中古カメラ購入目安

私の中古カメラ購入目安

カメラは光を制御する箱

 フィルム時代のことを考えれば、カメラは、レンズを取り付けて、光を制御するためのただの箱にすぎません。
 レンズを通ってきた光を、フィルムにピントを合わせて、適正な量当てるだけ。ですから、オートフォーカスや測光にこだわらなければ、いくら古いカメラでも、レンズとシャッター制御のメカニズムさえしっかりしていたら、それで十分機能を果たします。
 新しくなって付け加わるのが、先ずは測光。これで光制御の目安ができ、経験が少なくても失敗が少なくなります。
 マルチパターン測光などという、光の条件を複雑に読み取って判断するようなものも出てきます。
 ですが中央部重点測光さえカメラに付いていれば、それが付いていないカメラよりも随分と扱いがた易くなります。
 そして高級カメラでは高速シャッターが切れるものが現れます。
 ですがこれも、1/2,000秒も切れれば普通の撮影で困ることはありません。
 次がオートフォーカス。ピント合わせが自分でできる人にとっては大きなお世話ですが、その精度が高くなるに従ってこれに頼る人が多くなりました。
 これら測光の精密化やオートフォーカスの精度と速さ、それにシャッター速度の高速化、壊れにくさなどが、新しさ、高級さの表れになります。
 ですから、これらをあまり必要としないのなら、新しく高級なカメラを追い求めなくても、映る画像が変わってくるということはありません。
 高級さといえば、そういえば、ファインダーの視野率などというのもありましたか。
 フィルムカメラの場合、それらのバランスから考えて、どれくらいを求めるかを考えれば、どれを手に入れて満足するかということも自ずと決まってきます。
 上ではレンズについて言及しませんでしたが、レンズは大事な要素ですから、どのマウントにするか、どのレベルのレンズにするかはとても重要です。
 上のカメラ進化の過程は、カメラの電子化の過程でもありますから、中古フィルムカメラをあえて求める人の中には、プラスチックの新しい安っぽげなカメラよりも、どっしりとした機械然としたカメラを好む人も多いです。

デジカメはフィルム内蔵

 デジカメの時代になって、上の要素に加えて、それ以上にさらにセンサーのサイズや画素数、感度が重要になってきました。
 これはデジカメが、機械自体にフィルムの要素を内蔵してしまったためです。
 デジカメ初期の時代は、本当に過渡期で、センサーの技術が現在求められる水準にまで達してはいなかったので、その時代のカメラでは、今の基準からすると、写りは見劣りします。
 使用目的によって求められる画素数やセンサーサイズは変わってきます。ホームページ作成くらいで良いなら300万画素もあれば十分でしょうが、写真を趣味として作品を作りたいなら、1,000万画素くらいは欲しいでしょう。
 同じ画素数でもセンサーサイズが小さければ、一つのセンサーあたりの受光面積が小さくなるため、画素数を上げれば上げただけ高画質になるとは、必ずしも言い切れません。
 スマホの場合は画素数が多くても、センサーサイズは、概ね小さい物が多いです。
 でも、最近のスマホのカメラ、結構侮れませんが。
 コンデジの場合も、センサーサイズが小さいものは、あまり写りが良くはありません。
 もう一つは感度。初期のデジカメは高感度が弱いので、明るいところでは充分でも、暗い所でのストロボなし撮影はできませんでした。
 最近のカメラはこの面でも高感度耐性がとても良くなっています。フィルム時代の比ではありません。
 ですが、最近のデジカメは、技術が熟成してきているので、10年前くらいのカメラからくらいなら、極端な厳しい撮影条件を比較せず、あまり最新を追及しないなら、さほど出てくる像が見劣りすることはなくなってきていると私は思っています。

無線LAN機能のあるなし

 ほぼこの頃から、無線LAN機能が追加されたカメラも出るようになっているようです。
 それだとカードを抜き差ししないでも、データを携帯やパソコンに取り込むことができます。

