大山山スキー

大山山スキー
ヤギくそじじい
私を山スキーに連れて行ってくれるヤギおじさんは、水やおでん・重いものなど一式全部持ってくれる頼もしいおじさんですが、私が疲労で動けなくなって凍死したとしても、自分だけは絶対に生きて帰るようなしたたかさとたくましさとを持っています。
今回ほぼ10年ぶりに一緒にスキーをしてみて、「わしゃあ牛飼いになる」といって仕事をやめて百姓に専念したためか、とんでもないわがまま親父に変貌していました。
山行に先立つ鳥取県大山スキー場での8日9日のスキーでも、下の原を突っ切って国際スキー場に行くために、「絶対下に降りちゃあいけん。真っ直ぐに突っ切る」とくどく言っているのに、見ていると下に降りていっている。それでいて、「どうせ下に降りるのだから」と勝手なことを言う。
国際のパラダイスコースとの分かれ道で、待ちもせずにリーゼンコースの方に先にスラスラ降りていっているから、下に降りたのだろうとロッジのところまで降りてみても、やっぱりどこにも見当たらない。「あんたが横にそれるのも面白いと言ったから」とか言って、下のもう一つの分かれ道の所で待ちもせずに、途中から勝手に右手にそれてパラダイスコースの方に戻っている。
もう、勝手にしてくれという気分です。
極めつけは、スキーを終わって帰るときに、ロッジでトイレに行くと何度も言っているのに、知らん顔をしてスタスタと帰ろうとしている。大声で呼び止めたら、「わしゃトイレに行きたくないから」とのたまう。
もうどうしようもありません。ヤギおじさんは、名実ともに、「ヤギ爺」もしくは「ヤギくそじじい」に完全昇格です。
ヤギ爺スノーシューを借金で手に入れる
2日分500円の割引券をあげたのに、リフト代に4,500円も払うのは納得がいかないから、10日は何が何でも元谷を登るという。せっかくスキーに合わせて大阪で買ったシールも持ってこずにおいて、お金もないのに、民宿街にあるモンベルで2万円近くするスノーシューを買うつもりらしい。「今度会ったときに」などと言っていたら貸した金が帰ってくるような気がしないので、「銀行振込にする」という約束で手に入れたスノーシューが写真に写っているそれです。(ワカンなら、自作も含めて何個も持っているそうです。)
行者谷滑降
私はシーズン券を持っているので、中の原をわざわざ歩いて登る気にはなれません。ヤギ爺を先に行かせておいて、9時になってリフトが動き出してから中の原の三角から降りて、中段(N3号リフト)の下の方1/3くらいのところにある元谷への林道の所から山の中に入りました。
昔はこの元谷に向かう林道のところが、少し盛り上がっていて、私達がスキーをするときには、そこが中間の休憩場所になっていました。しかし、今はこの道の在り処があまり良く分かりません。(後からよくよく見ていると、今でもやはりちょっと盛り上がってはいるようですが。)
ちょっとずつ見ていって、この辺かなというあたりで見切りで山の中に入りましたが、どうもそこが正解の林道でした。少し行くと標識があって、元谷への表示がありました。リフトを使うなら、今回私達が横に入ったところが、一番登らなくても良い平坦なコースです。
私の方は、ATOMIC BACKLAND 78 157cm に古い60mm幅の細いシールを付けて、楽々と登っていきます。このような平坦な道なら、スノーシューよりもシールの方が快適です。
元谷の堰堤がある辺りで、写真の地図がありました。
堰堤を渡りきって少し登ったところの左手に元谷の小屋があります。その辺りから更に登ろうとすると傾斜が急になって、シールでは直登できなくなります。結局これぐらい傾斜が急になってくると、シールよりもツボ足の方が登りやすいです。しかし前のスノーシューの跡をトレースするとは言っても、ツボ足は20cm程は沈んでしまうので、疲労度やスピードが断然違ってきます。
結構疲れてきて、12時頃やっとたどり着いたのが写真の場所です。
バーナーやおでん、鍋はあるのに、爺さんに持たせたはずのボンベがない。いくらか食料は持ってきているとはいえ、更に6合目の小屋まで登ろうとする元気はもうありません。途中ですが、ここらで休憩をとって、下山と相成りました。
ヤギ爺何回も転倒
ヤギ爺は、スキーの上手さはともかくとして、どんな雪でも斜面でも私よりは安定していて転ばないので、山に行くのに信頼できる相棒なのですが、今回はどうしたことか、何回も転倒していました。やはり、あまりスキーに行っているようでもないのが影響していますかね。
もしくは、硬すぎる新調のスキー靴が影響しているのかもしれません。
雪は踏んでいないところがあっても、年末に降ったものがモナカ状になって残っているので、重くて重くて要領よく回ろうとしてもコケる気しかしません。足を大股開きに開いて、体重をエイヤッと乗せたら、曲がるまで辛抱し続けるしかありません。
しかし曲がるのに苦戦しながらでも、堰堤のところまで降りてくるのはあっという間です。堰堤を越えてからは、谷にだけは落ちないように気をつけながら斜行します。山側の方を斜めにずらしていきながらスピードを制御して、ずんずん降りていって2時頃には、中の原スキー場に戻って来ました。
夏山登山道の方が楽そうな
今回は元谷から6合の小屋を目指しましたが、夏山登山道からの方が楽に登れたような気がします。この時期でも、夏山登山道は多くの人が登るので、道が階段状にできていて、ツボ足でも楽に登れそうだからです。
今度まだ冬の時期に6合の小屋を目指すことがあったら、今度は正攻法で夏山登山道からにしたいと思います。
3月の中頃に大山に登るのなどは、新雪直後でもなければ、道が全部階段になっているので、夏に登るのよりも格段に早く登れます。
ヤギ爺恐るべし
ヤギ爺が急な斜面をスノーシュで登るのを見ていると、スノーシュも手に入れてみたくなってしまいます。思えばテレマークスキーを買うときも、お互い色々話していたと思ったら、「わしゃあ、もう注文したから」というのが決定打でした。そんなことを言われれば、私としても後追いして買うしかありません。
ヤギ爺恐るべし!
結構疲れていた
6合目の小屋まで全部登りきったわけでもなし、2時には山から帰ってきていたので、直後はさほど疲れたような気はしませんでしたが、山に登るのは普段のスキー以上にやっぱりかなり疲れていました。
体はゾクゾクするし、喉はイガイガするし、完全に風邪をひきはじめの悪い兆候です。このオミクロン株(新型コロナ変異種)急拡大の中、発熱でもして休んだものなら、職場でなんと言われるか分かったものではありません。これで次の週もスキーに出かけたら、とってもやばい気がするので、その週は残念ながら家でゴロゴロして、2週間かけてやっと体が落ち着きました。
自分も爺さんになったもんだ。以前は少々熱があっても週末にスキーに出かけて行って、月曜日には治っていたのに。