Leica M(各マウント) → SONY E

Leica M(CONTAX他) から SONY E へオートフォーカス
Monster Adapter の、LA-NE1(CONTAX N→SONY E)電子レンズアダプターを買って、CONTAX N のレンズを SONY α7Ⅱ のボディーに付け、オートフォーカスで活用することを企てていた時に、CONTAX のマニュアルレンズをオートフォーカスにすることができるレンズコンバーターも発売されていることを遅まきながら知りました。
元々CONTAX のレンズは、マニュアルの安物をたくさん持っているので、これがオートフォーカスで使えるのなら渡りに船です。ということで、Techart の LM-EA9 も買ってみることにします。これは Leica M のマニュアルレンズを SONY E でオートフォーカスとして使うためのコンバーターですが、さらに CONTAX のレンズを Leica M に変換するアダプターを追加することで、CONTAX にも使えるようになります(Carl Zeiss のCONTAX 用マニュアルレンズ撮影見本)。もちろん、M42-LM アダプターを追加すると、PENTAX のスクリューマウントレンズも使えるなど、とっても面白そうです。
そして Leica のレンズ。昔出入りしていた写真屋が、CONTAX の大ファンで、CONTAX でなければ日も明けないようなことを言っていたのに、ある時行ってみると、「ライカにした。CONTAX より断然良い」と言い出したのにはたまげたことがあります。この人の言に従って、ピント合わせもできないのに、マニュアルのCONTAX を集めてきた自分は何だったのか。
でもあれだけ言っていたCONTAX から鞍替えしたのですから、Leica はやっぱりいいんでしょう。安物でも良いから、いつかは Leica のレンズも1本は持ってみたいです。
ということで、2022年夏発売 TECHART のLM-EA9 です。この製品の前身には、LM-EA7 というのがあって、評価もそこそこでした。ただ、LM-EA7 には、下側に1つのモーターを入れるための大きな張り出しがあるのに対して、 LM-EA9 は4つの小さいモーターをレンズ周囲に散らばらせた格好になっているため、この出っ張りがないので、少々お高くても、その方が使い勝手が良さそうです。(LM-EA7 の場合は、各社のマウントアダプターを取り付ける時に、下の出っ張りと干渉する製品がかなりあるようなので、慎重にアダプターを選ぶ必要があります。)
レンズ重量は 500gまで
このコンバーターは、レンズ重量が 500gまで(LM-EA7 は 300g まで)の対応で、重い望遠系のレンズは使えません。写真のK&F Concept 製 C/Y-L/M が 110g ですから、レンズ重量は実質 390g ということになります。残念ながら、85mm F1.4 は重すぎました。
CONTAX AX はフィルム面の移動ですが、こちらはレンズを本体から繰り出して移動させることで、オートフォーカスを実現しています。
動く鏡胴保護のために、使用後はレンズを取り外してから保管するのが良いようです。ちょと煩わしいですが。
制御は絞り優先で
このコンバーターで撮影するには、まず焦点距離をコンバーターに覚えさせるために、焦点距離に対応したF値をカメラ側で設定して、一度シャッターを切った後、実際の撮影時は、カメラ本体のF値を2にしておきます。この設定をしないで撮影をすると、露出がでたらめになってしまいます。
このコンバーターを、たまにしか使わないような場合に、このF値に2を設定するということを忘れてしまっていると、使えない写真ばかりでがっかりすることになってしまいかねません。
このアダプターでプログラムオートを使うと、絞りを制御できないくせに、カメラ側の指標はシャッタスピードと絞りの両方が変化するので、結果、露光量がおかしくなってしまうようです。
それにその場合、本体側の絞り値が勝手に変化するため、レンズの焦点距離設定もでたらめになってしまうはずです。
LM-EA9 の操作説明を参考にしていて、敢えて「絞り優先で使う」と明言してはありませんが、このアダプターは絞り優先でないと正確には動作しないと思います。
また、オートフォーカスの速度や精度を上げるためには、ピント合わせ時、絞りを一度開放にしてから、レンズのF値を、望みのものに合わせ直したほうがいいような説明もあります。
