空き缶スターリングエンジン

空き缶スターリングエンジン

空き缶スターリングエンジン1

 スターリングエンジンのキットを修理してみて、いろいろ調べていると、空き缶でスターリングエンジンを自作している人が結構います。面白そうなので、私も一つ作ってみることにしました。(写真をクリックすると、動画が再生します。)
 やっぱり上下運動ではなくて、回転運動の方がエンジンらしくて良いです。

抹茶の空き缶を使う

 なにかいいものはないかと思って、探し当てたのが抹茶の空き缶でした。大きさがビールの空き缶よりも手頃ですし、底は平ら、蓋を裏返しにすると、ちょうど程よい凹みがあって、水を入れるのにいい塩梅です。
 それで蓋を裏返しにして、その中央に5mmのアルミ管を短めに、そこから15mm離して12mm、4cm程のアルミ管を貼り付けました。貼り付けには熱に強い(耐熱110°)J-B Weld KwikWeldというやつが、昔空き缶ストーブを作った際に購入してあったので、それを使いました。J-Bウェルド AW-20Z オートウェルドという製品の方が、硬化時間は長くかかりますが、耐熱温度(300°)は高いです。
 ネットでは接着に、耐熱温度120℃のセメダイン 超多用途 接着剤 スーパーX クリアを使っている人もいます。
 ホットボンドなどを使ったのでは、ろうそくで炙った時に溶けてしまいました。

スターリングエンジン中

 ディスプレーサには、100均で手に入れたネットスポンジを使いました。ろうそくで加熱してやれば1枚でも動いたのですが、お湯だけで動かせないものかと考えて、2枚重ねにしようとしているのが写真のものです。結果から言えば、2枚重ねにしてディスプレーサを厚めにしても、熱湯だけではエンジンを回し続けることが出来ませんでした。
 写真の2枚重ねでは、可動部分の高さを15mm以上確保できなかったので、2枚め(右側のスポンジ)を半分ぐらいに薄くして高さを確保しました。
 試しにディスプレーサを発泡スチロールで作ってみたところ、缶を熱した時に溶けてしまいました。
 ディスプレーサが缶の縁にこすれると、無駄な抵抗を生んで回転し続けてくれないので、ディスプレーサを吊るす缶中央の穴は、なるべく真ん中に開けるように気をつけます。
 缶の蓋、中央部分には、これを釣ってクランクにつなげるステンレス針金がスムースに動く最低限の穴をあけておきます。5mmのアルミ管は、水が缶の中に入り込まないようにするためのものです。
 12mmのアルミ管は、ピストンのシリンダー用です。中に10mmのアルミ管15mm程でピストンを作ると、はめ合いがちょうどよいです。ピストンは、ホットボンドで中を埋め、そこにステンレスの針金を埋め込んでいます。ピストンはある程度長くないと圧縮漏れが起こるそうです。
 シリンダーの内側と、ピストンの外側をコンパウンドで磨いて、引っかからないようにし、ピストンには鉛筆の黒鉛を塗って、滑りを良くしました。こんなことだけでも、エンジンが回り続けるかどうかが違ってきます。
 缶の本体と蓋との接合には、アルミテープを使用しました。そのくらいで、空気の漏れは起こってはいないようです。
 クランクは、細くて硬い針金が作りやすいです。何かないかと思っていたら、半自動溶接の溶接棒があったのでそれを使いました。クランクの高さは7mmで、ディスプレーサ用のクランクが、ピストン用より90°早く下がるようにします。
 クランクを支えるのには割り箸を使いました。これもアルミテープで貼り付けます。
 クランクにディスプレーサやピストンをつなげるのに、針金でそのまま結びつけると、針金がクランクから外れてうまくいかなかったので、2mmのスレンレス棒を短く切って、中の穴を少し広げてクランクに通し、それにステンレスの針金を接着しました。
 こうすることで、クランクと針金とが当たるところの滑りも良くなりました。 
 この用途には、百均で売っているアイロンビースの小さい方でも使えます。写真の、ディスプレーサとクランクのつなぎ目に使っているのや、割り箸の中で、クランクが暴れないように固定しているのも、アイロンビースです。
 フライホイールは定番のCDを使い、丸棒を薄く切ったものを両面テープで貼り付けて、それをホットボンドで止めています。
 できればモーターを回しLEDでも光らせるようにできないかと思っているので、プーリーも取り付けました。
 フライホイールを手で回してみて、ほとんど引っかかりがなくて、数回転軽く回るようなら良いと思います。これがスムースに回らない場合は、引っ掛かりがおきないように、各部を調整し直さなければなりません。

熱湯だけで回したかった

 火を使うことなく、できれば熱湯だけでエンジンを回したかったのですが、それは前述の通り出来ませんでした。
 ろうそくの火を使うと、見てのとおりきちんと回り続けてくれます。
 でも、ろうそくで缶の底を炙るとすすだらけになります。どうにかならないものかと思います。
 ダイニングで作動実験をしていると、知らないうちにすすが床に落ちていて、無垢の木の床がとんでもないことになっていました。
 やれやれ。
 ちなみに、蓋の部分には水を入れてありますが、作動させているとこれも結構熱くなっているようです。写真を見ると、湯になって、気泡がでかけているのがわかります。

五徳はセリエ

ロウソク立て

 五徳はセリエで買ったアルコールストーブ用のものを使っています。これはこのような用途には、結構重宝しました。
 ロウソク立ては、木片でも、百均で売っている固形燃料入れでも、小皿でもいいのですが、写真は底の平べったいアルミ缶を切って使っています。

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