使用参考書

日商簿記3級独学用使用参考書

 『文系女子のためのはじめての日商簿記3級』音声講義がついていて基礎から丁寧に解説してあるようだったので、この本を選びました。
 付属の音声講義は、おばさんの声が間延びしすぎていてテンポがどうも合わないので、2.2倍速にして、車の通勤途中CDで聞いていました。それでもちょっと速いかなというぐらいで、ちょうどいいです。
 通勤時間が1時間ちょっとあると、1日で、ほとんど1冊分の講義が聴けてしまえます。ですからほぼ1ヶ月間は、毎日1冊分の講義を聴いていたことになります。
 ただし、講義は仕訳中心で、試算表や精算表についてはほとんどありません。
 約190ページの準拠問題集がダウンンロードできるので、参考書としてはちょっと高くても割安だと思います。
 PDFは、本文掲載の問題とは全く別の問題集なので、本文の問題を解くのに解答用紙が本にしかないのが使いにくかったです。本の問題用にも、PDFの解答用紙を付けてほしかったです。
 また、PDFの問題集はいいのですが、問題・解答用紙と解説が混ぜこぜになっていて、2回目の練習をしようとするときに解答用紙だけを印刷できないのが不便でした。結局問題集は、仕訳の所を中心に、1回通りしかしていません。
 まあ割といい本だとは思いますが、第5章「帳簿」の辺りで、何も書いていないフォーマットに補助簿を全て記入していく練習問題がたくさんあって、ここの時点で、テストに直接出てこないこれらの書き方に神経を集中させていてはテストに絶対間に合わないと思って、この辺りから、本文・問題集ともかなりいい加減になってしまいました。
 補助簿の記入は、もし時間があれば、それなりに有効だとは思います。しかし、全くのサラの状態から補助簿を全て記入させるような問題は本試験では出ないので、この本の第5章については練習問題をスルーして、概要を読んで掴んでおくだけにして、早めに過去問に取り組むようにしたほうがよいです。
 例えば、商品有高帳なら、どのような書式で書くかということよりも、何を記帳すべきかということのほうが重要です。それらは、過去問をやることでしか身につきませんから、補助簿については、過去問で解き方をマスターしたほうが効率的です。

 この本はよく使った気になっていますが、改めて考えてみると、音声講義を毎日聴いていただけで、本文そのものは通してはさほど読んではいないかもしれません。

 『驚異の合格率88% 日商簿記3級合格塾』。この本は、「業界初の無料動画配信」などという魅力的な宣伝に惹かれて購入しました。
 しかしこれは半分嘘っぱちで、ホームページにはメルマガ登録のアドレスもないし、筆者が簿記3級の全体像をきちんと講義する動画配信を、本に宣伝しているように責任を持って紹介しようとしているわけでもありません。それで、筆者にその存在を問い合わせても、次のような本気で対応しようという姿勢のない返事でした。

拙著にありますように、YOUTUBE動画を無料で視聴できますので、そちらをご活用ください。

「家で聞くにしても、3級対策をまとまった講義という体裁にはなっていないのですか。」

YOUTUBE動画以外のサービスは、すべて有料となります。有料サービス(3級対策をまとまったサービスの場合。弊塾は10万円程度となります)をご希望の場合は、改めてお問合せください。

 宣伝その2の「オリジナルレジメ」のダウンンロードも、ホームページ上には何の案内もありません。問い合わせメールをしたら、これは添付ファイルで送られてきました。
 しかし、今回受験を終わって、今このホームページを作るに当たって、著者がかつてユーチューブに配信したどこにあるか分からない動画を探していたら、やっぱりないことはなかったようです。
 「講義動画がほしいんなら、有料講義を申し込みなさい」というお金儲けしたいオーラしか感じられないこのホームページは、約束を信じて書籍の購入をした人をないがしろにするものですから、こらえてほしいです。
 本文の内容を見る限り、かなり分かりやすそうである内容なだけに、宣伝に偽りがあるのが残念です。