動画性能

 私はカメラで動画を撮らないので、以上のような感想ですが、もし動画を主体としたいなら、もっと新しい機種に目がいくでしょう。
 最近のカメラは、静止画も静止画ですが、どちらかというと、動画性能を充実させる方向で、機能が拡張されているようだからです。

レンズの変化

 デジカメはフィルム時代などよりはるかに高精細になっているので、レンズもフィルム時代のものは、ノスタルジックに写すのには良いが、今のレンズにははるかに劣るというようなことが言われたりします。
 ですが、デジカメ時代の良いレンズをほとんど持っていない私は、この辺りの事情は良くは分かりません。
 フィルム時代のレンズでも、CONTAX N や Canon の望遠白レンズなどには、私は十分満足しています。
 もしかしたら、今の30万以上もするレンズはもっと良いのかもしれませんが、私の撮影技量では、そこまで求めても仕方がないような気がします。

ミラーレス化

 今の流れはミラーレス化です。
 Nikon 同様、オートフォーカス化した時にマウントを変更しなかった PENTAX も、カメラ事業を今後も継続していくつもりなら、そのうちマウントを変えてミラーレス化するでしょう。
 こうなった背景には、レンズからす通しで撮影画面をクリアに見ることができる利点よりも、暗所撮影でファインダーが明るく見えたり、ファインダーにピントのピーキング表示や拡大表示などの情報が表示されたりすることをプロでさえ望むようになったということがあります。
 確かに 85mm F1.4 などでは、拡大表示しない限り、手動でピント合わせをしようとするととても難しいです。それぐらいピント合わせがシビアになってきているのに、拡大表示を従来の一眼レフでやろうとすると一手間余計にかかる。
 一方、どうせ機械任せなら、ファインダーがさほどクリアである必要もない。
 その上動画撮影に至っては、一眼レフのメリットは全く活かされません。それどころか、ミラーレスの方がはるかに使いやすい。
 だからミラーレス化がこのところで一気に進んだというわけです。
 しかし数年前まで、SONY を除くプロ機は全て1眼レフだったわけですから、一眼レフのカメラが全くミラーレスに劣るなんてことはありえません。一眼レフの取り柄はやっぱりある。
 その機械の持ち味を生かしながら、写真撮影機として使っていけば、これはこれで使い所はあります。

ミラーレスの取り柄

 ミラーレスの取り柄はフランジバックが短いところにもあります。
 要するに、小型化がしやすく、レンズコンバータも作りやすい。
 小型化の魅力もさることながら、もしオールドレンズを使ってみたければ、ここにもミラーレスは魅力があります。
 しかし、Canon や Nikon は最近の変更ですから、このようなコンバーターがまだまだ充実しているとまでは言えません。この用途には、令和7年現在の今なら、まだなんとか SONY に一日の長があります。
 ただ、Nikon Z のフランジバックは 16mm で、SONY E・ Canon EF-M の 18mm より短いので、今後 Nikon Z 用のコンバーターは充実していくと見込まれます。後発だけあって、そういうことも見込んで、マウントの仕様を決めたのだと思われるのは流石です。

マウント変更は気になるだろうが

 マウント変更は気になるところでしょうが、Nikon Canon は、ミラーレスでも旧レンズを使えるようにするコンバーターを用意しているので、一眼レフ用の高級レンズを新調するのでもない限り、安くなった旧レンズを入手して、あまり気にせずに使っていけばよいのではないでしょうか。
 勿論、これまでのレンズ資産がなく、お金がかかっても絶対に全部新品で揃えていきたいような人は、当然、最初からミラーレスにするべきです。今更新品の一眼レフをあえて購入するメリットは、全くありません。

