大工仕事

天井材の施工
天井が落ちてきた
築30年以上になって、実家の天井材が一部たれ下げってきていたのを、釘を打ってはだまして、何とかしのいでいたのですが、ある日とうとう、寝ているときにどさっと音がしたそうで、何枚もまとめて天井板が落ちてきてしまいました。これはもう部屋全面を張り替えるしか方法がありません。
この天井材ですが、チップをのりで固めたようなものを、タッカーという大きなホッチキスで板に留めていっただけものですから、年月がたって水分を吸って重くなると同時にふやけ、なおかつ止めてあるホッチキスの鉄がさびて劣化しているので、こういうことになったようです。
まずは古い天井材はずし
まずは古い天井材をはがしていきます。もう水を吸ってかなり重くなっていますから、引っ張ればうげてきます。だいたいはすぐに取れますが、それからが大変です。タッカーの針がそのまま残っているのでそれを一つ一つ取っていかなければなりません。
このときに重宝するのが、写真下の100円ショップなどで手に入るホッチキスはずしです。これで挟めば、すぐに取れるので、ドライバーなどを使うのとは比べものになりません。
書類などのホッチキスの針をはずすのにも持っていて損はない一品です。私は、ガレージや仕事場などいろんな所に備えています。
写真のインテリアバールも、こそげ落としたり、ねじったり、結構使い勝手がよく重宝します。
ついでに断熱材も入れておこう
ついでですから、なるべく厚い断熱材も入れておこうと思います。この家は昭和40年代後半の高度経済成長期の施工ですから、ろくな断熱材など入ってはいません。天井には全くありませんし、壁なども薄っぺらなものが入っているだけです。それで夏は暑く、冬は寒く。
高度経済成長期のお手軽に造った家は、ろくなことはありません。
天井に分厚い断熱材を入れてみれば、夏の2階の暑さも少しはしのぎやすくなるのではないでしょうか。
断熱材を施工する上で、注意するべき点は、断熱材の熱の逃げ場や隙間を作らないということです。写真中央部のように縦に棒の障害があるような場合、断熱材施工用のテープでしっかり手当をしなければなりません。
さん木を打って、あとはエアタッカーで
天井材の大きさが違うので、打ち付けることができるように、天井材の大きさに合わせてさん木を取り付けます。
これは、インパクトドライバーでコースレッドを打ち込みます。
後は、隙間無く天井材をはめ込んで、このさん木にタッカーで打ち付けていきます。
天井材は、加圧に弱く、ちょっと力をかけるとぼろぼろこげますから注意が必要です。
コンプレッサーやエアタッカーまで買っちゃった
天井材を打ち付けるには、おそらく手押しのタッカーでも何とかなるでしょう。
でも、エアコンプレッサー(楽天)
など一般家庭に必要なものではありませんが、車の空気入れにも使えますし、大工が使うタッカーの手軽さを見たりすると、ついつい手を伸ばしてしまいます。
本職が使うMAXの携帯型コンプレッサーなどとうてい手が届きませんから、私が購入したのは、もちろんホームセンターで手に入る安物です。
エアコンプレッサーを購入すれば、エアタッカーや釘打ちも安物を買えばたいした値段ではないのでそろえてしまいます。
これだけ工具を買ってしまうと、作業を大工に頼んでも、金額的には同じぐらいになってしまうかもしれません。
あと残るのは、自己満足と、自分の経験値の向上。ほかの部屋も、いざとなったら追加で作業ができる。
それと工具類。でも、工具類が残るのはいいことなんだか悪いことなんだか。
そこら中道具だらけで、元々車が2台置けていたガレージなのに、今や一台も置けはしないとは。とほほ。
でも、そうやってため込んだ工具のお陰で、今や何をやるにしても、ささっと工具を取り出して何とかなったりします。
しかし、タッカーなんて、自分が買っておいて言うのもなんですが、ありゃあまともなしろもんじゃあないですな。
あんなホッチキスの親玉みたいなもので打ち付けたところで、すぐにさびてぼろぼろになるでしょうから、見かけのその場しのぎにちょっと使うだけのものです。
こんなものに頼った家造りが現代の高価な家造りなのですから、本当に情けなくなってしまいます。
仕上がりがゆがんでしまった
一番難しいところから施工しようとして、ドアの出っ張り部分から作業を始めたのが失敗の元でした。
短いところを最初に張り始めたために、少々のゆがみに気付かず、そこを基準にしてどんどん貼っていったので、できあがったときには右の写真のように大きくゆがんでしまいました。
これだけゆがんでしまうと、支えにする木もゆがんで打ち付けなければならず、とっても大変です。
家というものは、結構ゆがんでいるものなので、どこを基準にして作業をしていけば違和感なく完成するのかを、きちんとよく考えてから作業に取りかかるようにしましょう。
この反省をふまえて、二つめの作業をした部屋でも、ここまでではありませんが、やっぱりゆがんでしまいました。
綺麗に天井を貼るのはやっぱりとても難しいです。
でも、気にするのは貼った本人くらいのもので、他の人はそんな細かいところまで見ることはありません。
これも愛嬌と気にしないことにしましょう。
隙間隠しにはジョイントコーク・A
できた隙間を埋めるには、ジョイントコーク・Aを使います。マスキングテープをあらかじめ隙間の上下に貼っておき、そこにジョイントコークで隙間を隠すようになでつけてから、テープをはがします。
写真は、右半分だけ施工しています。
このジョイントコークは、元々は壁紙の貼り合わせ部分を目立たなくさせるために使うものです。天井材が傷んだ部分にも上から塗ってごまかすことなどにも使えます。
プロが施工したものが、きれいに見えるのは、実際にうまく施工している場合もありますが、このごまかす技術を知っている、ということも結構大きな要素だったりします。
壁紙が掃除でとっても綺麗になった
右の写真のように、壁紙やさんが汚れでとっても汚なくなっていたので、ペンキを塗ったり、壁紙を貼り替えたりしなければならないかと覚悟して作業に取りかかりました。
ところが、スチーム洗浄機でスチームを吹き付け、汚れを拭き取ってみると、これが取れる取れる。
私が使ったのは、ホームセンターで買った安物ですが、写真左のように見事に綺麗になりました。壁紙どころか、さんもペンキを塗り替えなくても我慢できるレベルまで回復しました。
私の家にはたばこを吸う者がいなくて、これだけ汚れるのが何故なのか信じられませんが、これがたばこを吸う方の家だったらもっとすごいことになります。私の家の前住人もたばこ吸いだったので、家の掃除はとっても大変でした。
そのとき、このスチーム洗浄機(楽天)を知っていれば、もっと作業が楽だったに違いありません。