 この本も結構読みましたが、やはり全部をきちんとは読まないで読み飛ばしている箇所も多いです。
 写真のような改訂版が出たようですね。この本からは、上述のような無料講義やダウンロードの宣伝は全く消えています。
 内容はさほど変わっていないようですが。

 『よくわかる簿記シリーズ 合格するための過去問題集 日商簿記3級』。この問題集は、ネットなどでも、「これしかない」くらいに言われている、たいそう評判のよい過去問集なので、出題区分の改訂など何も知らないときに、何も考えずに、私はこれを選びました。しかし、この本の問題は、過去問そのままなので、出題区分の改定で現在は出題されなくなった為替手形の仕分けなども当然のように問題文の中に出てきます。
 第140回以前の問題にはこれらのものが含まれますから、出題されない(試験を解く必要としては無駄な)問題を一切見たくない人には向きません。
 改定と言っても、3級は大きなところで為替手形ぐらいのものなので、余分といってもさほど大きな負担ではありません。ですから、世間の評判通りこれを使っても「多少余分があるな」ぐらいで済みますが(でも、ここでよく間違うんです)、2級ともなると、さすがに改定項目が多く、「出題区分改定のため削除」という項目がやたらと出てくるので、あまり積極的に「この問題集を2級でもやっぱり使いたいな」という気持ちにはなりません。よい本なんですけれどもね。
 でも、出題区分改定に対応した他のよい過去問題集が見当たらないようなので、困ってしまいます。
 「この問題集を使おう」と思う方は、以上の点は覚悟しておきましょう。

 以下、この問題集の使い方など、他の過去問集を使う上でも参考になる点を書いておきます。
 ある程度仕訳が出来るようになった段階で、メインの練習教材にしたのが、この『よくわかる簿記シリーズ 合格するための過去問題集 日商簿記3級』です。問題の解答用紙がダウンンロードできるので、何回も練習できます。(TACの出版物は、オンライン書籍サイトから購入すると、割り引き購入ができます。)
 これに新しい物から順に取りかかって、「次は合格点」と思ってやっても、次も、次も1回目はなかなか合格点にはたどり着けませんでした。
 これまでの参考書の読み方を書いたところからも分かるように、テキストを完全には理解しないまま問題演習に見きりで取りかかったので、当然といえば当然なのかも知れません。
 しかし、簿記は知識よりも練習して内容を習得していく要素が強いので、このやり方もあながち間違っていたとは思いません。
 過去12回分くらいをやれば、簿記3級で問われそうな所の全体像がかなりはっきり分かってきます。
 特に第2問や第4問は、実際に問題に触れなければ、見えてこないような部分が結構ありました。一回一回は、いろんなところが目先を変えて出題されても、それらを通して見ることで、全体像の把握が出来ます。
 ただ、第3問は、やみくもに集計をしても、元になる仕訳を間違うままの練習では、時間の無駄です。
 過去問を12回分1回通りして、やってもやっても点が取れないので、「これは集計をする前に仕訳を間違わないようにしなければいけない」と考えて、集計をせずに、12回分、仕訳の確認だけを通してしました。それでここの仕訳の間違いはかなり減りました。
 この問題集は、解答用紙がダウンンロードできるとうたっていますが、これは過去問についてだけなのが残念なところです。
 この本には、過去問の前に、各問題を解くための例題集があります。この問題はかなり素敵です。でもこれの解答用紙がダウンンロードできないので、何回も練習するのが難しいです。TACには是非とも今後この例題集の解答用紙もダウンンロードできるようにしてもらいたいです。
 いろいろ、解答用紙などがダウンンロードできる商品はあっても、このように結構中途半端な商品が多いです。
 本文の紹介ページをよくよく見て、商品を選ばないといけません。