ただ開放時、ピントが甘いレンズは適度に絞っていたほうが良い場合もあるようです。
焦点工房などから買った場合には、日本語マニュアルが付属するのでしょうが、中国の AliExpress で取り寄せたので、中国語のペラペラのマニュアルしか付属せず、使い方がさっぱり分からず苦労しました。海外に発送するからには、せめて英語表記のマニュアルぐらいは添付しておいてほしいです。
気楽に何も考えずに使える製品でもないようだが
これは、LA-NE1(CONTAX N→SONY E) などとは違い、オートフォーカスの速度はかなり遅めですし、よく迷います。特に明るいレンズの開放気味や、絞りを絞りすぎると、なかなかピントが合いません。
それともう一つは、ピントをオートフォーカスで合わせることができる範囲が限られているので、マニュアルである程度近い位置までピントを追い込んでおく必要がある場合が結構あります。
ですから、オートフォーカスとマニュアルとを併用しながらピント合わをしていくというような使い方になります。
少し慣れが必要ですし、「こんなものだ」というような割り切りも必要でしょう。
ですが、元々マニュアルでしかピント合わせができなかったレンズが、オートフォーカスとして使えるのは画期的です。ドンピシャにピントを合わせなければならないのと、適当にそこら辺にピントを持っていけばよいのとでは、気楽さが全く違います。
ピントが決まる時には、かなりしっかりとピントを合わせてくれているようです。
気軽にバシバシ機械任せでどんどん撮って、失敗が許されないような用途には向かないかもしれませんが、単焦点の軽いレンズを使って、1枚ずつ写真を撮って、少々失敗しても許せるような用途なら、使ってみても面白いコンバーターなのではないでしょうか。
何よりこのコンバーターを手に入れたことで、わざわざ持ち出そうとも思わなくなってしまっていたフィルム時代のマニュアル旧式レンズを、気軽に「デジカメのオートフォーカスで使ってみようか」という気にさせてくれる所が良いです。
デジカメはいくら試し撮りをしても、お金がかかりませんし。
実際、死蔵していた PENTAX スクリューマウント(M42)の SMC TAKUMAR 1:1.8/55 を持ち出してみると、意外とツヤのある良い写りをするのにはびっくりしました。(画像見本はリンクで)
Leica L39 アダプターで Nikon 28mm が使えなかった
Leica L39 アダプターを使えば、Canon P で使っていた、Nikon 28mm が付くと思っていたのに、絞り操作用の取手が LM-EA9 の枠やレンズリリースボタンに当って取り付けることができませんでした。
よく見てみると、 LM-EA9 はレンズを取り付ける部分が少しだけ凹んでいるので、レンズに絞り操作用の取手がついているような構造だと、それがこの枠にこすれて取り付けることができません。
Canon 50mm F1.8 も同様です。
レンズコンバーター K,FD,MD,OM → L/M
PENTAX K、Canon FD、MINOLTA MD、OLYMPUS OM 各マニュアルフォーカスレンズ用には、このようなコンバータも用意されています。
Leica M → SONY Nex を使ってマニュアルでも
LM-EA9 を使わずに直接 SONY α7Ⅱ に他社のレンズを付たい場合、Leica M → SONY E(Nex) のコンバーターをもう1つ追加して買っておけば、LM-EA9 用の「それぞれのレンズ → Leica M のコンバータ」を更にそれに取り付けることで、オートフォーカス用にも、マニュアル撮影用にもどちらにも対応させることができます。
更に PENTAX の場合は、K マウントアダプターにして、もう一つ、M42 → K のアダプターを追加することもありです。
後から振り返ってみると、それが一番お金のかからない方法でした。
ファームウェアアップデート
このアダプターには、ファームウェアアップデート用のUSB DOCK が付属しているので、それをアダプターに接続して、USB Micro-B ケーブルでパソコンに接続します。
USB Micro-B ケーブルは、従来携帯電話に使われてきてものですが、最近は違うものに移行しつつあります。とはいえ、データ通信機能付きのケーブルをまだ100均でも売っているので、それが使用できます。
機器を接続してしまえば、焦点工房などからファームウェアをダウンロードしてきて、アップデートするだけです。