宅新聞社 1,944円
『過去問宅建塾【参】』 週刊住宅新聞社 1,944円
『らくらく宅建塾2009』(古本) 週刊住宅新聞社 216円
『宅建 テキストのいらない1冊完結問題集』 DAI-X出版 2,592円
『一発合格!とことん宅建本試験問題ズバッ!と10』 建築資料研究社 2,700円
『出る順宅建直前大予想模試』 東京リーガルマインド 1,728円
『3時間で宅建士試験の点数をあと10点上げる本』 洋泉社 1,728円
『スラスラ解ける宅建士ウラ技合格法』 成美堂出版 1,620円
『民法がわかった』 法学書院 2,700円
合 計 26,892円

 上に紹介していない本も含めて、結構買ってますね。これだけ右往左往して買うぐらいなら、通信教育も有りだったかもしれません。

最短時間で合格を目指すなら

 いろいろ右往左往して、勉強してきた結果から、今の私がもう一度勉強し直すとして、最短期間、最小費用での合格を目指すなら、

書 名 出版社 価 格
『50日でうかる宅建』上巻 たっけん.com 2,916円
『50日でうかる宅建』下巻 たっけん.com 2,916円
U-CANの宅建士 過去10年問題集 U-CAN 2,700円
『出る順宅建直前大予想模試』 東京リーガルマインド 1,728円
合 計 8,532円(10,260円)

『50日でうかる宅建』の音声講義を聴きながら、5回通り、内最低でも解説を2回通りは最初から最後まで、内容をはしょらないで、きちんと丁寧に勉強(復習)。
 それが済んだら、新しい方から『U-CANの宅建士 過去10年問題集』を出来るところまで。
 ここまでで間違ったところは、さらに何度も見直して、復習。
 ただし、これらの問題を解くとき、ただ、「正解だ!よかった。じゃあ次」ではダメです。一肢ごとに全部、「合っている」か、「間違っている」かをきちんと吟味しながら問題を解くこと。知識があやふやな場合は、設問の解説を読んで理解した気になるだけではなくて、その都度基本書に戻って確認。それでないと、いくら過去問を何遍やっても、正確な知識は身に付きません。やる問題の量を減らすためには、当然密度を濃くしていかないと、結果はついてきません。
 これだけやって1月で間に合うかどうかですかね。働きながらだと、1月で確実に合格というのはやはりかなりきついでしょう。
 もう少し余裕があれば、『U-CANの宅建士 過去10年問題集』を全部やって、その復習を最低2回。(出来れば3回)
 もっとも、過去10年分をやる段階で時間とお金に余裕があるなら、私なら、年度別過去10年分ではなくて、分野別の問題集500問ほどのものを先にやります。その方が、論点の把握と、問題点の整理がしやすいです。(その代わり、一通りを仕上げるのに時間がかかるため、「全部をいつ仕上げられるのか」といった不安は、こちらの方が大きくなるかもしれません。)
 分野別問題集を先にやる場合は、最後の仕上げの時に、もう一度過去10年分を何年分か解いて、時間配分を体感しておきます。
 そして、これだけやってもまだ余裕があれば、『出る順宅建直前大予想模試』をやって、復習。
 これぐらいでやると、教材が絞られるのであれこれやる必要もなく、教材費も大幅カットできます。(理想型にすると、それでも結構多くなりますが。)
 他は、一切振り返る必要なし。
 どうしても不安なら、気休めに『3時間で宅建士試験の点数をあと10点上げる本』ぐらいを息抜きに読んでもいいかもね。
 ただしこれはあくまでも気休め程度。
 これだけやれば、まぐれ当たりを期待するいちかばちかではなく、一回で独学合格するだけの相当な実力がつくはずです。

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