道具

兼用靴を26年ぶりに購入

2021.12.10 

ちょっと買いに行くのが遅すぎた

 これまで山に行くときには結構気に入って使っていた Nordica の兼用靴 TR9 Tour Randonnee でしたが、2009年の八甲田行き以降ほとんど使うこともなく過ごしてきて、流石に26年も経つと、経年劣化の心配がありますから、山行きを再開しようとすると、ちょっと怖くて、使い続けるのもどうなのかなという感じでした。それでも、同じ兼用靴でも山靴寄りのものは、スキーがしにくいし、かと言ってスキー靴寄りのものは山に登りにくいしで、 山屋ではなくスキーヤーである私にとっては、TR9 は程よい味付けであるため、新たに適当な靴を求めて、積極的に乗り換えようとする気にはなかなかなれないでいました。
 でもよく考えてみれば、劣化の不安と、60歳を過ぎて後滑れてももう10年位のものです。買う時期を遅らせても、あまりメリットはないので、この後壊れて山で立ち往生するぐらいなら、最後の兼用靴として新しいものを買うのもありかなとも考えました。
 そんなことを考えながらもまだ決断が付かずにグズグズしていた時に、山によく同行するヤギおじさんの「買い物に付き合え」という一言で、大阪まではるばる出かけいって、ジャストサイズはないものの一サイズ大きい27cmのK2 MINDBENDER 120 を買ってしまいました。もうちょっと早く出かけていけば、26cmもあったはずなので、惜しいことをしました。
 本当は登山靴と同じソールであるビブラムソールにこだわっていたのですが、私の足は色々と人と違うところが出っ張っているため、インナーだけではなくシェルも熱成形できるものでないと足に合いません。SCARPA MAESTRALE2 なども履いてはみましたが、幅が狭すぎる上、店屋でさえ靴の口が固くて狭いので履くのに四苦八苦するので、山の寒いところでは履けたものではないはずで、「こりゃだめだ」と即諦めました。
 以前同じ Grip Walk ソールである atomic の靴は履いたことがあって、これも幅が結構狭いので、加工する前から、これなら何とかなりそうだという感を抱かせるのは MINDBENDER しかありませんでした。 

MINDBENDER 120 は結構いい感じ

 MINDBENDER 120 は、TR9 よりも少しスキー靴寄りの味付けですが、足首はTR9 よりも、もっとストレートになるので歩行もしやすく、履きやすいので、結果的には私にとっては望ましい味付けでした。ただやはりちょっと気になるのは、ソールがビブラムソールに比べて小さめであり、そのソールに雪がついてしまう場合があるということです。リアエントリーのスキー靴などと違う兼用靴の最大の利点は、ソールに雪がついて団子になってしまわないことですが、その点は、 Grip Walk と言えども、若干不安はやはり残るようです。
 とはいえ、他に選択肢がないのだから、これは諦めるよりほかありません。
 TR9 の時は、滑走モードにすると却って滑りにくく、常に歩行モードにしていないと不安でしたが、MINDBENDER 120 は、歩行モードにすると足首がフニャフニャで直立までいってしまうので、下降する時は滑走モードにする方が断然滑りやすいです。
 硬さが120とはいえ、滑走モードにしても足首は普通のスキー靴のようにはしっかりと固定されるわけではありません。結構足が立ちます。通常のスキー靴のほうが断然硬いです。それで、この靴を初めて履いた日の朝、いきなり新雪を滑ろうとしてすぐに大ゴケしてしまいました。
 この靴で滑る場合、足首を伸ばしきってしまわずに、常に緊張させておく意識はとても大切なようです。
 滑走モードと歩行モードとの切り替えは、靴の後ろの金具の紐を引っ張ることでするのですが、この切替、かがまなければならないので、ちょっとやりにくくはあります。体に少し負担がかかる。

