蒸気エンジン

蒸気エンジン Model D5キット

蒸気エンジン作動

 昔、『子供の科学』や、無線雑誌の後ろの広告を見て、「面白そうだけれど、こんなに高くては買えないよなあ」と思っていた蒸気エンジンキットを持っていた人がいたので、動かないというのを修理してみました。ドイツの Wilesco Bausatz Dampfmaschine D5 というモデルです。(写真をクリックすると動画を見られます)
 こういう工作は楽しいですね。

動かなかった原因

蒸気エンジン箱

 きちんと動かなかった原因は、蒸気を吹き出すシリンダーと、クランクにつながる棒とが真っ直ぐに取り付けられていないことでした。車のオートドアロックのモーターを後付した時と同じ様に、この様に力をかけて動かすようなものは、可動部分がちょっとでも歪んで取り付けられていると、非常に摩擦が大きくなってまともには動いてくれないので、スムースに動くように、作動部分に無駄な摩擦がかからないように取り付ける必要があります。

40秒ほどしか動かない

 最初の写真をクリックして見られる動画以上の時間、止まらずにこのキットを動作させることはできませんでした。
 このキットは、動力の伝達に単動式を採用していて、蒸気の力がシリンダーに伝わるのはピストンを押し伸ばす時だけです。ピストンを押し伸ばした蒸気は排出口から排出され、ピストンが押し縮められて、次に蒸気の導入をしてピストンを押し伸ばすことができる位置まで戻るのは、はずみ車の慣性力に頼っているだけです。ですから、ピストンが元の位置に戻るまでの摩擦が結構大きいので、どうしても元の位置に戻る寸前のところで慣性の力が尽きて止まってしまいます。(下は取扱説明書より)

蒸気エンジン作動

 これが、ピストンが戻るときも蒸気の力が利用できるような構造になっている復動式の蒸気エンジンだったら、もっと気持ちよくはずみ車が回転して、面白かったと思います。
 まあでも、実際に動いている部分だけの動画を見ていると、この単純な単動式のエンジンでも、随分とそれらしい動きをしていて迫力があります。
 やっぱり面白い。

もっと火力を強くできたらなあ

 このキットでは、左のつまみを引き出したところにある小さいバーナーに、固形燃料(EsBit)を1個半入れて熱源としています。これをペレットに代えたら火力が上がるかと思ったら逆に、火力が弱くなって全く回りませんでした。
 炭そのものでは、受台が小さすぎて、生の炭に着火するだけの余裕がありません。結局 EsBit が一番でした。バーナーを使わずに、ここに個人に各自料理を提供するために使うような固形燃料を直接置けば、もしかしたらもうちょと火力が強くなるのかもしれません。(これは、私は試せていないので、もしやる場合は自己責任でお願いします。)

取扱い上の注意

 蒸気はとても熱いので、やけどに気をつけます。
 水はすぐに無くなってしまうので、空焚きをしないように気をつけます。
 ピストン内や、シリンダーの取り付け部分、はずみ車の受け部分など、可動するところは毎回油をさします。上のリンクの動画を見ていると、ピストンのところなどかなりたっぷり油をさしているようです。
 できれば水道水よりも、蒸留水を使った方がシリンダーに残る脂のようなものが少なくなるかもしれません。水道水を使うと、シリンダー内に灰色の脂のようなものが結構たまりました。

タイトルとURLをコピーしました