古いカメラでもいいんじゃあない

 Y!知恵袋 などの質問回答などを見ると、もう10年もたったようなものは、修理も効かないから、そんなゴミを買うよりは、新しい安いやつを買う方が良いというような論調のものが多いです。
 ですが、修理といえば何万円もするものですから、いつ壊れるかもわからないことを気にして、最近の高価な安物を買っても、修理が必要になる頃には、対応終了になってしまっていたり、たとえ修理可能でも、「そんなにお金をかけて修理をするくらいなら、もう買い替えたら」と言われたりするくらいが関の山なのではないでしょうか。
 デジカメの世評での消費期限なんて長くても数年です。まして安いものなど、時間が経ったら、修理する価値もなくなる。
 カメラなんて、結構しっかり作り込んであるので、そんなに壊れるものではありません。性能に不満を持ったり、世間の風潮に踊らされたりして、早々に飽きがきてしまうことの方がはるかに多いのではないでしょうか。
 スマホに結構高性能なカメラが搭載されるようになって、安価なカメラの需要がなくなってきたので、カメラメーカーは一斉に、対象をプロやマニヤに絞ってプレミアム化を図ることで高価格化し、生き残ろうとしています。
 カメラ1台にレンズ2本で100万円以上するようなものを手に入れれば(それでも中級機)、確かに、それはそれで性能も良く、物欲も満足するのかもしれません。しかし、それが最善ではない人の選択肢というのもあってよいのではないでしょうか。
 特にカメラ初心者にとっては、今でもそこそこ使える高性能な安くなったカメラやレンズをお勧めする方が、カメラ小僧のやたらと出費を促すアドバイスよりも有効であるような気が私はします。
 それで、スマホでは味わえない、カメラで撮る喜びを感じてもらう。
 今の時代、デジカメもそこまで成熟してきていると私は思います。
 ただ今の中古市場では、同じ価格帯に、さまざまな時代の、様々なランク・程度のカメラやレンズが玉石混交で並んでいます。
 そのような中から、自分に最適な程度のよい一台を見つけ出していくことは、そうたやすいことではないかもしれません。

私の中古デジカメ購入目安

 私は、動画も撮らず、連写もせず、普通のスナップ写真くらいしか撮らない人間ですし、あまり合焦の速度も求めてはいないのですが、体育館での撮影などで、ストロボ無しでもなんとか撮れるくらいの高感度耐性は流石にほしいです。2014年以降の機種なら我慢できるくらいの高感度耐性はある気がするので、それくらいからなら、中古の購入も視野に入るのかなと考えて今のラインナップになっています。
 暗いところを考えなかったら、2006年当時の1,000万画素もあれば、画質は十分実用になります。その意味で、D200 も、私の所蔵カメラに仲間入りしました。
(本当に物欲しさに負けたコレクションになってしまっていますが。
 だって、高いといっても、2万円もしないんだもの。)
 その頃のカメラでよければ、もはや数千円レベルのものもたくさんあります。
 昔の中級機以上は、さすが中級機以上というだけあって、それでも作りはかなりしっかりしています。

Nikon の古いオートフォーカスレンズ

 Nikon は、エントリー機種では、私が持っているような、レンズ内モーターの無い古いオートフォーカスレンズは、オートフォーカスで使うことができません。
 具体的には、D3000,D5000,D40,D60シリーズなどがダメです。
 意外なことに、二桁機でも、D80 などは使える様ですね。四桁機でも D7000シリーズなども使える。(知りませんでした。)
 それに、APSーCのセンサーだと、画角が元のレンズ通りではなくなってしまいます。これは望遠ではあまり気になりませんが、広角ではかなりな痛手です。
 Canon 40D も持っていますし、今更大枚叩いて APS-C でもありませんしね。
 これが、私が Nikon のカメラを欲しいとずっと思いながら、メインカメラとしてはいつまでも購入できずにいた理由です。
 そうする内に諸所の事情で、メインカメラが Canon 40D から、SONY a に変わって、現在に至っています。
 折角 Nikon D4s を買ったことですし、これからは Nikon も少しは使っていきたいですね。
 でも、acafe の縛りがあるからなあ。

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