ヨシミスポーツはスキーの取り扱いをやめていた

 インターネットで大阪の山スキー専門店を探していて、靴のアフターフォローをしっかりやってくれそうなので、最初に訪問したのが、ヨシミスポーツでした。ところが数年前にスキーは辞めたとのたまう。
 「お客さんは古いホームページを見てきたのだ」と。
 そんなもの、「扱わなくなったのなら、早くページを削除しておけよ」という感じです。製品紹介を見ながら、取り扱い商品の紹介が数年前のものだったので、「少しやばいかな」とは思っていましたが、今回のようにはるばる訪ねていく場合にはやっぱり事前に電話でもして確認しておくことが大切でしたね。

インソール購入は大失敗

 シダスなどの熱整形のインソールに変えようとして、「インソールが欲しい」とだけ言ったのが大失敗でした。交換用のインソールなど、熱成形のものが主流だろうと思い込んで、店員が出してきたインソールの説明をよく見もせずに、「いつ熱成形をするんだろう」と待てど暮らせどそんなことを店員はいいません。確認してみると、「これは熱整形のものではないし、もう靴に合わせて切ってしまったという。
 諦めるよりほかありません。
 それから家に帰ってよくよく説明を見ていると、「インソールのサイズは、靴の大きさではなくて、足の大きさに合わせて選ぶこと」と書いてある。私は靴は26~27ですが、測ってみると足のサイズは25cmしかありません。
 シェルとインナーを熱成形してもらって、足に合わせたはずなのに、後日滑ってみるとなんか足にフィットしません。「成形が下手くそで、また他の店で整形し直してもらうしかないか」と思っていたのですが、この足に合わない1万円も無駄に出したインナーを取り外して、昔TR9に入れていたインソールを入れてみると、足の痛さがありません。
 結局、店員が足の実際の大きさを測りもせずに適当に選んでしまったインソールが不具合の原因でした。これが土踏まずの大きさにうまくあっていなかっただけのことでした。
 あの店、配達時間の指定をお願いしたのに、指定がないことになっているし、今回のインソールの件もあり、靴などの大切な買い物にはもう二度と行きません。まあ、こちらでよく調べた上での、通販専門ですね。

TR9 はやはり経年劣化していた

 今回の購入にあたって、同行のヤギおじさんは、店屋に私と同じ時期に買ったTR9 を持ち込んでいて、「割れかけている」と言われたのを、私は他人事のように聞いて、「捨てなさい」と冷たく言っていたのですが、今回のインソールのことがあり、インナーブーツを取り出そうとして引っ張ったところ、私のTR9 もいきなりボロボロに破れてしまいました。やっぱりかなり経年劣化していたようです。
 ちょっと引っ張っただけでぼろぼろになったので、これで実際にスキーをしていたら、すぐに割れていたところでした。
 やっぱりスキー靴などのプラスチック製品は、使っても10年位のものなんですかね。
 「山に持っていく前に、ゲレンデで試しに履いてみようかな」と思ってはいましたが、早々に新しい靴を買って正解でした。 

後日談

 私を山スキーにつれていってくれるヤギおじさんは、私とは違って、登山靴にジルブレッタでスキーを始めた生粋の山屋です。私が最初に履いてみたSCARPA MAESTRALE2 を買うというので、「絶対に硬すぎるし、おじさんのスキーには合わないので止めとけ」といったにもかかわらず、「スキーを靴に合わせる」とかなんとか、訳の分からないことを言って、結局インナーの熱成形なども一切せずに買ってしまいました。
 それで、「いきなり山には行かずにゲレンデで少しは練習したほうがいいよ」と言って出かけた鳥取県の大山で、靴が硬すぎて、少々靴をストーブの前で温めたぐらいでは、なかなか履けずに30分以上も靴を履くだけのために蹴ったり踏んだり右往左往しています。
 「だから言ったじゃあないの」というようなもので、同情はしませんが、おかしくって、ドタバタしているのを冷ややかに眺めています。 
 このおじさん、店屋から送られて来たものを梱包を開けることもなく山まで持ってくるものだから、靴は履けないし、テックビンディングの扱い方もわからない。靴をスキーに着装するのにも四苦八苦して、結局、自分はブラブラさせた足を、ピン位置に合わせてこちらが靴の位置を持っていってやって、やっとスキーに靴が固定できる始末で、めちゃめちゃ介護が必要なヤギ爺になってしまいました。
 テックビンディングというのは、着装するのにかなりコツが必要なのですかね。

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