 『あてるTAC直前予想 日商簿記3級』この本の良いところや使い方は、「出題区分の改訂」の項で書きました。検定の出題内容や傾向が変化している中、過去問だけに頼り切るのではなく、予想問題を利用することも必要だと思います。
 私は試験2日前にこれをやっと買ってきて、前日に8時間以上かけて1回通りやっただけですが、私の役には十分に立ちました。いい本だったと思います。

 『合格テキスト 日商簿記3級
 見るからに、学校の教科書のような、無味乾燥でとっつきにくいイメージがあったので、これまで見向きもしませんでしたが、2級の勉強をするにあたって、これの2級版を使ってみると、この本ならではの分かりやすさというのがあります。
 きちんと基本から丁寧に説明がしてあるので、他の本のような説明を端折った分かりにくさというのがありません。
 本当に簿記を基本からきちんと理解したいなら、この本は一番のお勧めだと今なら思います。ただ、詳しいということは、それなりに何が一番重要かを見えにくくさせてしまう一面もあるので、誰にでもこの本がベストなお勧めかと問われると、それも少し考えてしまいます。
 なお、TAC出版の本は、TAC出版書籍販売サイトから直接買えば、値引きがあります。

 私は今回は使いませんでしたが、本屋で立ち読みをしていて、内容がしっかりしていて独学用に使いやすいと思ったのは、『日商簿記3級 光速マスターNEO テキスト』です。問題集と過去問を別に買って、音声講義はいらないというのなら、『文系女子』よりは使いやすいような気がします。
 本文の練習問題用の解答用紙PDFとネット上で見られるワンポイント講義はついてきます。でも、講義の方は内容をとばしすぎていて、あまり期待しない方がいいです。

 『スッキリわかる 日商簿記3級』。amazonで、売上1位だそうです。3級受験当時はまだ持ってはいなかったので、使ってはいませんが、2級の勉強を再開するにあたって、3級合格から時間が経っていることもあり、復習用にこの本をざっと読み流してみました。
 一度学習した者が復習用に使うには、この本はとても良くまとまっていて分かりやすい素晴らしい本だと思います。
 何より、勘定科目のそれぞれについて、「資産・負債・純資産・収益・費用」の5グループの内、どのグループに属するのかということをその都度意識させてくれるのがよいです。
 ただ、簿記のボの字も勉強したことのない人が、いきなりこの本を使ってそれだけで躓かずに勉強を続けられるかといえば、それはちょっと怪しいかもしれません。
 最初に学習する参考書なら、もう少し詳しいものの方がよいような気がします。

購入書籍・用具一覧

書 名(内容) 出版社 価 格 備  考
文系女子のためのはじめての日商簿記3級 インプレス 1,404円 一応全部読んだ?聴いたのかな
音声講義ほしさ、付属問題集有り
驚異の合格率88% 日商簿記3級合格塾 セルバ出版 1,728円 P183くらいまでか
合格するための過去問題集 日商簿記3級 TAC 1,728円 2回通り+141~136はもう1回
あてるTAC 直前予想 日商簿記3級 TAC 972円 1回通り
スッキリわかる日商簿記3級(現行版古本) TAC 216円 とりあえずコレクションとして買ってみた
電卓 DF-120GT CASIO (1,973円) FP3級の時購入済み
合 計 6,048円

 後は電卓もいいのが使いやすいですね。簿記検定では、電卓を使って延々と作業をすることがメインになるので、電卓が命です。
 1月にFP3級を受験する際、どうせ簿記検定でもいい電卓が必要だろうと思って、CASIO DF-120GTという電卓を買っていました。
 この電卓はそれほど高くないですし、12桁まで表示できて、GT・MCのキーが独立してそれぞれあり、0の他に00キーもあります。
 でも、やっぱり私がもう20年以上前から使っているCASIOのAZ-23Sの方が、何となくやっぱり使いやすいです。この違い、何なんですかね。